リモージュの秘密の大作戦♪  ~第二十三話~

暖かな眩しい光。
その光の中心にいるのは微笑んでいるリモージュの姿。
「ミルキー、幸せにね。そして、参加していただいた全ての人々の幸せをこめて♡」
言葉とともに、リモージュの背からふわりと淡く金色に輝く白い翼が出現し。
そして、その羽が。
会場の中にと舞い降りてゆく。
淡く、淡く金色に輝く真っ白い羽が……

触れれば消えてしまうその羽は、神鳥と同じ聖なる翼。
実際は、神鳥と呼ばれている存在がリモージュの化身でもあるのだが。
そんなことは、今や誰一人として覚えているものなどはいるはずもなく。

「この場を借りて、正式に全員の紹介をしておきます。お騒がせしたせめてもの償いに。」
凛と、今までとは打って変わった、何とも神々しい声が響き渡る。
それが償いになるのかはともかくとして。
金色の光に包まれているリモージュ。
ちゃっかりと、この会場中だけに。
この光と気配は止めおいているリモージュではあるが。
そんなリモージュの様子に。
ピシッ!
と、姿勢を正している守護聖たち。
ロザリアに目配せすると。
ロザリアが、守護聖たちに眼をやり。
カティスを含む守護聖全員がリモージュの横にと並びゆく。
「ロザリア。」
リモージュの言葉に。
いつのまにか、杖をもっているロザリアがリモージュの横にと近づいてくる。
その杖は…いうまでもなく、補佐官専用の杖。

絵画にて、肖像にて。
この羽の意味は小さな子供でも理解している。
聖なる女王がもつというその羽。
白い翼の持ち主は……この世には一人にしか存在しえないということが。
会話だけで理解していた参列者達。
その神々しいまでの雰囲気と気配に圧倒されて、誰もが言葉を失っている。

リモージュの言葉に、ぺこりと頭を下げているロザリア。
「まず。わたくしは、
  現女王256代女王にして、この新宇宙の初代女王陛下にお仕えしております。
  女王補佐官ロザリアと申します。」
ロザリアが、いつもの政務のように自己紹介。
次に。
ちらり。
「ジュリアス、順番に正式に自己紹介をしてね♡」
リモージュが守護聖たちをみつつお願いしているが。
リモージュをその中心に。
並んでいるその様子は。
聖地でのまるで謁見室さながらのその風景。
「はい。」
リモージュの言葉にうなづいているジュリアス。
女王の命令は絶対がゆえに了解するしかない彼なのであるが。
未だに、会場には、淡い金色の光が満ちている。
夢見心地の人々の耳と目に、守護聖たちの声が響いてゆく。
「私は、ジュリアス。誇りを司っている光の守護聖を担っている。」
凛として響き渡るジュリアスの声。
それとは対照的に。
「私は、クラヴィス。人々に安らぎをもたらす闇の守護聖の任を担っている。」
低く、そして心地よく響くクラヴィスの声。
一見、見ただけでは、恐怖を感じるものもいたりするが。
その本質は、闇とは……安らぎ。
はっきりと、わかる光と闇の対比。
守護聖の要となる、すべての命に欠かせない二つの力。
根本的な光と闇。それを司る守護聖。
「俺は、オスカー。人々に勇気を与える炎の守護聖を担っている。お嬢さんたち、よろしくな。」
軽い口調でいっているオスカー。
『キャ~!!!』
その容姿に惹かれて。
女性たちの歓喜の声が一瞬あがっていたりもするが。
聖地の中では、一番フェミニスト。
としてでも有名であるのだが……
「俺はランディ、勇気を運ぶ、風の守護聖に選ばれている。よろしく!」
元気にいっているランディ。
「私はリュミエールと申します。人々に優しさをもたらす、水の守護聖をしております。」
やわらかに優しくいっているリュミエール。
「僕はマルセル!豊かさをもたらす緑の守護聖を任されています!どうぞよろしく!」
ぺこり。
そのくるくるとした瞳を輝かせて。
会場に向かって頭を下げていたりするマルセルに。
「俺はゼフェル。陛下が自己紹介しろっていうから……
  俺は一応、器用さをもたらす鋼の守護聖だ。」
ぶっきらぼうにいっているゼフェル。
「はぁい。私はオリヴィエ。人々に美しさをもたらす夢の守護聖だよぉん。
  みんな、外見だけでなく心も綺麗になろうねvv」
ひらひらと会場に向かって手をさせているオリヴィエ。
一目見ただけでは、女性と間違える存在もいるであろう。
ちなみに彼は、かなりのお洒落好き。
「あ~……。私は…そのぉ。ルヴァといいます…はぃぃ……
  知識を司る地の守護聖をしておりますぅ。」
のんびりといっているルヴァに。
「じゃあ、ついでに俺も。俺は、カティス。マルセルの前に、緑の守護聖をやっていた。
  元緑の守護聖だ。今は旅の商人をやっている。」
守護聖たちの後に一応自己紹介をしているカティス。

守護聖は、そのサクリアの高まりのもと、その後継者が決まる。
だから、別に血筋とかで決まるわけではない。
女王も然り。
宇宙の均衡を保つ、九つの力。
それを導き、宇宙を保ち、導いてゆくのが、女王の務め。
この銀河は、この世界は女王の力によって、均衡が保たれている。

シィィン……

正式に全員が自己紹介を終わると。
さすがに、一気に会場は静まり返っている。
何しろ、伝説ともいえる、守護聖。
雲の上の存在である彼らが目の前にいるのだからして。
嘘かもしれない。
というのは、誰一人として思っていない。
それは、各自のもつ雰囲気からも。その気高さが伝わるからして。
そしてまた……
一人、ステージ中央に立っているリモージュにもまた。

「全員、自己紹介が済んだわね。では、私の自己紹介を。
  私は、アンジェリーク=リモージュ=エターニア。
  エメラルダ=ラナ=フェスタ=エターニア。アメジステン=レッド=ウルタス=エターニア。
  彼ら二人の娘にして、我が一族の長。そして、現女王を勤めさせてもらってるわ♡」
にっこり。
リモージュがいうと同時に。
会場に満ち溢れていた金色の輝きが。
リモージュに集まり、そして収縮し、掻き消えてゆく。
シィィィン……
一瞬の静寂の後……
『じ・・・女王陛下ぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!????』
まさかとは思っていたが。
さすがに。
きっぱりと自己紹介をされると。
会場は。
しばらくの静寂の後、どよめく声で埋め尽くされてゆく。
あまりのことに、呆然としているものが殆どであるが。
「しかし……。ミメイ。結婚式に守護聖様たち、全員が来てくださった花嫁なんて。
  すごく名誉あることだぞ?」
その中でかなり冷静なのは、リモージュの両親と、その一族の上層部の存在のみ。

こつこつこつ。
並んでいる守護聖たちの間から。
ステージから降りて、席にと戻っていた、ミメットたちにと歩み寄ってゆくリモージュ。
「セルディ、ミルキーをお願いね♡」
「は……はい!」
「ミルキーも、元気でね。」
「はい。姉様も。」
にっこりと、姉に微笑みかけるミメットの姿が見受けられてゆく。


                                -続くー

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あとがきもどき:
よっし!この調子だと、十話以内で終わるな!(編集前の話数)
というわけで。次回。
聖地に戻ってきた(?)カティスたちの話しと。
そーして。
スペシャル2にと入ってゆくさわりにて・・・。
終わりです・・。んではでは♪

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