リモージュの秘密の大作戦♪ ~第二十六話~
宇宙の移動。
などという、とてつもないことが行われたというのにそれを見事に安定させた、現女王。
そして、尽力をつくし。
新宇宙の情報を集めている最中の王立研究院。
ここ、聖地での新たなる主任は。
彼…エルンストなのだから。
金髪と、銀色の髪の両人に苦笑しているロキシーの姿。
「あ、そうそう。そういえば、ここに来る途中。
森の林の中で白い羽をもった、三~四歳程度の女の子をみたが?」
……ぴた。
その言葉に、じゃれあっていた二人の手が止まる。
「……白い……羽??(汗)」
「まさかとは思うが……。だが……白い羽をもっている存在といえば……」
「うわぁ……。まぁた、宮殿を抜け出されたのか?あのお人は?」
少し苦笑しているロキシー。
「……ロキシー……。そういう発言は、無礼に値するぞ?」
「でもまあ、気持ちもわからないでもないけどな。
やっばり、市民の声は生で聞きたいのと違うのか?
我々が、市民との交流を通じて活動しているのと同じく。」
そんな会話をしているエルンストとロキシーに。
「……いや、そういう問題でも……。確か、今の女王は、でも17歳のはずでは……。」
そう。
白い羽をもっている存在など女王以外には考えられない。
デマントイドの台詞に。
「え?あ……ああ。そうか。知らなかったのか?陛下は自在にそのお姿を変えられるそうだぞ?
何しろ、あの伝説の一族の家柄だからなぁ。」
ロキシーの言葉に。
「……伝説の一族って……」
『クリスタル一族!?』
見事に、デマントイドと、ジュノー、二人の男女の声が重なってゆく。
「どわっ!?何だよ!?」
「ふふふふふ♪」
「ふふふ♪じゃねえ!!
おめえ……じゃない!陛下!どうしてここにいるのかって聞いているんだよ!」
「あら、私もいるんですけど?ゼフィル?」
「だぁ!?女王とその補佐官が何のようだっていうんだよぉ!」
執務室にゼフィルの叫びがこだまする。
コンコンコン。
「はぁい。どうぞ。」
カチャカチャカチャ。
執務室で、機械をいじっていたゼフェル。
扉がノックされる音を聞いたので。
声をかけた。
そこまではいい。
いいがる
そこにいたのが、ふわふわの金髪をしている少女だからたまったものではない。
「……で?何のようだよ?」
「あのね♪ゼフェルにお願いがあるの♪精巧な小さな遊園地を作って欲しいのよ♪
出来たら、太陽の力で動くやつね♪水晶の中にでも入っていたらかなり最高なんだけど?」
にこにこにこ。
どうやら計画的なのであろう。
何しろロザリアがしっかりと、お茶の用意をしていたりするのだからして。
ここにくるのに、自前でもってきていたようである。
しかも、ゼフェルにとっては、喉から手がでるほど飲んでみたい一つである幻の名水をもって。
クリスタル一族が隠れ住む場所にのみ湧き出ているという伝説の水。
はっきりいって。
この水だけで。
一般に少し出回るだけで、かなりの値がついたりするほどの高級品。
何しろ、この水。
ありとあらゆる、病気を治す効力を秘めているのだからして……
そんな水も、リモージュにとってはただの水。
何しろ、それを創っているのは、本質的には自分自身なのだからして。
「ああ?!そんなもの、何にするんだ?」
ゼフェルの言葉に。
「ふふ♪内緒って言いたいけどvvゼフェルには教えたげる♡
私がつくってもいいけど、この力で。やっぱり、ゼフェルに頼むほうがいいとおもうのよねvv
実は、ここ、聖地の外れに遊園地を作ろうかと思って。
ゼフェルが小さなのを創ってくれたら。それを拡大して置くだけでいいしvv」
にっこりといいながらも笑いかけるリモージュ。
「ちょいまて!」
すかさず突っ込みを入れるゼフェル。
「遊園地…というのは、私はどうかとも思うのですが。
陛下が言われることも一理ありますし。何しろ、ここ聖地には娯楽施設が少ないでしょう?
ですから、ここで働く民間人。そしてその家族や子供達。
彼らの憩いの場が限られているんです。
そんな彼らの、ストレスの解消の場になれば。と、陛下はおっしゃっているんですが……」
ちらりと、リモージュのほうをみているロザリア。
そしてため息をつきながら、
「どうやら、まぁた、脱げたして、市民の声を拾ってきたようですけどね。」
そんなことをいっていたりする。
「……え?あ……あはははは♪ロザリア、ばれてた?」
ぺろり。
舌をだして頭をこつんとやっているリモージュ。
「当然です!今度から、必ずずっと側にいますからね!」
「ええ!そんなぁぁぁぁ!!」
そういうロザリアにすがっているリモージュ。
「……俺はいいけど。ジュリアスに何ていうんだ?」
口五月蝿いジュリアスのこと。
神聖なる聖地に遊園地など。というのは目にみえている。
「あら♪大丈夫よ♪ジュリアスには内緒v
ただ、市民の憩いの場増やそうと思うのvvっていって、賛同はとってるからvv」
「というか、陛下は『憩いの場』とはいいましたが。
それが『遊園地』だとはおっしゃってないですけどね。」
ロザリアがそんなリモージュの言葉につけたしをしている。
「あら♪私は嘘はいってないし。それに、出来てからだったらもう文句のいいようもないでしょう?」
にっこり。
確信的な笑みを浮かべていいきるリモージュの言葉に、
「なるほど。面白そうだな。よぉし、その作業、引き受けてやる!」
あのジュリアスが驚いた顔も見たいしな。
そんなことをおもいつつ、面白そうだ。
というのもあり、引き受けているゼフェル。
「きゃあん♪ありがとう♪ゼフェル♪
とりあえず、、あと外界での時間率からして十八年後までにはお願いねvv」
お礼をいったあと、リモージュが付け加える。
「??何かあるのか?」
「ふふふふ♪それは、時がきた時のお楽しみvv」
「ちぇ。秘密かよ。……ま、いいけどな。」
とりあえず。
この計画は面白そうである。
「では、お願いしますわ。ゼフェル。それでなくても……
……とと。これはまだ秘密でしたわ。
陛下がそのお力で建物などを作り。
遊園地を作ったりするのは、この時期ちょっと望ましいことではないですので。
陛下には、他にやっていただいていることもありますしね。」
「あら、ロザリア。私なら平気だってば。」
にっこりと笑うリモージュ。
「いいえ!陛下のお体が大事です!」
それでなくても。
かつての宇宙の様子を見るために。
そして。
そこの宇宙まで、均衡をたもっているのをロザリアは知っている。
そこに誕生する意思を育てるべく、リモージュが見守っているということを。
本当は、そこだけでなく。
この空間そのもの。
この前銀河を含む宇宙そのものがそうなのであるが。
前世を思い出していないロザリアにとって、それは分からないことに他ならない。
「ともかく。じゃあゼフェル。お願いねvv」
「まかせとけって!」
これは、面白くなってきたな。
そんなことを思いつつ、
「よおし!腕によりをかけるぞぉ!」
俄然やる気になるゼフェルの姿が執務室で見られているのであった。
-続くー
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