リモージュの秘密の大作戦♪ ~第二話~
「うふふふ♪楽しみよね♪ロザリア♪」
金の髪に少しウェーブのかかった少女が傍らの少女にいう。
「陛下、そうですわね♪」
書類の整理をしつつ、二人はにっこりと微笑んみ。
「ふふ♪あの空間に卵が誕生するのがとっても楽しみ♪」
にこにこという少女―アンジェリーク=リモージュ。
この宇宙の闇、そのものであり、そして、今は、この宇宙の女王。
「でも、そうなると、エルンストも大変ですわね。― パスハが故郷に長を継ぐために戻りますから。」
ロザリアが少し心配そうにいう。
パスハ。
リモージュたちが女王試験をやっている間は、飛空都市の王立研究員の責任者。
王立研究員、所長。
水竜族の族長だったのだが、敵対する火竜族のサラとの恋を貫くために、その座を譲った彼。
銀河の中にあるとある惑星の出身なのだが。
形式上は、そこは女王の管理下ではない場所。
といっても、その銀河の中全てを保つのが女王の役目だから、関係ないといえば関係ないが。
彼の故郷で、適任者がいなくなったために、彼は、故郷へ戻ることになっていた。
その後任に選ばれたのが、エルンスト。
王立研究員に所属はしてたが、別の惑星で、働いていた一員である。
彼もまた、後継者として、宇宙が移動した際のごたごたの管理を一生懸命処理している一人でもある。
「ふふ♪大丈夫よ♪エルンストだから♡」
にっこりと笑うリモージュ。
そして、いたずらっぼく。
「彼には、これからずいぶんと頑張ってもらわなくちゃいけないから・・ね♡」
唇に人差し指をあてつつ、ロザリアに何やらそんなことを言っている彼女であるが。
「そうですわね。」
そんなリモージュの言葉にロザリアもそれを肯定する返事を返し。
「あ、あとね、あとね♡ロザリア♡宇宙も安定したから。
今まで大変だった守護聖たちや皆に何かプレゼントしたいんだけど。どう思う?ロザリア?」
リモージュの意見に。
「それはいい考えですわ。陛下。きっと皆喜びますわ。では、さっそく手はずを……」
ロザリアが言いかけると。
「違うの。当然、皆には秘密でことを勧めるのよ♪」
「あら、楽しそうですわね。」
ロザリアがいたずらっぽく笑う。
「でも、どこから仕入れるのですの?内緒でなんて?」
「あ、それは、私に心当たりがあるの。学生時代から利用しているネット通販なんだけど……
いいのがそろっているのよ♡主催はウォン財閥のなんだけどね♡」
「ウォン財閥……ですか?あのこの宇宙一の大企業の?」
「そう♪私、そこの会員になってるから♪それで申し込めるし♪」
リモージュの台詞に。
「……でも陛下、すでにわたくし達が聖地にきて、外界では十年あまりが経過してますけど?
はっ!!まさか、即位してからもやってたんじゃあないでしょうねぇ!アンジェリィク~!!」
おもわずどなるロザリア。
「や…やあねぇ。ロザリア。そんな暇あったと思う??それにここ、聖地よ?
許可がないには入ってこれないようにバリアがしてあるのを忘れたの?」
にっこりと笑うリモージュ。
そのバリアも女王が張っているものなのだが。
「それもそうですわね。安心しましたわ。何しろあんたはどこか抜けてるし……」
ロザリアがいう。
「ちゃんとロザリアがカバーしてくれるから、私は安心だけどね♡」
「……アンジェリークったら……」
くすりとお互いに顔を見合わせてまたしても笑いあう二人。
「でも、陛下??そんなに長く利用してなくても大丈夫なんですの?」
ロザリアの疑問ももっとも。
「くすっ。忘れたの??ロザリア♡私がどの一族の一員なのか♡
それに、家族単位で契約してるし♡問題ないわよ♡」
「……なるほど。」
ロザリアはその言葉にうなづく。
リモージュはすでに滅んだと思われていた一族の娘。
……実際は、その一族の長なのだが。
彼らの一族の平均寿命は……最低でも千年以上。
それゆえに、姿なども、時々に応じて変化させていたりする。
― 人々に怪しまれないように。
「じゃあ、後で、夜にでも相談しましょ♪」
かくして、その夜。
女王アンジェリーク=リモージュと。
女王補佐官ロザリア=デ=カタルヘナによって、
守護聖たちには内緒の作戦が……実行に移されようとしていた。
アンジェリーク=リモージュ。
スモルニィ学園に通っていた一般の少女。
学校に通っているときは、七歳程度の姿をとっていたのだが……
歳相応の姿だと、内に秘めているサクリアと、
そして、外見が外見なだけに、周りが五月蝿いという理由から。
かなり、美人なのである―歳相応の姿が。
それは内に秘めた存在の本質を表しているせいなのだが。
とにかく、そんな彼女は今は、女王に。
女王となってからは、姿を少し力は抑えているものの、
リモージュとしての、本来の姿にもどしている。
力を全開にするわけにはいかない理由があるから……
ロザリア=デ=カタルヘナ。
スモルニィ学園に同じく通っていた、とっても名高い貴族の令嬢。
生まれたときから、女王としての資質を認められ、そのように教育をうけている。
思い出してはいないが、ロザリアはアンジェリークが、まだ人間だったときからの、大の親友でもある。
……この宇宙が誕生するきっかけとなったあの出来事の前からの……
そんな彼女は、今、リモージュの補佐官。
女王補佐官としてリモージュを支えている。
二人が今正で、初めてあったのは、女王試験開始のとき。
ロザリアは、子供が通っているというのは知っていたが。
そのとき、初めて近くでリモージュをみた。
記憶こそ、思い出してはいないものの、ロザリアとリモージュは、今や再び親友となっている。
リモージュはロザリアには思い出してはほしくない。
なぜなら、ロザリアの正確をよく知り尽くしているユニバースゆえに……
ロザリアに記憶がなくても、互いに信頼し、硬い絆で結ばれている二人。
今、二人によって、守護聖びっくり作戦が実行されようとしていた。
-続くー
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