まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。今回は原作一巻、一話目さんのお話しです。
といってもか~なり設定はやはりかわってたりv
ちらっとでてきたカナちゃん設定もまたしかりv
ええ。以前に自分達のシマにきたアレに気付いてさくっと落とし前はつけてるのですよvええv
ともあれ、いっきますv
こそっとかくれてやってるけど気づく人、何人いるかな?ふふふ(確信犯v
#########################################○ MOON RIGHT REVERSE ○~妖、仁義、そして……~
「奴良君。無理してない?」
「してないよ?」
そもそも、入学してこのかた誰かの手伝いをしていない日はない、といっていいほど。
他人が躊躇するようなことすら率先して自分から行動している。
ゆえにこそ少しばかり心配してしまうのは仕方がない。
彼とは幼稚園のときからの付き合い。
それでもそのときからそのような行動はよく目にしてはいたが。
「だって。人のために動けるのって素敵なことだとおもうんだ」
その感謝の気持ちは裏を返せば『力』の源となるにしろ。
「でも……」
「僕のことはきにしなくてもいいから。ほら。カナちゃんたちは先にもどって。バスに乗り遅れちゃうよ?」
そもそも、これを乗り過ごせば後はない。
最近よそでは物騒な事件が起こっていたりするのはよくニュースでやっている。
かわいらしい悪さならまだいいが、人から迫害されてもおかしくはない悪さは度がすぎている。
最近あまりに度がすぎているのでやんわりと自覚を促してはいたがどうやらアレの気はかわりそうがない。
そもそも、どうして力のないものを選んで攻撃するのやら。
すなわち、それは自らに力がないことを示している、というのにどうしてこうしてきづかないのか。
裏を返せばそれは自身の力をも否定している、ということに他ならないのに。
まあ、アレが生まれた経緯からして不思議ではない、といえば不思議ではないにしろ。
それでもやはり頭がいたくなるのは仕方がない。
そかもそれが自分の『力』だ、と思い込んでいるのだからなおさらタチがわるい。
自分の力を過信したものは時として周囲を巻き込む愚かな行動を多々ととる。
ここ最近の動向をみていてもそれが遅くはない未来におこりえることを理解している。
だからこそのこの行動。
学園の中ではいくらなんでも馬鹿なことはしない…と思いたい。
しかし外に出れば何をしでかすかわからない。
とりあえず自分が一人でいることによりひとまずその目は自分に向けられるはず。
特に権力をほしがっているのがまるわかりゆえに対策も立てやすい。
「僕は大丈夫だから。また明日ね。おそくなったら迎えにきてもらうし」
「そう?じゃ、私は先にかえるね」
入学してもうすぐ半月。
そろそろ動きがあるはずである。
「さて…と」
爺ちゃんの許可はもう出てるし。
あとは相手の出方をまつだけ。
そんなことを思いつつ、一人残って資料の片づけをし終えて外にと出る。
すでに日は傾きかけており、カラスの鳴き声がきこえてくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まったく。心配性だよね……」
というか、見張られていたら相手もまた動かないというのに。
今朝もまた総会でひと騒動あったっぽい。
ならば行動を起こしても不思議ではない。
特に祖父がきっぱりと跡目のことに触れたのはこのたびが初めて。
ゆえにこそ行動を起こすであろうことは明白。
相手の目をくらますことなどあわいのないこと。
ゆえに空中に飛びかうカラス達の目をごまかしそのまま一人、外にとでる。
第三者を巻き込まずに自らの決着は自らの手で。
そもそも、命を狙われているのは自分、なのだから。
「念には念をいれといたけど……」
無防備な何の力もない子供一人と、そしてその他大勢の子供たち。
どちらを優先して狙えばいいかなどおのずとあきらか。
しかし、その通常の判断ができなくなっている可能性もまた否定できないのも事実。
「ま、シアンがついてるし」
念のためにあれらが行動を起こすまで他のクラスメート達には護衛についてもらっている。
それに何よりもそれとなく幼馴染にと『お守り』を渡している。
ゆえに滅多なことは彼らの身には起こらないはず。
またおこってもどうにか対処できるしすぐに自分にもわかるようになっている。
一人そんなことをつぶやきつつも、てくてくと歩く子供の姿がしばしみうけられてゆく――
「しかし、奴良君もかわってるよねぇ。世の中に妖怪なんて面妖なものがいるはずないのに」
自分が妖怪などいるはずがない、幽霊などもってのほか。
そういってクラスメート達に話せども、彼のみはそれらを否定する。
自分の目に見えないからってすべてを否定するのはどうかな?
裏を返せば自分にみえるものしか信じないのであれば、真実を見極められない。
ということに他ならない。
「たとえば、人はすべて思っていることを口にしないときがあるよね?
そうしたら、うわべだけの台詞をそのまま清継君は信じるの?真実に目をそむけて?」
そういわれてもよくわからない。
そもそも、目に見えるもの、聞こえるものがすべてであろうに。
「家村さんもそうおもわない?」
「私はよくわかんない。そもそも怖い話しとか嫌いだもん」
幼いころからみつづけてきた夢。
ものすごく怖かったのはおぼえている。
そういえば、とおもう。
奴良君が家にとまったときからあの夢みなくなったよね。
奴良君からもらったお守りがきいたのかな?
