エル様漫遊記・ベゼルドの妖剣偏


「それはそうと、ルーク?ルークのもってるそれ。魔力剣でしょ?
  一個だけ術を閉じ込めて思ったときに発動できる。」
ベゼルドに向かう道すがら、わかっているけどルークにと問いかける。
この辺りの街道は、普段は旅の商人などでにぎわっているけども。
今はひっそりと閑散としている。
情けないことに道すがら【レッサー・デーモンなどといった野良デーモンが最近よく出現する】、
という噂が立ち、旅人がめっきり減っているこの現状。
あたしの言葉に。
「そうだが?それが何か?」
歩きつつも首をかしげてくるルークに対し。
「それ、あたし達に譲る気ない?当然タダで♡」
ベシャ!!
…あ、何かルークの奴、地面に思いっきり頭から突っ込んでるし。
面白いわ♡
「あ…あのなぁ!どこの世界にタダでやるやつがいる!魔力剣だぞ!」
何やら起き上がりつつ叫んでくるし。
「あら♡ここにいるじゃない♡」
にっこりと微笑むあたしの言葉に。
「……と、ともかく!やる気はねぇ!つうか何だってんなこというんだ!?」
何やらわめいてきているルークに。
「あら?前にいいませんでしたっけ?ルークさん?
  私たち、あっちの世界に戻ったゴルンノヴァさんこと、
  ここでは【光の剣】とか呼ばれていた彼の代わりにガウリイさんの使う剣を探してるって?
  とりあえずの目的は、斬妖剣ブラスト・ソードくらいが無難なんですけど。
  今はガウリイさんの使っている剣は別世界のものですので。
  まあ、ガウリイさんにはちゃんとしたものを持っててもらわないと……
  退屈しのぎをかねての遊びに付き合ってもらえませんしね♡
  ちょっぴし手合わせしたくらいで剣そのものが消滅しますし……」
にこやかに説明するユニットに。
「……いやあの…剣が消滅……って……」
何やらつぶやいているミリーナ。
「……?あ、あの?ゼロス?この人間…この御方たちと手合わせしてるんですか!?」
なぜか目を見開きつつもゼロスに聞いているシェーラ。
「そうですよ?――最も、当然のことながら。
  ガウリイさんは未だにお二方から一本も取れないですけどね♡当然ですけど♡
  あ、でもそのせいか――何か耐久力がガウリイさんにはついてる気も……」
そんなゼロスの言葉に。
「……深く考えないことにするわ。それはとうと…直接に鉱山に行かれるのかしら?」
そんな会話をあたしたちの後ろからついてきつつ話しているゼロスとシェーラ。
「あら♡とりあえずベゼルドでゆっくりと休んでから例のところにいくにきまってるじゃない♡」
にこやかにいうあたしの言葉に。
なぜか絶句しているルークはひとまず無視し、ゼロス達にと話しかけるそんなあたしの言葉に。
なぜか。
「……ベゼルドで何か……ありますね……」
「……命令……変更しといたほうがいいかしら?」
何やらしみじみとつぶやいているゼロスとシェーラ。
「却下♡」
そんなあたしの即答に。
「……シェーラさん…あきらめたほうがいいですよ……
何やらしみじみとつぶやいているゼロス。
とりあえず、アレの命令を今変えてもらっちゃ、面白くないしね♡
あたしのそんな一言に、なぜかしくしくと泣いているシェーラだし。
「ま、ともかくいこうぜ。まあ、シェーラ…だっけ?そのうちに慣れるさ。リナ達にも。うん。」
などといって、にこやかに言っているガウリイ。
「無理です!!畏れ多すぎて!」
そんなガウリイに即座に返事をしているシェーラの姿。
「あら♡二人とも♡どういう意味かしらねぇ♡」
にっこり。
「って!?リナ!?その手の上に出現させた光は!?」
――どごめっ!
パンパンv
軽く手を払い。
「さってと。何かふらふらしてるガウリイやシェーラはほっといていきしまょ♡」
なぜかそれをみて固まっているルークとミリーナだし。
「……いや…あの?今…あんた、あの岩…どこから出した?」
何やら聞いてくるルークに対し。
「え?虚空から♡」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
一体、このリナ(さん)って……
などと思いつつ、何やら無言で顔を見合わせそんなことを思っているこの二人。
ちょっとした岩を創り出してガウリイとシェーラの頭上に落しただけだ、というのにね♡

