リモージュの秘密の大作戦♪ ~第二十二話~
パッタァァン!!
静まりかえっている会場に扉の開く音がする。
シィィィン……
さらに静寂が会場中を支配する。
扉から入ってきたのは。
水色の髪に水色の瞳、そして、赤い髪の男性に長髪の長い黒髪の男性。
そして、凄烈までの金色の髪の男性。
まずこの四人が揃い、
そして目立たない格好をしていたとしても、絶対に周りからは浮いている存在なることは明白。
そして。
唯一、その中で一人の女性はといえば、紫がかった青い色の髪をしており結構美人。
ふと。
リモージュがそちらを向いて。
「あら、皆♡それにロザリアも♡」
にっこりと微笑みかける。
「げぇ!?」
ゼフィルが心底嫌そうな顔をしそちらをみて舌うちしているが。
「よぅ!ジュリアス!クラヴィス!オスカー!リュミエール!久しぶりだな!」
カティスが手を掲げて彼らに挨拶していたりもするが。
「あんじぇぇぇぇぇぇ!!!!あんたって子はぁぁぁぁ!!」
つかつかつか。
ロザリアがリモージュの方にとつかつかと勇み足で近づいてゆく。
「あら?何怒ってるの?ロザリア?」
「あのねぇ!!」
にこにこというリモージュの言葉に。
「とにかく。すぐに聖地にとお戻りください。」
淡々といっているジュリアス。
こめかみがぴくついていたりするが。
「あら♪折角、全員がそろったんだし。いい機会だから皆に自己紹介でもしましょうよ♪」
にこにこというリモージュ。
「はい♪ほらほら、結婚式が台無しじゃない♪まだまだ披露宴の途中なんだから♪
ミルキー、貴女も早く席に戻りなさいねvv」
にっこりと笑いながらぱんと手をたたくリモージュ。
その手の音で、はっと我に戻る人々。
全員が、リモージュたちに釘付けになっている最中。
「そういえば、守護聖全員が揃うのって。聖地以外では滅多とないよね。」
「……ま、今回は特別じゃね~のか?」
「でも、クラヴィス様までこられるとは思わなかったよ。俺。」
ぽそぽそと。
そんなことを話し合っている、マルセル、ゼフェル、ランディの三人の姿。
ざわざわざわ。
今だに、会場中は、ざわめきたっていたりする。
「あのねぇ。アンジェ!?もし何かあったらどうするの!?」
その横では。
立ち上がっているリモージュに、懇々と説教しているロザリア。
「始めまして。いつも娘がお世話になっております。
この性格は、直らないようで……苦労をおかけしますわね。」
にこにこにこ。
守護聖たちに話しかけているリモージュの母、エメラルダ。
「あ……いえ。こちらこそ。」
挨拶をしている、水色の髪の男性。
水の守護聖リュミエール。
周りの女性たちの視線を感じて。
すちゃりと姿勢をただし。
「レディたち、お騒がせしてすまないな。」
ぱちん。
オスカーが、ウィンク一つ流して。
きゃ~きゃ~と騒ぎ始めていたりする女性たちの姿も目立つ。
「よう、クラヴィス。ジュリアスと仲良くしてるか?」
ぽんと、クラヴィスの肩にと手をおいて何やら言っているカティス。
「……カティスか。久しぶりだな。といいたいが、どうして、陛下をお止めしてくれなかった?」
ぎろり。
カティスを睨んでいるジュリアス。
「ちっちっちっ。ジュリアス、それはさすがの俺でも無理だな。
何しろ、俺は長がこの結婚式に来る。というのも知らなかったんだからな。
ついでに、一族誰もがそうだと思うぞ?」
クラヴィスと話しながら、ジュリアスに答えているカティス。
「……ね~様?この人達って……もしかして?」
リモージュの妹、ミメットの言葉に。
「そうよ。ついでに自己紹介しておくわね♡この、金色の髪の男性が光の守護聖、ジュリアス。
そして、赤い髪の男性が、炎の守護聖オスカー。
そして、黒髪の男性が闇の守護聖クラヴィスに。
水色の髪の男性が、水の守護聖リュミエール。ふふ♪守護聖、全員がせいぞろいね♡」
にこにこというリモージュ。
『陛下ぁぁぁぁぁ!!』
「あんじぇぇぇぇ~!!」
思わず、陛下と呼んでいる守護聖たちとは違い。
一人名前で呼んでいるロザリア。
ピッキィィィィン…………
そんな会話を耳にいれ、またまた会場中は凍りつく。
まあ無理もないが……
聖地にいるといわれている、神様のような存在。
宇宙を統治している女王陛下。
それに仕えている守護聖達は、一般の人々にとっては雲の上の存在。
神様に近い存在である。
いや、神様。
というその言葉自体が、女王を指しているのに他ならないのだからして。
「あのね!!軽々しく、身分を明かさないの!」
たしなめているロザリア。
「あら。大丈夫だって♪」
「しかし、中には、女王制度が間違っている。という、理を理解してない過激派も存在します!
