リモージュの秘密の大作戦♪  ~第十二話

「ま、それもいかもな。じぁや、カイサスにいってみるか?」
「うんっ!」
顔を笑みでいっぱいにするマルセル。
惑星、カイサス。
それは、ちょっとしたことで、彼らが関ったことのある惑星。
「きっと、あれから、外界では、だいぶ時間が流れてるからなぁ。」
「そうだね。」
あの当時は、闇に侵食されて枯れ果ててしまった自然も、あれからかなりの年月が経過している。
自分達にとっては、それほど時間は経過してないというのに。
「じゃ、決まりだな。」
ゼフィルの言葉に。
三人が三人ともうなづいていた。
「でも、僕たちだけで、許可……下りるかなぁ?」
「なら、ルヴァでも誘うさ。」
「ルヴァ様を?」
ゼフィルの言葉に、マルセルがきょとんとする。
「というか、ルヴァ様は、きっとついてくるとおもうけど?」
ランディの言葉に。
「じゃぁ、今度こそ、ルヴァ様、お魚さん、釣れるかもしれないね。」
「……マルセル、それ、ルヴァ様の前ではいうなよ?」
きょとん。
まったく悪気なくいうマルセルに、
ランディが小声で注意を施している光景がしばし見受けられていたりする。



「陛下は何を考えておられるのか……」
ぶつぶつとつぶやいているジュリアス。
「ふっ。貴様は陛下が信じられないのか?」
ふっと笑いつつ、いうクラヴィス。
わざわざクラヴィスの私邸にまで押しかけて、そんなことをいっていたりするジュリアス。
仲がいいのか、悪いのか。
そんな二人をため息まじりにみているオスカーとリュミエール。
光の守護聖ジュリアスと、闇の守護聖クラヴィスは。
守護聖の中でも、礎となる要の存在。
この二人の仲の悪さは、すべての人々が知っているところであるが。
こうして、文句をいいに、わざわざよくジュリアスが、クラヴィスの私邸まで押しかけていたりするので。
のたびに、翻弄されるのは、
ジュリアスの側にいつも控えている炎の守護聖オスカーと、クラヴィスの側によくいる水の守護聖リュミエール。
嫌いならば、ほっておけばいいのに。
そうは思うが。
ずっとこんなのだから、仕方がない。
まあ、クラヴィスが心を隠したのは、前女王、アンジェリークに対して、恋愛感情をもち。
それを見もふたもなく、ジュリアスがとがめたことに始まるのだが。
あとは、出会いの悪さ。
前闇の守護聖が驚かせようとして、クラヴィスを執務室に一人だけおいていて。
それで、喧嘩になった。
という何ともほほえましいエピソードがあったりするのは。
彼らは知るよしもないが。
その後、正式に紹介されたものの。
すぐには、幼いジュリアスには、受け入れることができなかった。
そのころのしこりがまだ続いているといえば続いている。
だが、だんだんと慣れていったのだが・・・。
光と闇は相反するものであり、そして、きってもきれない関係。
光があれば闇もまたある。
二つで一つの存在なのであるからして。
「信じてはいる。我らが陛下だからな。
  だが、こうも、秘密主義だというのは我らが信用されていないのでは?と不安にもなる。」
ジュリアスの言葉に。
「ふっ。光の守護聖ともおもえぬ発言だな。」
苦笑するクラヴィス。
「大体!陛下が、今の姿になっておられるのも!というか本来の姿も!
  我らは、陛下が即位してから初めて知ったのだぞ!あの歳相応の姿も!
  なぜ、もっと早く報告しなかった!」
だんっ!
机を叩いていたりするジュリアス。
「聞かれなかったしな。」
「それですむ問題か!女王候補のことを守護聖がしらなかった。それですむ問題でもないのだぞ!」
「……私は知ってましたが……」
「俺は偶然に……」
リュミエールは、夜の庭園で、ハーブの演奏をしている中で。
精神集中を行っている、十七歳の姿をしているリモージュをみていたのだ。

普段、リモージュは、その当時、女王候補として、行動していたときの姿は。
いや、スモルニィ女学院に通っていたときから。
十歳より少し下の姿をしていたものだから。
さすがに、その姿をみたときには驚いたものだが。
何しろ、その姿は、淡い金の光に包まれて。
淡い金色の光を纏い、確かにその背には、淡い金色の羽が一瞬見えたのだからして。

クラヴィスに関しては。
その持っている水晶が、リモージュの姿を映し出したに他ならない。
オスカーは……夜遊びの帰りに、偶然その姿を見かけていたのである。
しばらく、俺の女神様。
とかいって、飛空都市中を駆け巡った時期もあったりするが。
当然見つかるはずもなく。

「ふ。ジュリアス、きさまはルヴァの話をちゃんと聞いてなかったようだな。
  陛下の一族は姿を変化させられる。というのは常識のようだが?」
「・・・・・・・」
その言葉に言い返せないジュリアス。
地の守護聖ルヴァはアンジェリークが、
文献にもほとんど載っていない、絶滅されたとされていたクリスタル一族だと知り、
しばらくリモージュにつきっきりで。
いろいろと聞いて、うきうきとしながら文献をまとめていたものである。
何しろ、伝説では、クリスタル一族は。
この銀河といわず、宇宙そのものができたその直後から存在するのでは?
といわれている幻の種族である。
それでその知識の守護聖と呼ばれているルヴァが、興味をもたないはずもなく。
リモージュも、あまり深くは教えてないが。
ある程度は一族の歴史を教えていたりする。

「……今回は、ジュリアス様の負けですね。」
「そのようですね。」
互いに小声で話し合うオスカーとリュミエール。
「ともかく!私はもう少し、陛下に聞いて見ることにする、
  ……どうも、何か大変なことが起こるのではないか。そんな心配をして何がわるい!」
そんなジュリアスの言葉に。
「……大変…か。……確かに…な。」
水晶をかざし、苦笑するクラヴィスの姿。
「いくぞ!!オスカー!」
「あ、まってください!ジュリアス様!」
憮然としてでてゆくジュリアスを追ってゆくオスカー。
「やれやれ……。リュミエール。気分転換に一曲……奏でてくれるか?」
「はい。喜んで。」
ポロロン……
リュミエールのハーブの琴音が、ここちよく響いてゆく。


                           -続くー


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あとがきもどき:
惑星カイサス。
アスカノベルズ。アンジェリーク二巻。幻国の楽園を参考まで♪楽しいですよぉ♡
ふふふふふふ♪
定価:700円(税別)
番号:ISBN4-04-701328-5
上記となってます♪もってない人は、さあ、予約にレッツゴー!(かなりまて!)  
さて、よーやく、リモージュの作戦開始♪
ミメット。
・・・アンジェリーク=リモージュのその妹。一部にでてきましたがね。少しだけ(笑)
ミメット=パール=リモージュ。
ふふふふふふふ♪
では♪


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