エル様漫遊記・ベゼルドの妖剣偏
「……どうする?ミリーナ?」
「ここで何といっても……。とりあえずは今は、村を救うのが先決ですわね。」
そういいつつ、ミリーナもまた、その輪になっている円の中をくぐってゆく。
「あ!ミリーナ!まってくれ!」
ミリーナに続き、ルークもまたそれをくぐり。
――そして。
輪をくぐったあたし達の前では、村のあちこちから上がっている火の手と人々の悲鳴。
それに混じり、
「「ルグルワァァ!!!」」
そんな叫び声が聞こえてきていたりする。
あたし達が移動した先は、村の中心にとある広場。
あちこちに無数の影が見え隠れていたりする。
といっても、たかが数百匹程度だけど。
「な゛!?デーモンか!?」
それをみて、驚きの声を上げているルークに。
「デーモンの襲撃を受けているのというの!?」
何やら言っているミリーナ。
ふと、数数引きのレッサー・デーモンやブラス・デーモン、といった輩があたし達にと気づき。
こちらに襲い掛かってこようとしていたりするけども。
「まったく。困りますねぇ~♡」
ぽびゅっ!!
ポシュシュ!!
ゼロスがにこやかに錫杖を横に振ると、音を立てて、それらは一瞬のうちにと消えてゆく。
「ともかく!村人達を!ルーク!」
「おう!任せとけ!ミリーナ!」
などとそんな声をかけつつも、走り出しているミリーナとルーク。
「ちっ!数が多いいぞ!何だってこんな奴らが数十単位で!?」
「文句を言う前に行動してください。ルーク。
ギュガッ!
ミリーナの放った術が一体のレッサーデーモンの頭を吹き飛ばしてゆく。
「さすが俺のミリーナ!でいっ!」
ざしゅっ!
こちらはこちらで剣で真っ二つに叩っ斬り、切り裂いているルーク。
「……おいおい、気配からして百十数いるんだが……オレたちだけで倒せってか?」
何やらデーモンを倒しつつ言ってくるガウリイ。
「そうね。面倒だし、ちょっぴり気配でも開放して……♡」
あたしが言いかけると。
「うわぁぁ~!!?リナ様!?それだけは!!僕がやりますからぁぁ~!」
何やら目を見開いて、叫んでいるゼロスだし。
「あら?そう?ならとっととやってね♡」
「……はい……」
いいつつ、ふわり、と村の上空にと浮かび上がり。
「申し訳ありませんけど、皆さん、眠っててくださいね♡」
いいつつ、すっとその手の錫杖を下…つまりは、村のほうにと向けてゆく。
――と。
バシュウッッ!!
「「……え??」」
逃げ惑う村人達の目の前にて、瞬時に消え去ってゆくデーモンたち。
「さってと♪それじゃ、
あたしの言葉と、軽く指を鳴らしたその刹那。
パァァ!!
なぜか村全体を金色の淡い光が包み込み。
いたるところでは。
「お母さん!?」
「ぼうや!!?」
「奇跡だ!」
「「わぁぁぁぁぁぁぁ~!」」
何やら村人達の歓喜の声があふれていたり。
ただ、ちょっぴし村の軒並みを元通りにして、
息絶えてた存在とかを生き返らせたりしただけだというのに。
そんな光景をみつつ。
「……一体何がどうなって……」
何やら呆然とつぶやいているルークに。
「……おそらく……リナさんたちの仕業かと……ほら……」
いって、空を見上げるミリーナ。
ミリーナが振り仰いだ空には、ふよふよと浮んでいるゼロスの姿が見受けられていたりする。
「……と、とにかく、リナさんたちのところに戻りましょう。きっとまだ広場にいますわ。」
「……だな。」
なぜかかなり戸惑いつつも、
とりあえずあたし達のいる広場にと戻り始めるミリーナとルークの姿が見受けられていたりする。
あたし達のいる広場にと戻ってきたミリーナとルーク。
なぜかちょっぴり姿が薄くなってるゼロスもいたりするけれど。
「あら♡お帰り♡」
広場にと戻ってきた二人にと声をかけると。
「…リナさん?今何をしたんですか?…一体?」
何やら顔色も悪く聞いてくるミリーナ。
「あら♡ただゼロスにレッサーデーモンやブラスデーモンを
又殺させたりしといてから、村を元通りにしただけよ♪」
ついでに死亡した者たちも生き返らせたりしただけだけど、それはそれ♪
そんなあたしの言葉に。
『リナ=インバース(さん)って……』
あの噂…事実(でしたのね)(だったのか)……
などとつぶやきつつも思っている二人だし。
この二人、以前あたしが町とかを再生させたりした噂を知ってるからねぇ。
「そんなことより。今日はもう暗くなるからやすみません?ね♡}
そんな二人にとにこやかに言っているユニット。
結局のところ。
なぜか。
――神の奇跡が起きた!!――
などと、ほとんどお祭り状態と化しているこの村にと一泊することに。
神の奇跡が起こったのは間違いがないから!とかいって、無料で宿とか開放してるし。
ここは泊まらないとせっかくだしね♡
その夜。
なぜか食堂にて、このたびのデーモン発生の経緯を話してくるたびの商人。
「いやぁ。こんなの初めてみましたよ!!
