リモージュの秘密の大作戦♪  ~第十三話

「……陛下?どうして、急に休暇なんて?」
ロザリアの言葉に。
「あ、そうだ♡ロザリアにもあげるものがあるのよ♡」
リモージュの私室、女王の私室にて話していたロザリアに。
ごそごそと箱を取り出すリモージュ。
「はい♡ロザリア。いつもご苦労様♡これからもよろしくね♡」
にっこりと。
四角い箱を差し出すリモージュ。
「アンジェ?」
不思議におもいつつ。
箱を開くと。
こには、蒼いロザリア好みのドレスが。
落ち着いた感じのデザインで。
それでいて、ちょっと大人の雰囲気。
ちょっぴり、ウェットが入っているのも、ロザリアの魅力を引き立てるものになるであろう。
「これ……アンジェ!?」
ロザリアが目を見開くと。
「だって、これからが、大変だし♡もう少しで、あの宇宙の意思、育つから。
  そうしたら、その意思が選んだ魂も外界に転生するわ。すでに、一緒にその魂は育ってるし。
  そうして、彼女達が誕生してから十七年後。目に見える形で球体となるんだから。あの空間は♡」
にっこり。
そういうリモージュの言葉に。
「……育ってるって……」
「もう、すでにあの子達が選んで、その魂を決めてるのよ♡
  あとは、その意思とともに銀河を育てていくだけのこと♡」
今、王立研究員で調べてもらっているのは、この数値である。
「……宇宙の意思がすでにもう選んでいるのですか?自らを導く女王を?」
ロザリアの疑問に。
ロザリアは、リモージュから聞いて、これから何が起こっているのかを知っている。
「そうよ♡ま、そのときになったら分かるわよ♡
  あの子……。ふふ。自分達で報告に降りるっていってるしね♡」
くすくすと笑うリモージュに。
「降りる……とは?」
「つまり、こちらが捜さなくても。自分で報告にいくっていってるのよ♡
  当然それは、その候補にしか見えない形でね♡」
「アンジェ、貴方、よくそんなことまで知ってるわよねぇ。やっぱり、女王の力?」
「それもあるけど、やっぱり……一族の力もあるし。その他は……内緒♡」
まさか、私がここの宇宙そのものを管理を任されている、から。だから。とはいえないし…ねvv
と心で思っているリモージュ。
「アンジェったら……じゃあ、ともかく。
  とすると。あと、一ヶ月もしないうちに。球体が目に見える形で誕生する。ということですか?」
ロザリアの疑問に。
「そう♡だから、その前に、守護聖の皆にはちょっと休憩してもらおうかと思って♡」
にこにこというリモージュ。
その後も…
エリオス……
このままでいけば、悲しみに捕らわれ。
そのままつっきってしまうであろう。
かつての、自分にとって、たった一人の本当の弟。
彼をおもい、心を痛めるリモージュ。
「確かに。宇宙の創造。つまりは、銀河の創造。それは、初めてのことでしょうからね。」
その言葉に納得するロザリア。
宇宙の創造と貢献。
スモルニィ学院の教えでもあったその出来事を、自分で体験できる。
それがとても誇らしい。
「でしょ♪それに、ロザリアもいろいろと大変だろうから♪」
「でも、アンジェ?本当にいいの?こんなのもらっても?」
「いつもお世話になってるんだから♡」
「ありがとう。アンジェリーク……」
いいながら。
そっと、リモージュがプレゼントしてくれた服を、大切に箱にしまいなおしてゆく。


「結局、マルセル、ゼフィル、ランディ、ルヴァ、そして、オリヴィエが、カイサスにいくのね。」
以前土産を買い損ねた。
といって、ルヴァに同行して、夢の守護聖オリヴィエまでもが。
主星からあまり離れていない、惑星カイラスにいくことを決めたのは数日後のこと。
「それで、ジュリアスたちは……」
「我らは、何かあったときのために、聖地を放れるわけにはいきませんので。」
「そう?」
……う~ん。
じゃあ、どうにか彼らに気づかれないように、撒いて考えないと……ね。
「ジュリアス♡あまり熱心だと、早くにふけるわよ♡」
「陛下……」
「ふふ♪」
くすくすくす。
憮然と言い放つジュリアスに。
くすくすとしのび笑いをしているリュミエールとオスカー。
二人の脳裏には、老いたジュリアスの姿が。
唐突にぽんっ。と浮かんでいたりするのだが。

そんなこんなで。
聖地では約一日と少し。
外界では、約一ヶ月。
守護聖たちにつかの間の休息が許されてゆくのであった。



「さぁぁてと♪これで、こっちの準備はオッケー♪……・ミメイ、驚かしちゃえ♡」
くすりと笑いつつ。
自分用に買っておいた、普段着やアクセサリー。
そして、靴を準備しながら。
「ええと。……と。時間の調整をやって…っと♪
  ここでの時間帯と、あっちでの、披露宴の時間を都合をつけるうよにして…と。
  時間率を変化させてっ…と♪」
ルンルンルン♪
リモージュの、脱走計画はすでに、始まっていたりする。


「陛下は何かをたくらんでますわ。」
「分からないが。警備は倍にしておいたほうがよかろう。」
性格を把握しきっているロザリアだからこそ。
その勘で。【リモージュが脱走するのでは?】という勘を働かせていたりする。
いきなり、守護聖に休暇を言い出したのは。
そのためもあるような気がロザリアにはしたのである。
そんなロザリアの言葉に、ジュリアスはうなづいてゆく。

「……ま、本気になったら、あの子……。空間移動ですぐにでもどこにでもいけるからねぇ……」
ロザリアのつぶやきは、ただただ風に溶け消えてゆく……

                                          -続くー


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