もし、その御身に何かありましたら!この銀河は消滅します!」
くすくす笑っているリモージュに、ジュリアスがすかさずに意見していたりする。
「だから、大丈夫だって♪今、私、気配はかなり隠しているし。
この会場中でも、あまり私の気配。そんなに神々しくないでしょ?」
にっこりというリモージュ。
「……でも、かなり際立った気配だよね?」
「そりゃ、マルセル、俺達にも言えるぞ?」
そんなリモージュの言葉に。
ひそひそと話しこんでいたりするマルセルとゼフェル。
彼らがそんな会話をしている最中。
「……あ……あの?今の会話……本当なのですか??」
恐る恐るといった感じで。
進行係が震えた手でマイクをもちつつ聞いてくる。
その言葉にふと全員が顔を見合わせ。
そして。
「何か、披露宴を寸止めしちゃったわね。ごめんなさいね。ミルキー。」
ふと。
リモージュが、横にいる妹に話しかける。
そんな姉の言葉に、ぶんぶんと首を横にふるミメット。
「ともかく、一刻も早くお戻り願いますわ。」
そんなリモージュをせかしているロザリア。
「はいはい。見つかっちゃったし。戻るわよ。
でもその前に♪お祝いの言葉くらいはいわせてね♡」
にっこりと、笑顔を向けられては。
守護聖たちも断れるわけがない。
「……あ、じゃあ、お義姉様の分は。先に祝辞……ということで。」
ふと。
呆然としていた新郎たるセルディが。
その言葉にて、結婚式の進行係に目を向ける。
結婚式の進行上、各自から祝辞を祝う言葉があるようになっているからして。
「あら♪セルディ、話しが分かるわね。本当は最後までいたかったんだけどねぇ。
まったく。皆、心配性なんだから♡」
にこにこというリモージュに。
『当然です!!!』
見事に、ジュリアス、オスカー、リュミエール、オリヴィエ、カティスの声が重なる。
「心配するのが通りなんですよぉ。陛下……その……」
あせあせといっているルヴァに。
「即位しても、ほんっとうにかわらないな。ま、退屈しなくていいけどな。」
「ゼフィル、その言い方はないだろう?確かに退屈しないけどさ。」
「あ~もう。いいじゃない。
陛下が、気軽にお忍びで出かけられるっていうことは、平和だってことなんだから。ね?」
おいおい。
そんなゼフェル、ランディ、マルセルの会話に。
心の中で突っ込んでいる、少し余裕が出てきた人々。
いまだに、ざわめきが収まりやらない会場の中を。
こつこつこつ。
足音を軽やかにと響かせて、前にと出てゆくリモージュ。
その後から、あわててロザリアも追いかける。
「いいかしら?」
こっ。
ステージの前に出て、にっこりと笑うリモージュ。
「は……はい。」
目の前でみるとやはり見とれてしまう。
目の前に来たリモージュに見とれている男性。
「ありがとう。」
にっこりと笑って、ステージの上に立つ。
「皆様、お騒がせしてごめんなさい。
本当は、最後まで妹たちの結婚式をお祝いしたかったんですけど。
どうやら、お迎えが来たようですので。
名残惜しいですが、この挨拶が終わったら退場させていただきます♡
この場をお借りいたしまして。私から、お祝いと祝福を。」
いって一度言葉をきり。
「すべての生きとしいけるものに、その聖なる祝福を♡」
にっこり。
リモージュが微笑んで、すっと手を前に出した刹那。
パァァァァ……
会場の中が…否。
結婚式場の建物そのものが…淡い金色の光に包まれてゆく。
-続くー
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