リモージュの秘密の大作戦♪  ~第二十四話~

「陛下、そろそろ……」
ロザリアが横で意見してくる。
その言葉にうなづくリモージュ。
そして。
ふと。
「そうね。あ、ルヴァ、マルセル、ランディ、オリヴィエ。
  貴方たちは、まだ休暇、残ってるから♡ゆっくりして戻ってきてもいいわよ♡」
くるり。
向きを変えて、マルセルたちにいっているリモージュであるのだが。
「へぇ。話せるじゃないか。」
ゼフェルが口笛を吹き。
「いやぁ、ゼフェル。私達も戻らない?」
「あ~……そうですねぇ。このままここに留まっていても。
  私達は自力で、移動など陛下とは違いできませんし……
  民間人にいろいろと質問の嵐をうけるか。
  寂寥感を味わうことになるのは、いやですからねぇ……」
オリヴィエに賛同しているルヴァ。
「ええ。僕、も~すこし、カティス様とお話しがしたいな。」
マルセルが、カティスの腕をつかみ。
「あのね!カティス様!カティス様の花壇ね!!綺麗なお花が咲いているんだよ!
  それに、陛下がくださった、花水晶もあるし!」
ぐいぐいと、
カティスの腕を取っていたりする。
「俺もまだカティス様とはいろいろと話してみたいです!」
ランディの言葉に。
「じゃあ、カティスも聖地にくればいいんじゃないのか?いいだろ?陛下?」
ゼフェルが意見する。
「そりゃ、カティスがいいんだったら。どうする?」
「カティス様!!いいでしょう?ねっ!!」
マルセルにおねだりされて。
くすり。
思わず笑いがこみ上げてくる。
この後継者はいつまでたっても当時のままだ。
そんなことを思いつつ。
「分かった分かった。じゃあ、ちょっとだけ。久しぶりに聖地にいくとしよう。」
「やったぁぁぁぁぁ!!」
その言葉に、はしゃいでいるマルセル。
「じゃ、そういうことで。決まりね♡」
こいこいこい。
リモージュが手招きするのと同時に。
それに誘われるように守護聖たちがリモージュの周りにと集まってくる。
「じゃ、これ以上、騒ぎが大きくならないうちに。私達は退散するわ。
  ミルキー、貴女の結婚式に参加できてよかったわ♡」
「陛下。」
にこにこといっているリモージュに。
問いかけているロザリア。
「それじゃ、皆戻るわよvv」
戻るって……
全員が首をかしげるのと同時に。

――――――カッ!
シャラァァン・・・・。
フワァァァァァ・・・・・・・・・・・。

淡い金色の光が彼らを包み込み。
まるで、綺麗な鈴がなるような残音を残し。
後に残るは。
幻のごとくに。
会場中を舞い落ちる、白い羽。

リモージュたちの一行の姿は。
ミメット達の結婚式場から、一瞬のうちにと消え去ってゆく。

「え……ええ……。……とんだハプニングでした……」
その声はどことなく浮ついている。
参加している全員が。
全員とも夢見心地にと成り果てていたりするのは…当然のこと。

しばし呆然とする中で。
とどこおりなく、結婚式は終了してゆく。

「……姉様、ありがとぅ。」
わざわざお祝いに来てくれて。
空に向かって。
式が終わった後に。
祈りを捧げるミメットの姿がそこにはあった。


守護聖が訪れた結婚式場。
というので。
この後。
この結婚式場は。
今まで以上に、大繁盛となってゆく……



「まったく!!貴女という人は!!!!女王としての自覚ができているんですか!
  聞いてるのぉぉ!!!アンジェリークゥゥゥゥゥ!!!!!」
「陛下、まがりなりにも陛下ともあろうお人が。護衛もつけづに外界に降りられるなどと前代未聞。
  もし、その御身に万が一のことがありましたら!」
くどくどくどくど。
ロザリアとジュリアスに。
聖地にもどり説教うけているリモージュ。

リモージュが全員を連れて次元移動したときは。
女王の力というものを目の辺りにして、尊敬もしたりしたが。
それはそれ。

「はぁい。」
ぺろり。
舌を出しながら。
う~ん……
でもばれるの……早かったわね……
なんかくやしいな……
一人、そんなことを思いつつ、心の中でつぶやいているリモージュ。
そんなことを思いながらも、説教を聴いているリモージュの姿が。
約一日。
聖殿の中で見受けられてゆくのであった。



う~ん。
まさか、あんなに早くばれるとはねぇ……
とてとてとてて。
「アンジェちゃん、どうしたの?」
「ううん。何でもない。」
キャキャキャッ。
周りにいる子供達がはしゃぎ声を上げて遊んでいる。

妹であるミメット、リモージュはミルキーと呼んでいるが。
その結婚式に、参加したのはいいものの。
数時間後には、あっさりと見つかり、ここ、聖地にと連れ戻されてしまった。

その後。
一日かけて、お説教が当然のごとくに続いたのであるが……
さすがにあの説教は精神上よろしくないわね。
などと、一人思っていたりするアンジェリークであるのだが……
あけて、次の日。
公務を滞りなくすませて休憩時間時。
今度は、聖地の中の広場にとやってきていたりするリモージュ。
しかしその姿は、かつての女王試験の時と同じ。
いや、それより少し幼い姿。
女王試験のときの姿は。
六歳程度の姿を保っていたのだが、今彼女の姿は、三~四歳程度。
宮殿を抜け出して、息抜きをしているのである。
いつもやっていることなのだが……
こうしてみると、外から見ているだけでは分からないことも、いろいろと分かってくる。
やはり、直に触れていろいろとその目で見て確認する。
それらは、今でもリモージュにとって、大切なことに思える。
― たとえ、その力で。すべての宇宙の様子を把握することが可能でも。
小さなふれあいを大切にしたい。
それが、昔からのリモージュのもっている信念であるからして。
ときどき遊びにくるこの子供に。
周りの大人も少し不思議がりはするものの。
何しろ、保護者もいないのである。
前に、風の守護聖ランディが、その姿をみつけて大慌てしていたこともあったりしたが。

聖地の中にある、とある公園。
聖殿の近くにあるこの公園には。
ときどき守護聖たちも顔を覗かしている。
だからこそ。
リモージュは、彼らがいないときを見計らってやってきているのである……


                                              -続くー


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