そんなことをふと思う。
「そういえば、ここさいきん子供が行方不明になる事件が増えてるらしいよ?」
「親にいって学校のセキュリティ向上をしてもらうべきだと僕はおもってるけどね」
そもそも自分の家がお金をだすなら何の問題もないはずである。
学校、というものはどうしても予算が限られている。
ゆえにどうしても必要なものから予算を使えばおのずとどうしてもそういった系統のものは後ろ手にまわってしまう。
しかし、寄付、という形をとれば話しは別。
寄付金、ではなく品物の寄付云々、というのであれば行政もとやかくいいようがない。
「おおかたまた子供を狙った犯罪者がでてきたんだろう。まったく。世の中くるってるよね。
だから妖怪だの幽霊だの、というのがブームになるに違いないんだし」
それでなくてもここさいきん、また妖怪ブームだの何だの、とテレビでよく騒いでいる。
ここ、浮世絵町もその関連のテレビ番組で取り上げられたこともしばしば。
「春だ、というのにまだ日は早いね」
「…あれ?」
ふとバスの外をみていると何か違和感を感じた。
ゆえにおもわずつぶやくものの、
「どうかしたのかい?島君?」
「いや、なんか…いや、気のせい、だよね。うん。気のせい」
・・・走っているバスの真横を人らしき影が走っていた、などと絶対に見間違い。
気のせい以外の何ものでもない。
そう自分に言い聞かす。
ふとみえたのは、バスに沿って平行するように走っていた人影ひとつ。
そう自分に言い聞かせているそんな中。
「まったく。何がきのせ……」
『・・・・・・・・・・・』
一瞬、窓に目をやった子供たち全員が思わず無言になってしまう。
そこにあるものが信じられず。
そこにはバスに平行するように走っている…老婆のような老人のような人影ひとつ。
そしてその人影はべったりと窓にはりつくようにバスの中をうかがっている。
「き…『きゃぁぁっ!!!!!!』『うわぁぁっっっっっ!』」
叫び声はいったい全体誰のものなのか。
それと同時。
ドグワァッン!
鈍い衝撃音と振動が彼らにと襲いかかってゆく……・
「若っ!こんなところにっ!何を考えてらっしゃるんですかっ!!よもや歩いてかえられるおつもりだったんですか!?」
ぴたり。
思わず足をとめて思わずこめかみに手をあててしまう。
表情が険しくなっているのは仕方がない。
絶対に。
そんな中、空からばさばさと音がしたかとおもうと目の前に出現する鳥が一羽。
目の前で何やらわめいているが今はそれどころではない。
「カラス天狗。今ちょっとそれどころじゃないんだけど」
とりあえず伝わってくる光景を『視る』限り、最悪な結果にはなってなさそうである。
あるが……
「リクオ様!それどころじゃないとかそういう問題ではっ!」
ぼすっ。
「って、リクオ様!?」
いきなり何か投げられた。
よくよくみればリクオがもっていた鞄のようである。
「もってかえっといてっ!」
「若っ!何を…っ!」
文句をいいつつも手を伸ばす。
が、
ゆらっ。
つかんだはずの手は虚空をつかむのみ。
確かにそこに姿はあるのに姿がみえない。
「…クラスメートに手をだすとは…ゆるせねぇ……」
いつもの知っている口調ではない。
あの視ているだけでほんわかしてしまう雰囲気を今の彼は纏っていない。
「…わ…若?」
何がどうなっているのかわからない。
わからないが、この感じる『畏れ』は何なのか。
「ケジメはきっちりとつけてくる。来たいヤツはこい、といっとけ」
「って、若~!?」
ざっ。
それと同時に視界が桜にて覆われる。
いきなりの突風。
次の瞬間、目の前にいたはずのリクオの姿は見えなくなっていたりする。
「って、若~!?どちらにいかれたのですか!?若、若~!?」
しばし、カラス天狗、といわれた鳥の叫びが周囲にとコダマしてゆく……
「だって…だって、だってぇぇっ!」
いつもならすでに帰っている時刻。
様子をみにカラス天狗が出向いていった、というのはわかる。
わかるがそれより先に信じられない情報がもたらされた。
「若が乗っていたバス、というのは間違いないのか!?」
もたらされた情報。
諜報係りのカラスよりもたらされたのは、通学用のバスが落石に巻き込まれた、というもの。
しかも、落石などありえるはずのない場所で。
「落ち着け!雪女っ!」
「青は心配じゃないのっ!」
「そりゃ、心配だが、今は何よりも情報が先決だっ!って総大将は!?」
孫が大変かもしれない、というのに何もいってこないのが気にかかる。
「とにかく。少しでも情報を……」
いいつつも、ぽちり、とこの家にはあまりそぐわないような気もひしひしとするが。
何ごとも臨機応変は必要。
居間の一つにあったテレビのスイッチをぽちり、とつける。
すでに時刻は逢魔が刻。
周囲はうっすらと薄暗くなりかけている。
逢魔が刻、かぁ。
~第3話へ~
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あとがきもどき:
薫:原作が何やらちと面白いことになりかけてるような気が(まて
学ラン姿の夜若・・・かなりおいしいような(だからまて
2011年1月24日(月)某日
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