とりあえず、あたし達はそんなほのぼのとした会話をしつつも、ベゼルドにと向かってゆく。


ベゼルドの町。
一応この辺りではそこそこ大きく。
町を守る外壁もぐるり、と町を取り囲み存在している。
その外壁の上においては、
常に交代制にて外への警戒と見張りを滞りなく人間達が行っている。
よく、この近辺においては、デーモンの襲撃を恐れ、
店を閉じ、人々は言えに閉じこもっている…というようなことをするもの達もいるけど。
ここに限っては、逆に開き直って、普通に生活を人々はしていたりする。
いつ終わるかもしれない、この出来事にて、仕事とかをしなくなったりしたものならば。
明日の生活費もままならない。
そんなことになるよりは、普通に生活していたほうがい、という人々の思い。
それゆえに通りなどにも露天が立ち並び、町の中には子供たちが駆けずり回って遊んでいる。
「…何つ~か……緊張感がなくねぇか?」
そんなこ光景をみて、ぽつり、とつぶやいているルーク。
「まあ、こんなものじゃないですか?どこにいっても同じでしょうし。」
そんなルークに言っているミリーナ。
「まあ、この町には兵士や魔道士が多少かなりともかなりいますし。
  それに他のところなどは村を捨ててよそに逃げる人間もいますしね♡
  まあ、僕としてはもうちょっと住人が恐れて震えていて下さったほうが、
  いい食事にもなってうれしいですけど♡」
にこやかに、そんなことをいっているゼロス。
「なあ?リナ?それはそうと、つけてきている奴らどうするんだ?」
あたし達をつけてきている数名の男達。
といっても本人たちからすれば、気配を消しているつもりらしいけど。
あたしやユニットはともかく、ガウリイ達にまであっさりと気づかれていたりする、
というのに気づいてすらいない人達だけど。
「あら、ほっとくにきまってるじゃない♡
  とりあえず、今日はこの町で一泊して、明日鉱山に向かいましょ♡
  ついでに夜にでも町の噂集めをかねればいいし。」
そんなあたしの言葉に。
「そうですね。見たところ噂を聞いてやってきている人達とも他にもいるみたいですし……」
回りを見つつ、あからさまに町の護衛をしています。
といった人間達には見えなくない人々をちらりとみてそんなことを言っているミリーナ。
「あ…あのぉ~?私がこの町にはあまり被害出さないようにしているのは…
  ……ちょっと実験をしたかったんですけど…実験はしないほうがよろしいのでしょうか?」
何やら小さい声であたしに言ってきているシェーラ。
「別にどっちでもいいわよ♡ま、元通りにしとけば問題ないしね♡」
それに面白そうでもあるしね♡
呪法をかけたそれを操り、器、とする、というのって♡
だったら今度部下たちーのお仕置きの一つ加えてみてもいいしね♡
「実験?」
「…何かヤバイ事のような気がするのは…俺の気のせいか?」
何やら顔を見合わせて戸惑っているミリーナとルーク。
「あら♡そんなことないわよ?
  ちょっぴし手をかけた生き物に呪法をかけて、その上にちょっぴし干渉して。
  どこまで耐久性が持つかどうか、またどれくらいの力が発揮できるか、その実験みたいだし♡
  別にヤバクも何ともないわよ♡」
「そうそう、竜破斬ドラグスレイブ程度じゃ、
  一応干渉力を断ち切らない限り死なない物体を作り出すだけのようだし♡」
にこやかに交互に説明するあたしとユニットの言葉に。
なぜか。
「十分ヤバイじゃないか!!」
「十分に大事です!」
何やら叫んでくるルークとミリーナ。
そして、なぜかしくしく泣いているシェーラに。
「ま、シェーラさん、あきらめが肝心ですって♡」
にこやかにシェーラにいっているゼロス。
「まあ、そんなどうでもいいことはおいといて。宿にいきましょ♡」
「「いや、どうでもいいって……」」
「どうでもよくないと思うなぁ。オレは……」
何やら言っている、ルーク・ミリーナ・ガウリイはとりあえず無視し。
そのまま、とりあえず、あたし達は宿にと向かってゆく。


