Bloody  Rose

「いや……だから、それでもオレは…お前と一緒にいたいんだよ。」
「……へ?何で?だって……」
最近、なぜかゼフィーリアにと向かい始めてしばらく。
なぜか、魔族の襲撃が後を絶たない。
ゆえに。
ガウリイのためを思って、別れを切り出した・・・というのに。
考えに考え抜いて、そして。
今日。
意を決して夜にガウリイの部屋にと訪れた。
そして、話をしていたら、相手でもあるガウリイの口から、そんなこ言葉が出てくれば。
目も点になろうか、というもの。
「でもでも!?あたしといたら、それでなくても危険だし!?それにもう…剣もみつかったし…一緒にいる理由も……」
そう。
以前はガウリイがもっていた光の剣。
それ目当てに一緒に行動していた。
だが、それに代わる剣も見つかり…一緒に旅をする理由はなくなった。
だがしかし。
それでも一緒にいてくれる彼の気持ちがうれしくて、ついつい甘えていたのだが……
一緒に死闘を繰り広げた人物たちとの別れ…そしてまた…
ここ最近、なぜか旅の最中に魔の攻撃が活発化してきているようなきがするのは気のせいでは…ないとおもう。
自らの中にと取り込んだ、魔血玉の欠片が漠然とではあるが、まだまだこの事情は悪化する。
そう告げている……
「一緒にいる理由ならあるぞ?オレはリナと離れたら生きていかれない…だからかな?」
「……は?」
いくらなんでも、ガウリイがくらげ、だとはいえ。
生きていかれない、ということはないとおもうのだが。
そんなガウリイの言葉に思わず目を点にするリナに対し。
「あのなぁ?心底ほれてる女の側を好き好んで離れたい男がいるとおもうのか?」
「…………はぃ?」
いや、今・・・こいつ、何てった?
「……ほれてる……って、誰が?」
がくっ。
「あのなぁ・・・お前以外に誰がいるんだよ?」
しばし硬直。
ガウリイの言葉の意味を理解するのに。
リナの中でしばしの時間が要され。
そして……
「え……え……・ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?」
リナの驚きの叫びが部屋の中にと響き渡る。
そんなリナを見つめつつ。
「……もしかして、気づいてなかったのか?やっぱり?……はぁ……」
「いやあの……え……え……ええぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?」
いやあの……ええ!?今ガウリイ何てったぁぁああ!?
リナの頭の中はすでにバニック。
いや、いきなりそんなことをいわれたら、普通はそうではあろうが……
「いやでも、あんた!?そんなそぶり何も!?」
「……あのなぁ?オレ、お前の実家にいきたい・・っていったよな?それに一生側にいるって?」
「……いやあの…でもそれって……葡萄が食べたいからじゃ……」
リナが混乱しているのをみてとり。
ベットに座っていたガウリイは、いつのまにかリナの目の前にと移動して。
リナの気づかぬまま、いつのまにやらリナを抱きしめているような格好になっていたりする。
だがしかし。
リナの頭の中はただいま大混乱になっているがゆえに。
まったく理解ができていない。
「あのなぁ。あのときはそうでもいわないと。お前まだあいつのことを気にやんでたろうが?
  だからって。まったく気づかれてない、というのもオレとしても哀しいものがあるんだがなぁ?」
「いやあの……その…えっと……えええぇぇ!?
  いやあの、でもあんた、あたしのこと子ども扱いし……」
パニックになりながらもどうにか言葉をつむぎだすリナ。
というか、自分はガウリイと別れ話をしに来たはずなのに。
なぜにいきなり予想外のことを言われて自分はバニックに陥らなければならないのか。
「そうでもしないとオレ理性たもてないしなぁ。心底ほれてる女が無防備で側にいるんだぞ?」
「……理性?……は?」
まったく理解できずに、ガウリイに背中に手を回されている格好になりつつも。
パニックになっているので抵抗することもなく、ガウリイを見上げるリナ。
ある意味、彼女はわかっていない。
その表情は見ようによっては誘っている、というようにしか映らない、ということに。
「……つまり……だ」
「……んっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!??」
そんなリナの表情をみていて、さすがにすでに我慢も限界に来ていたがゆえに。
いきなりリナに口付けしているガウリイ。

ここ数日。
なぜか魔の攻撃が、日中問わず増えてきた。
それにより、ガウリイが傷つくことを恐れたリナは、考えに考えて……そして今日。
考えすぎて、気づけば夜中になっていた。
というのもあるにしろ。
意を決してガウリイの部屋にとやってきているリナ。
どうでもいいが、夜中にしかもバジャマのままで、普通男性の部屋に行く……
というのは、どういう結果になるか。
というのはわかりそうなものなのであるが……

