ぱた……
「つ…疲れたぁ……」
何かここ、一・二ヶ月の間にバタバタしてめまぐるしく時間は過ぎてゆくばかり。
いつのまにか気づけば冬から春にそろそろなりかけている。
グレタを養女にしたのが大体十二月の半ばかそれより前くらい。
いや、一月のあたり…というのかな?
こっちの暦はいまだによくわかんない……
それゆえに、家にあまっていたカレンダーを以前もってきて部屋にと置いている。
何月の何週の何の日…とかいうのはこっちではないらしく、
暦的には十三月あったりとかもするらしい。
聞けば十三月は日本の一月に相当するらしい。
二月から新年、とされるのは新芽などが早い段階で芽吹き始めるとか何とか……
熱さ寒さもそれなりらしい。
たしかにこっちに始めてきたときのは五月なんだよな……
向こうでは余り月日はたっていなくても、こちらではかなりの月日が経過している。
何かそんな生活に慣れてきている自分にもおっかなびっくりしてみたり……
先日、ニコラとゲーゲンヒューバーは赤ちゃんと共にグリーセラ家にとかえっていった。
これから家族仲良くくらせるはずだ。
きっと。
ボランティアの定義。
人々から小額でもお金を集めて支援する…という考えは、
友好条約を結んでくれた幾つかの国やカヴァルケードの国の人たちも賛同してくれて、
どうにか種族を超えた支援団体はその光を見せてきている。
とりあえずは長い干ばつが続いた地区などへのボランティア。
それに加えてオレは自国の状況の勉強……
今はてんでに各領主や代表者がいろいろやっているらしいけど。
その報告が滞ることも今までは多かったらしい。
何よりも情報のスピード化は大切だ。
それに不必要な税などで国民に負担をかけるようなこともやってはならないこと。
やるべきことや、覚えることはたくさんありすぎて……
何か頭がパニックと化してしまっているけども。
これも全ては皆が平等に仲良く暮らせる世界へとするさきがけ。
と自分自身に言い聞かせ、ただがむしゃらにとにかく手伝ってもらいながら物事を行ってゆく。
文字も何とか只今小学一年生レベルまで向上中。
未だに文章を書け。
といわれたら、日本でいうところの『ひらがな』だけなら何とか……
ご飯を食べて風呂に入ってベットに倒れこむと同時にすぐさま睡魔がおそってくる。
いつものようにオレのベットで寝ているはずのヴォルフラムも最近は何かすることでもあるのか、
オレが部屋にもどる九時ごろにはまだいない。
そのまま深い眠りにと誘われる。
各領地などにおける駐在所設置も少しづつながら進んでいるらしい。
数多とある点在する町や村には国の意向を伝え、住民の意見も取り入れて、
新たな人を配置するか、元々いる自警団の人々でそれを行うか。
それらはとことん話し合って決める。
ということで落ち着いている。
その地区の代表者に伝われば、おのずと辺境といっても過言でないところにもある村々にも伝わる。
とか何とか…オレはそう聞いたけど。
とにかく落ち着いたらきちんと連絡や仕組みがいきわたっているか自分の目で確認したいところだ。
あれほどこちらに今回来た冬至肌寒かったのが今では空気も暖かくなり、
春の訪れが近づいていることが肌で直接感じ取られる。
といっても、まだ寒いことは寒いけど。
始めてこちらにきたときの空気の感覚。
あれとよく似ている。
ともあれ、春先になったらあちらに戻る予定…らしい。
何しろオレ自分ひとりじゃ、移動できないしね……


「おはようございます」
「おはよ。コンラッド」
いつものようにコンラッドが起こしに来ておもわず背伸び。
「ゆっくり寝られましたか?今日はちょっと大変でしょうしね」

そんなコンラッドの言葉に思わず首をかしげる。
「何が?」
「…何が…って。今日は生誕の日…ですよ?」
「は?」
何か以前聞いたことあるような言葉が。
「せい…たん?」
「?もしかして何もきいてないんですか?おかしいな。
  ギュンターとかグウェンダルから何かきいてないですか?」
「いや、まっくたく何も」
そういえば、昨日、一昨日と二人にはあっていない。
アンリからエドさんが戻ってきた…という報告があって、二人が呼び出されていったっきりで……
仕事は山とあるのでそんなことを気に留めている暇もなかったけど。
何しろエドさん、この惑星中を旅行していたらしいしね。
魂というか精神体の状態で……
「?おかしいな。グウェンは昨日戻ってきているはずなのに?」







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