夕食が終わり、とりあえず、町の中で情報収集を金、外にと出てゆくあたし達。
無論、もう一つの目的として、
例の【ベルギスに仕えている人間達をおびき出す。】という目的も兼ねてるけど。
軽く昼間のうちに、全員仮眠を取っているのでさほど行動には問題はない。
まあ、あたしやユニット。
それにゼロスやシェーラなゆんかは別に寝なくても関係ないし。
「しっかし…夜になると兵士の数が多いいな。ついでにごろつきも。」
などと周りをみつつ、言っているルーク。
「まあ、日中の鬱憤でもたまってるせしき人間が酒の力を借りて何やらしてますしねぇ♡」
そんなルークに答えるかのように、にこやかに言っているゼロス。
あたし達七人はのんびりと、
だけど確実につけてきている輩を誘い込むかのように、始めは酒場。
そして裏通り…そして……今。
あたし達は鉱山のほうにと続く町ハズレの街道のほうにと向かって進んでゆく。
この辺りは、ちょっと街中から離れているがために、街灯の類は一つもなく。
あるのは月明かりの明りのみ。
ちなみにこの辺りは、普段ならば追いはぎやスリ…といった類の存在がでるのでも有名な場所。
ついでに野良デーモンも多少♡
ゆえに、点々と兵士達が駐留しているために、ここ最近はそういった被害はでてはいない。
……といっても、
日ごろの鬱憤がたまっている人々にとっては、少々騒いでも他に迷惑がかからない場所。
……といったものはあまりなく。
この場はちょっとした酔っ払いやごろつき達のたまり場になっていたりする。
兵士達も大事がない限りは少しの鬱憤晴らしは必要うだろう。
ということで、強くは取り締まってはいない。
とりあえずルークやガウリイ、そしてゼロスがいたらよってくるものもよってこないので、
彼ら三人には少し後ろからついてきてもらい。
あたしとユニット、そしてミリーナとシェーラ。
この四人で先にと進んでゆく。
何やらルークが後ろのほうでミリーナの名前を呼んで叫んでいるけど。
そんな彼を完全に無視しているミリーナもさすがといえばさすがだし♡

しばらく進み……
やがて、町の灯りが小さくなり、辺りにちょっとした暗闇が訪れ始める。
町外れにとある小さな林。
そこに足を踏み入れ…しばし……

「よう。おじょうちゃん達?こんな時間にこんなところをお散歩かい?」
などといいつつ、町人を装って仕掛けてくる黒尽くめの仲間たち。
「物騒だぞー?女の子だけの散歩は…なんならオレたちが待ちまでエスコートしてやろうか?」
などといってくる男性四人。
ちなみに、こちらも四人。
とりあえず、彼らにしてみれば、自分たちが受けている命令は、『シェーラを捕らえること。』
どうせ素直に言うことを聞くはずもないだろうから、
たっぷりとかわいがってやってからでも遅くはないな♡
…などと、そんな馬鹿なことをこの男達は思ってるし……
「オレたちも四人、そっちも四人。
  …まあ一人子供だが、たぁっぷりとオレ達がいろいろとエスコートしてやるよ♡」
などといってくる。
どうでもいいけど……こいつら、ガルファが様子みてるのに…気づいてないし……
「だぁ~れが誰をかわいがるっていうのかしら♡」
「そうそう♡かわいがられる…というか、遊ばれるのはあなたたちよ♡」
にっこり。
そんな彼らに微笑みかけると、ほぼ同時。
なぜか。
『キシャァァァァ~!!!』
男達の背後から出現するちょっとした黒い生物♡
「あ、それには普通の魔法は通じないから♡剣の場合はある程度力を入れたらOKよ♪」
「あ、でも剣が折れるかも♡
  硬度的には、それ、ルビーやサファイアと同じだから♡がんばってね♡」
  ついでに空間を捻じ曲げたりもできるから、それ♡」
あたしやユニットの説明が終わるよりも早く。
ギッシ……
十八本の足の関節を鳴らしつつ…
強いて言うならば、これの外見はちょっとしたとある世界のフナムシのようなもの♡
そして。
ガザザザザッ!!
「「「「うどぎゃぁぁ!!??」」」」
音を立てて、何やらそれをみて、面白いまでにうろたえている男達にと突進してゆくそれ。
ちなみに、大きさ的にはちょっとした荷馬車程度♡
「な゛!?」
何やら思わず身構えているミリーナに。
「……何で滅びの砂漠に生息しているアレが……というか、呼び出されてますし……」
それをみて、呆然と何やらつぶやいているシェーラ。
「あ♡ミリーナさん♡動いたら、あれ、問答無用で襲い掛かってきますよ♡
  あれ、動くものを攻撃する習性もってますから♡」
「な!?あれ、何なんですか!?」
何やら説明しているユニットにと聞いているミリーナ。
「ああ、あれ?ゲジフォルナよ?
  滅びの砂漠の水のあるところに本来は生息してるらしいけど。ちなみに雑食性。
  獲物を捕らえたら、自分の巣に持ち運んで、
  生きたまま、体を麻痺させてゆっくりと食べるっていう性質の持ち主。
  でもって、あ~いう風に騒いで動いている獲物を認識するの♡」
いって何やら騒いで、ゲジフォルナから逃げ惑っている男達を指し示すユニット。
ガサササッ!!
ガシュガシュ!!
夜道にゲジフォルナの足音と。
「「うどわぁぁ~~!!??」」
何やら叫びつつ、火炎球ファイアーボール投げ放ちつつ、逃げ出している男達の姿が……
というか、あれって、獲物を空間湾曲させたところに追い込んで、それからじっくりと吟味する。
という簡単な性質のことまであの人間達ってわかってないし。
そして……
そのまま、空間湾曲させているところから、滅びの砂漠に自分たちから走って行ってるし♡
面白い人間達よねぇ♡

