リモージュの秘密の大作戦♪  ~第四話~

次の朝。
「陛下。お早うございます。」
ロザリアが、朝の挨拶にやってくる。
「お早う。ロザリア♪あ、あのね。昨夜、送っておいたから♪例の注文♪」
起き上がり、着替えをしつつ、ロザリアに報告しているアンジェ。
「まぁ♡じゃ、いつ届くのですか?」
「ちょっとまってね♪」
ぷち♪
アンジェは、ノートパソコンの個人掲示板を開く。
「ええっと…♪品物が一点そろわないらしいから。でも、三日でそろうようね。
  …で、もって来るのが…と。あら♪六日後。つまり、この聖地では、三日後ね♪」
書き込みされていた情報をみていうアンジェ。
早い、神速、正確、安心がモットーな会社なのである。
「三日後だったら…。じゃあ、わたくしが、聖地の門まで、出迎えにいきますわ。」
「そう?じゃ、お願いするわ♡ロザリア♡私がいってもいいけど。」
「…アンジェ…。女王陛下が軽々しく外出されるものではありません!!
  それでなくても、貴女は、よく子供の姿になって、この聖地をうろついているし…」
リモージュに説教を始めるロザリア。
「大丈夫だって♪女王だって、誰にもばれてないから♪」
「そういう問題じゃあ、ありません!!!!」
「まったく、ロザリアってば。もうすこし、ゆとりを持ちましょ♪ね♪」
にこにこというリモージュの言葉に。
「アンジェ~。まったく、貴女は。
  女王になっても、ほんと、女王候補のとき、性格が変わらないわねぇ~。」
いいつつも、ロザリアの目は笑っていたりする。
「ま、いいじゃない♪じゃ、出迎えの人を聖地の入り口の門で待たせておきます…と。送信♪」
メール掲示板に書き込み連絡しているアンジェ。
「ふふ♪楽しみね♪ロザリア♪」
「そうですわね。皆の喜ぶ顔が早く見たいですわ♡」
『ふふふ♪』
ふたりの女性は顔を見合わせて、にっこりと微笑み。
そして。
「さ。今日もお仕事♡頑張りましょうね♡ロザリア♪」
「はい。女王陛下♡」
着替え終わった、リモージュとロザリアは、女王執務室へと移動してゆく。

本日は、謁見の間には、いかないようである。
普通の女王ならば、とある台座にて、宇宙の均衡を保つのだが。
アンジェにはその必要がない。
というか、アンジェがこの宇宙そのものなだから。
言い換えれば、この全ての宇宙の初代女王でもあるアンジェ。
これは、アンジェリークが所属している一族しかしらない事実。
誰にも秘密の内緒ごと。
他の守護聖などは、あまり不思議がってはいないようだが。
…なにせ、宇宙移動の翌日には、完全に宇宙の星星を安定させていたのだ。
このリモージュは。
かなり力のある女王だというのは、誰の目にも一目瞭然である。
「さぁて♪今日もがんばろ~!!!!」
リモージュの元気な声が、廊下に響き渡る。
「陛下。はしたないですわ。」
「あ、ごっめぇん♡」
ペロリと舌をだすリモージュ。

今日も、聖地は、平和に過ぎてゆく……


                                  -第5話へ―

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おまけ♪


「おや。この会員は、約十年ぶりの注文だな。」
注文をチェックしていた、若い従業員。
「ええと……。……これは、変わった品が多いですねぇ……。
  で……と。配達に……おや、住所変更が?」
個人情報が、住所の変更が記載されている。
「何処に…………て……て……てぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
がたたたたたたんんんんんん!!!!!!!!!
思いっきり、椅子から転げ落ちていたりする。

「社長!!!あああああああああ!!!!!」
通信販売部から、いきなり部長が社長室へとかけこんでくる。
「何事だ!!騒々しいぞ!!」
一喝するウォン財閥総裁。
「そそそそそそれが!!我が部の会員番号129725のち…注文が!!?」
言葉になっていない。
「……どうしたというのだ?」
ぱくぱくぱく。
口をぱくぱくさせて、その送り先の住所をみたとき。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
しばし沈黙。
「……あ…あのぉ……?悪戯では…ないですよねぇ??」
それも一つの可能性である。
部長は、思考回路が混乱しているのだ。
「ほぅ。主星の……え゛!?せ・……聖地!?送り先が!?」
その配達指定の場所は。
彼らにとって、雲の上の存在というか、神聖なる場所。
銀河を治める女王がいる、異なった時間率で時が流れている―。
子供のころから、誰でも、聞かされる、神聖な場所へであった。
「ふむ……。まあ、注文があったのは事実なのだし……。
  口座には、すでに代金も振り込まれているのだろう?」
「はぁ……。まあ……。」
ハンカチで汗をぬぐう通信販売部長。
「分かった。場所が場所だからな……
  これは、私が責任もって、届けることにしよう。アルタイル!!後は、頼んだぞ。」
「はい。父上。」
かわらの若い男性が総帥の言葉に、うなづく。
ウォン財閥社長、アルタイル=ウォン。
総帥の一人息子である。
「そうだ。こういう機会は滅多にないから、チャールズでも一緒に連れて行くか♪」
「息子を……ですか?」
「いいだろ?」
「はぁ……。それはかまいませんが……。」
「パパ、パパ。」
てとてとと歩いている小さな少年。
歳のころは、まだ一歳に満ちていない。
「では、そのように、お客様に伝えておくように。
  ……いや、私がこの件については、担当しよう。ご苦労だったな。これからも頑張るように。」
総裁の言葉に。
「はっ!!!!」
敬礼して、下がってゆく部長。
「ほぉら、チャーリー、聖地に、初めていこうな♡」
「きゃっきゃっきゃ!!」
高々く抱き上げられ喜ぶ子供。
アルタイル=ウォンの息子、チャールズ=ウォンである。

「ふむ……。聖地の入り口の門にて、案内人が出迎えにくる……か。」
実のところ、どうやって聖地に入るのかが、少し不安だったのだ。
聖地の門は、選ばれたものしか、入れないように、結界が張られているときく。
出迎えがあるのであれば、まず、その点は安心である。
「しかし……。変わったものの注文が多いなぁ……。
  湯のみに、宇宙工学論理に、動物のヌイグルミに……」
注文うけた品々に目をとおしつつ。
ウォン財閥総裁は、すこし、くすりと笑う。

「では、いってくるな。さ。いこう。チャールズ。」
専用ジェット機に乗り込んで聖地の近くまで移動する。
そこからは、徒歩で進んでゆくこととなるのだが。
注文うけてから、すでに六日が経過しているこの日であった。



これから、信じられない事実と、とても畏れ多い人物にあうという事実。
そのことについては……
今はまだ、彼と、その孫も知らないことであった。


                           -おまけ終わり♪ー

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あとがき:
薫:・・・・はい。そーです。
  この孫のチャールズ。ええ、例の謎の商人です(笑)
  子供のころに、聖地にきたことがあるという設定にしてみました(笑)
  次回で、彼らが聖地へと入ります♪
  それでは、また♡

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