デーモンがあちこちの町や村を襲っている。という話はしっていましたが……
デーモンが消え去った後軒並み再生し、
あまつさえ、誰一人として犠牲者がいなくなっているなんて!」
興奮気味にと話しかけてくる。
そして。
「まだカルマートの町が襲われた、なんて噂は聞きませんけどね。
いやはや、こうデーモンが頻繁に出てくると商売が上がったりです。」
そんなことを言ってくる。
そんな彼のたわいない会話をききつつも。
とりあえず、食事をとり…そして、今日のところはあたし達は休むことに。
そして。
とりあえず次の日。
いまだにお祭り騒ぎ状態の村を後にして、ベゼルドの町にと再び向かうあたし達。
道すがらデーモンの襲撃をうけてすいでに廃墟となっていたりする村もあったりするけども。
まあ、この辺り、グラウシェラーのヤツが実験してたしねぇ。
なぜかあたしが人間やり始めてからあまり派手にやってなかったようだけど。
というか、あたしが人間やってるってわかったときから、
あの計画…根性ないことにとめてたからねぇ。
あいつは……
最近になって再び始めた理由は、
何か見つけたらあたしに差し出すため…とか思ってやってるみたいだし……
まあ、それはそれとして別にいいけど。
あからさまに空気に満ちている殺気とあせり。
ベゼルドの町にルークとミリーナを伴い進み始めて二日。
カタリ。
と扉を開けると、同じようにガウリイやルーク達もまた、この気配に気づき起き出している。
窓から見える月明かりの下。
建物の屋根から屋根へと飛び移っている黒い影。
その姿を認め、窓越しに顔を見合わせているルークとミリーナ。
そして。
「私たちは先にいきます。」
ミリーナが横の窓から外を見ているあたしにといってくる。
そして。
「
言葉と共に、ルークともども窓より部屋の中から躍り出る。
「リナ?私たちもいく?」
「そね。とりあえず、出入り口から外にでましょ♡」
そんな横の窓から聞いてくるユニットにと答えるあたしに。
「どうもあの影…あの黒尽くめ達だよなぁ~……」
何やら外をみつつ別の窓から言っているガウリイ。
「…おや?」
などとつぶやいているゼロスもいるけど。
あら♡
ガウリイ、それ正解♡
そんな会話を窓越しにしている、あたしとユニット。そしてガウリイとゼロス。
とりあえず、あたし達はそのままドアから出て一階にと降り、出入り口から外に出てゆくことに。
ミリーナたちは浮びつつ、上空からシェーラたちにと近づいてるしね♡
―――たむっ。
小さな影が音を立てることもなく、屋根の上にと飛び移る。
一呼吸遅れて、影の後を追うように飛んでいる二つの影。
彼らがその屋根におりたったときには、すでに先の影は別の屋根にと飛び移っている。
――と。
ヒュッ!