「ミリーナ!!?」
何やら男達の叫びと、そして、攻撃呪文の音
それを聞いてあわててあたし達のほうにと駆け寄ってくるルーク。
そして。
「…リナぁ?お前また何かしたんだろ?」
じと目でそんなことを何やらいってくるガウリイに。
「ま、別にいいじゃない♡そ・れ・よ・り♡出てきたら?ガルファ♡」
くすっ。
笑いながら、茂みの奥にと問いかける。
と。
――ざっ!
あたしの言葉に木の影より手でくる一つの影。
なぜか今の光景をみて驚いてるようだけど。
まったく、あの程度で情けない……
「…で?一人になったところで何かしてくる?」
すでに、先の五人はゲジフォルナの手によって滅びの砂漠の彼らの巣に誘いこまれてるし♡
にこやかに。
少し離れた場所にと姿を現したガルファにと問いかける。
そんなあたしの言葉に。
「――今日のところは手をひこう――」
いって。
そのまま闇に乗じて逃げるように駆け出していってるし。
「あら♡根性ないわね♡」
あたしのその言葉に。
「…あんなの目撃したら当然だとおもうんですけど……」
何やら言っているミリーナ。
「…?あの?シェーラさん?ミリーナさん?リナさん?何をなさったのですか?」
「…聞かないで………」
何やらしみじみとそんなことを話しているゼロスとシェーラ。
「ま、とりあえず、意まのであいつらはこの町からいなくなったし♡
  今日のところは休んで明日の朝出発しましょ♡」
あたしの言葉に。
なぜかユニット以外の全員が無言でうなづいてるけど。
「それじや、一気に宿に戻りましょ♡」
パチンv
軽く指を鳴らすあたしの動作とともに。
「どわっ!?」
「なっ!?」
「またかぁ~!!」
何やら叫んでいる、ルーク・ミリーナ・ガウリイ達。
指できちんと合図してるんだから、慣れなさいよね♡瞬間移動♡

なぜか仲間たちが消えた。
という報告をうけて、ガルファたちのほうは面白いまでに混乱し始めてるし♡
さって♡
仕上げに取り掛かりますかね♡


                            -続くー


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あとがき:
薫:・・・・誰でも驚くかと・・ちなみに。ゲジフォルナ・・。
  ゲジゲジと、フナムシを合体させたようなもの・・とでも思ってくださいな・・・・・
  ちなみに、本気で想像して、鳥肌たっても私は責任もちません・・・
  何はともあれ、ではでは。
  次回で廃坑にてvですv
  2005年2月13日某日


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