プロローグ:始まり
外はほのかにと明るく光っている。
いや、それは光っている、というよりは、むしろ炎の明かり。
何ものかが、この国にと侵入を果たしてきている・・・・
「…あなた……」
「わかっておる。…あとは頼んだぞ。コンラート。」
「上王陛下………」
「奥方様。コンラート!お急ぎください!すでに用意は!!」
広い、広い城の一室にて。
ばたばたと人々の足音とともに。
彼らは……これより、この住み慣れた地をはなれ、異郷の地へと出発する。
「だぁぁ!」
きゃっきゃ!
奥方様、とよばれた女性の手には、まだあどけなさが残る産まれて間もない赤ん坊の姿……
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