二つの影のうち一つが、軽く懐よりナイフを取り出し、先の影に向かって投げはなつ。
…と。
続いて先を行っている影がグラリと揺れる…というか、ナイフを消したんだけど、彼女はv
「――ばか者!殺すな!といったはずだ!」
そんな横の黒尽くめにと話しかけ、叱咤しているのは、先日のガルファ。
それに続き。
「足に当たったはずです。これでも動け……」
もう一人の黒ずくめ…ザインの言葉が終わるよりも早く。
狙った相手…井馬のでもなくシェーラはそのまま、何ごともなかったかのように歩き出し。
そして、そのまま走り始める。
……こいつら、シェーラにおびかれている、というのに気づいてないし……
それをみて。
『――――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
一瞬立ち尽くしているザインとガルファ。
そして。
「……あれ?」
「『あれ?』ではない!はずしたな。追うぞ!」
そんな会話をしてたりするし、こいつらは……
そんな彼らの様子を上空より眺めていたミリーナはといえば、
とりあえず、見た目追われているように見えるシェーラに加勢しようと…
…まあ、まだこのシェーラが魔族だって半信半疑だからねぇ。
ルークもミリーナも。
「
ミリーナの言葉に従い、持続時間ゼロ。
光量最大としている魔法の光がザインとガルファの目の前で炸裂する。
「「あぐあっ!!??」
面白いまでにミリーナたちの気配にも気づいてなかったりした彼らは、
モロにその光をくらってるし……情けない…
足を止めたシェーラの前に。
ストン。
と降り立つミリーナ。
「――ミリーナさん!?」
まさか、あの御方も!?
などと露骨にそんなことを思いつつ、ミリーナの姿をみて何やら言っているシェーラ。
「あら♡よくわかってるじゃない♡シェーラ♡」
・・・・・・・・・・・・・ピキッ。
地面のほうからかけらるそんなあたしの言葉に、面白いまでにと凍り付いているシェーラの姿♡
「そんなことよりは、まずはこいつらだな!」
などといいつつ、彼らが目をくらませている隙に、彼らの背後に降り立っているルーク。
「ぐっ!我らを倒すつもりか!?面白い!」
などと、視界が戻ったガルファがそんなルークにと言い放つ。
そして。
「お前にこいつは任せた!私はあちらを追う!」
「了解しました!」
そんな会話をしているこのガルファとザインだし……
「まずは邪魔な女を!」
そういうと同時に。
「
ミリーナを狙って術を解き放つガルファ。
だがしかし。
「
あっさりとしたミリーナの言葉に、それはいともたやすく蹴散らされる。
そして、なぜかいまだに固まっているシェーラ。
そんなシェーラに。
「ともかく!こっちへ!」
いって、シェーラを引っつかみ、屋根の上から地面にと降り立ってくるミリーナ。
そして、その降り立つ場所にいるのは、いうまでもなく、あたしとユニット。
ガウリイ達のほうはといえば、
「お~い?リナ?こいつらどうする?」
他に隠れていたガルファの仲間たちを捕らえてずるずると引っ張ってきていたりする。
それをみて。
「何!?」
なぜ隠れている他の仲間たちのことがわかったんだ!?
そんなことを思いつつ、驚愕の声を上げているガルファだし。
「は~い♪シェーラ♡久しぶり♡」
にっこりといまだに固まっているシェーラに。
「いゃぁぁ!!何だってまたこの御方たちがぁぁ~!!!」
何やら泣き叫び出しているシェーラ。
くすっ♡
そんなシェーラにとにっこり微笑み。
「どうでもいいけど?シェーラさん?待機させていた彼ら。
あなたが地面についたら、出てくるように指示してるみたいだけど?どうするの?」
にっこりと、そんなシェーラにと話しかけているユニット。
それと同時。
つっごぉぉん!!
どごがぁぁん!!!
轟音と爆発音が、当たりかまわずに瞬時に発生し。
そして。
ガラララッッ!!
同時に今までルークとザインが屋根の上にといた家や、その他の家が崩れてゆく。
「な゛!!??」
驚愕し、隙だらけになっているザインに対し、
「今だ!」
などといいつつ、剣を構え、切りかかろうとしているルーク。
――が。
・・・・・る・・・るるぅ・・・・・
うるぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
それと同時に。
夜の闇の中、ちょっとした唸り声が響き渡ってゆく。
「――何だ!?」
ルークの声にまるでこたえるかのように、瓦礫の生んだ煙の中から聞こえているうめき声。
その声になぜか顔色を悪くし。
「――まさか……
いって、空に向かって魔法の明かりを打ち放つミリーナ。
その明りの下―――すなわち、そこにいたのは、いうまでもなく。
シェーラに今まで命じられて待機していたレッサーデーモンやブラスデーモンの混合部隊。
約五百体♪
「にゃぁぁ~~!!??」
しまった!?
命令解除してなかったぁ~!!!
などと思いつつ、叫び声をあげているシェーラに。
「…シェーラさん…相変わらずどこか抜けてますねぇ~♡」
にこやかにそんなシェーラにといっているゼロス。
「ほっといてよ!まさかこの御方たちが追いかけてくるなんて思わないじゃない!