「……つまり、こういうことだ。」
「……いやあの……ええぇぇぇぇ!?あんた、乙女に何するんのよぉぉぉぉぉおお!」
スパコォン!
ガウリイにいきなり口付けされたリナがガウリイの顔が離れてしばらく。
真っ赤になりつつも、状況を理解しだし・・
そして、真っ赤になりつつも、なぜかパジャマの懐に忍ばせていたスリッパでガウリイの頭を叩くリナ。
「かえせ~!!乙女のファーストキスぅぅぅぅぅぅぅ!」
何やら騒ぐリナに対し。
「リナはオレとキスするのいやか?」
「いやとかそういう問題じゃぁぁぁなぁぁぃ!」
わめくリナに対し。
「それじゃ♡キスにはしっかりとなれてもらわないとなぁ。何しろオレの理性も限界だしな。うんうん。
  それにな?リナ?その格好、男を思いっきり誘ってるようにみえるんだぞ?」
少し大きめのバジャマは鎖骨などをちらり、とのぞかせはっきりいって無防備極まりない。
「いやあの……だからぁ!どうしてこんなっ!」
「だから。オレはリナが好きなんだよ。心底ほれてる、といったほうがいいかな?
  だから、リナに捨てられたらオレ生きていかれないから、そのままのたれ死ぬかもなぁ。
  リナはオレが死んでもいいのか?」
ぐっ!
そんなガウリイの言葉に思わずリナは言葉につまる。
ガウリイが死なないためにと別れを切り出したのだから。
「いきなりキスしといて今度は脅しかぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「リナと離れないためなら何でもするぞ?でもなぁ。いくらオレがリナを好きでも。
  リナをいきなり襲って嫌われたくないしなぁ。だから我慢してたんだが?リナはオレが嫌いか?」
「いやあの襲うって……嫌いだったら一緒に旅してないわよ。
  って、それより!いつまで腕を背中に回してるのよぉお!?」
ようやくガウリイが自分の背中に手を回しているのに気づき、抗議の声をあげるリナに対し。
「ってことは、嫌いではないってことだよな♡」
「いやまあ……そりゃそ~だけど……」
「なら、我慢する必要ないんだよなvいやぁ。オレもそろそろ我慢限界だったしなぁ♡
  何しろ好きな女がそんな格好で部屋にきたらなぁ。うんうん」
……はぃ?
ひょい。
いやあの……
「って……ガウリイ?」
なぜかいきなりリナを抱きかかえ、にこにことしているガウリイに。
首をかしげるリナ。
「つまり、リナもオレを好きだったことだよな♡
  ってことは、つまりオレも我慢する必要がないっということで♡
  リナがまた馬鹿なこといわないようにしっかりと教えておかないとな♡」
「……って、ちょっとまてぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「だぁぁぁぁぁめ♡」
「……ちょ!?がうっ!?……や……め……んっ……」
抗議するリナの口を再びガウリイがふさぎ。
「リナはオレが嫌いなのか?」
まるで助けを求めるような子犬のような震えるようなまなざしでリナを見つめるガウリイに対し。
というか、気づけばいつのまにかリナはベットに横たえられ、
ガウリイがその上にのしかかってる状態になっているのであるが・・・
「ば……かっ……きらいなわけ……ない…んっ……ちょっっっっ!」
そんなガウリイの表情にはかなり弱いリナ。
ここで嫌い、といってしまえば、本当にガウリイがこのまま死んでしまいそうで……
思わず本音をいうリナにと、再び深く口付けを交わしてゆくガウリイ。
「リナ。愛してる。……オレとずっと一生過ごしてくれないか?」
「……がう・……」

そんな二人の様子を。
開かれた窓から満月がまるで、二人を祝福するかのようにと。
しばらくの間照らし出してゆく……


リナとて、ガウリイが嫌いで別れたいわけではない。
むしろ、その逆。
彼が死ねば自分がどうなってしまうかわからないがゆえに。
下手をしたら、世界を道連れにしてしまいかねない、そんな自分の気持ちがあるからこそ。
だからこそ。
ここしばらく考えに考え抜いて……そして今日。
ガウリイに別れを切り出したのであるが……

ガウリイもまた。
リナが自分が自分のために死ぬのがいやという想いから別れを切り出しかねない。
というのを危惧していた。
この数日のリナの様子をみていればそれはよくわかること。
伊達に数年来リナと共に行動していたわけではない。
だからこそ。
ここで下手にボケたりして話をはぐらかしたら、リナはそのまま逃げてしまう。
それがわかっているからこそ……直球勝負にでたのだから。
いきなり言われれば、間違いなくリナは混乱して……混乱しているがこそ、素直になる。
すべては計算ずく。

そんなガウリイの想を知るはずもなく……

この日。
ガウリイと別れ話を切り出したはずのリナは。
逆にガウリイの想いを確認し……そして。
二人の関係は、今までの旅のバートナー……という立場から。
格上げして、恋人同士、という関係にと繰り上がってゆくのであった……

そのすべてのやり取りを見ていたのは……空に浮ぶ満月と……そして……




「おやおや……これは困りましたねぇ……」

ふよふよと。
夜空に浮ぶ、一つの黒い影のみ……


                            ―第1話へ―

HOME     TOP     BACK     NEXT

################################

管理人のあとがき:
薫:んふふふvラブラブと思わせといて、ちらり。と最後にゼロス出しv
  この話のコンセブトはこのゼロスですからねぇvんふふふv
  まあ、他にも設定ありますけど・・ね(笑
  知りたい人は、この話のトップの人物設定をどうぞv(こらまてや!
  さって、次回から、ラブラブガウリナ二人旅の開始ですv
  どこまでラブラブ表現でっきるかな♡
  んではではv
  2005年2月19日某日


HOME     TOP     BACK     NEXT