ゼロスの気配すら感じなかったのよ!?」
何やら叫ぶシェーラに対し。
「そういわれましても……。
何かに関わろうとなさる時には、必ず、すべての気配を無にされてますし……
僕とて、探し出すのが困難なんですよ?それに命令されたら断れると思います?」
「…………うっ!」
にこやかなゼロスの言葉に、言葉に詰まっているシェーラ。
「な゛!?」
目の前の出現したデーモンの姿をみて、何やら叫んでいるザイン達。
「いったい 何が?」
ストン。
とミリーナの横に降り立ち、何やら言っているルーク。
「そんなことより、今はこのデーモン達約五百体をどうにかする方が先決なのでは♡」
そんな二人に対してにこやかに振り向きつつも言っているゼロス。
せっかくだし、人々から少しお食事くらいさせてもらいましょうか♡
などと、そんなことを思っていたりするけど。
このゼロスは。
「確かに。ゼロスさんの言うとおりですわ。ルーク。」
ミリーナの言葉に。
「おう!魔風撃!!」
ウォン!!
ルークの手にした剣が銀色の閃きを生み、それと同時に、夜風がうなり、烈風が生じてゆく。
レッサーデーモン達などから、こちらにと飛んでくる火球や炎の矢を軽く吹き飛ばす。
「――聞きたいことはいろいろあるが!今はこいつらの始末が先決だからな!」
などとあたし達に言いつつ。
「見てくれたか!ミリーナ!俺の……」
「自慢話はあとできくわ。」
ミリーナにビシャリ、といれ、多少いじけているルーク。
そんな様子をみつつ。
このデーモンたちがシェーラから受けている命令は、
『邪魔する奴は倒してとにかく暴れろ。』であるがゆえに。
あたし達を【邪魔する輩】と捕らえ、
こちらに向かって進んでくるレッサ・ーデーモンやブラス・デーモン達。
そんな存在がたかが23匹ほど。
「あらあら♡」
そんなあたしの言葉に。
「リナがゼロスに何かしろって言わないってことは……何かたくら…いや、考えてるな……」
などと、言い直しつつも何やらつぶやき。
ザシュッ!
ざしゅりとブラス・デーモンを真っ二つにしているガウリイ。
そしてまた。
「キャ~♪キャ~♪キャ~♪」
などといっているユニット。
ミリーちゃんには確かに怖いかも……コレ……
などと、ミリーナが思っていたりするが。
――が。
「きゃぁぁ~!!面白い♡」
ずるっ!
あ、ミリーナ、ユニットの声を聞いて、
「ね♡リナ♪ちょっぴし競争しない?一体づつ元に戻していくの♡数の多いほうが勝ち♡」
にっこりと、あたしにそんこなことを言ってきているユニットに。
その横では。
た……たしかもしかして…もしかしなくても、この子……この御方の友人とかいいう……
などと今さらながらに、またそんなことを思いつつも固まっているシェーラ。
「あら♡面白そうね♡それ、乗ったわ♡」
そんなあたし達の会話に。
「ええぇぇ!?エル様!?ユニット様!?」
ザック♡
そのままその場にバタリ、と倒れて動かなくなっているゼロス。
何やら姿が透けて地面が見えてたりするけど、ま、一応まだ色はついてるし♡
「あら?何転がってるのかしらね♪それじゃユニット、やりますか♡」
「了解♡」
ふわっ。
ユニットが手を掲げると、
どこからともなくその先に銀河がちりばめられたような、
まるで不可思議にと光る球体を先端にとつけているロッドを取り出す。
正確にいうならば、ユニットが手にしているロッドの先の先端のオーブは、
ユニットが抱擁している空間そのもの、というか、宇宙空間そのものゆえに、
絶えず変動していたりするんだけど。
「げっ!?」
……情けないことにそれをみて、なぜか本当に石化。
…例えでなく、本当に石と化しているシェーラの姿。
「さ。それじゃ、開始ね♡」
「は~い♡」
ふわっ。
っと。
あたしは愛用の大鎌を。
ユニットは愛用のロッドをそれぞれ手にもち、軽く地面をける。
さって、競争開始ね♡
-続くー
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あとがき:
薫:・・・・・・・・・・エル様・・・スミレちゃん・・・(汗
次回で、気の毒・・・もとい、
やっぱり、エル様・・もとい、リナ達と行動することになるシェーラです・・・
んではでは・・・また次回で・・・
2005年2月11日某日
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