まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
説明まえがき:
151515をヒットなさいました。(平成15年12月29日)はるかさんからのリクエストです。
リクエスト内容は。
【ガウリナで無自覚、白ガウリイ、下心なしガウリイと。無自覚だけどガウリイをちょっぴり意識しているリナ】
でした。
ちなみに、シリアスでもギャグでもほのぼのでも何でもかまいません。というリクエスト内容でしたので。
以下の小説を打ち込みしてみました、あしからず・・・
はるかさんいわく、『ガウリナできればくっつくようでくっつかないv』の話がいいそうですので・・・・。
時期的には、一部と二部の間、と思ってくださいましな。
何はともあれ、いくのです。リクエストになってるかなぁ??(うーみゅ・・・汗
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なかなかないものよねぇ。
今回もまた外れ。
いや、そうぽこぽこと、伝説級の剣なんてものが転がっていたらそれこそ問題なんだけど。
サイラーグの一件より、あたしのせいで、
こともあろうに、伝説級も伝説、売ればかなり高値で売れた…
…もとい、あたしの物になるはずだった、【伝説の光の剣】
その変わりの剣を探しつつ、あてのないたびを続けるあたしとガウリイ。
結局、当然、といえば当然のことなんだけど。
そう簡単に伝説級の魔力剣が見つかることもなく。
何しろ、しかもそれに加え。
長年ガウリイが使ってきたのが何しろあの【光の剣】。
それに変わる品物なんて、はっきりいって、…姉ちゃんがもってる、
とゆーか思い出したくないけど…伝説の【赤竜の剣】か、もしくは、
伝説の中にある【
まあ、こっちのほうは。おなじ名前でまがい品…と、はっきりいって完全にわかる、
大量生産されてる剣が発売されているので、こちらはまず手に入る可能性はゼロに等しい。
まあ、愚痴をいっても仕方がない。
とにかく、ガウリイの新たな剣を探しつつ。
とりあえず怪しい遺跡などは何より。
盗賊から奪ったお宝の中からもそれらしきものを物色しあてのない旅を続けている真っ最中。
そんなこんなで今ガウリイが手にしているのは。
つい先日、とある盗賊さんのアジトから奪った…もとい、世界平和のために、
あたしが世の中のために役立てる目的で回収した。
恵まれない人のためにと奪ったお宝の中にあった、とある魔力剣。
それを持たせているのだが…
ちなみに、当然、恵まれない人、というのはあたしのこと。
何しろ、こうも魔族がらみの事件に巻き込まれるのって、やっぱりあたしが、
美少女だから、そのお約束どおり、【美人薄命】というやつの運命に流されているからと思うし。
こうもやっかいごとに巻き込まれるあたしははっきりいって恵まれてないはずである。
まあ、そんなどうでもいいことはとりあえずいいとしても。
問題は…
そう思いつつもちらりと横をみやり。
「はぁぁぁぁ…」
にこやかなまでににこにことしている旅の連れ、もとい本人いわく『自称保護者』。
そんな連れをみつつも、盛大にため息をつくあたし。
「ん?どうした?リナ?」
くしゃり。
そんなあたしの髪をくしゃりとなでてくるのは。
あたしの自称保護者こと脳みそくらげではあるが、その剣の腕ははっきりいってかなりの一流のガウリイ=ガブリエフ。
何か最近、というかこいつにこう髪をなでられてもいやじゃない。
というかむしろ何かくすぐったいけど。
多分なれたんだろうあたしも。
さすがにこいつとはもう一年以上も一緒にいるし。
でもなぜだかサイラーグの一件以来、
なぜかガウリイにこうされたら、何というか、くすぐったく感じるのよね。
毎回のことながら。
…変なの。
まあ、多分、【アレ】があたしの体を乗っ取っていたのが原因だろう。
うん。
とりあえず意味不明な何だかくすぐったいような感覚はおいといて。
再びため息をつくあたし。
「…自分の胸に聞いてみてよね…」
まったくもってあきれる、というか何というか…
そう、あたしのため息の原因はこの脳みそくらげのバートナー。
ガウリイのせいである。
何しろ、こいつ、今までもっていた【光の剣】あれのつもりで。
そのまま、何とレッサーデーモンに突っ込んでいってるし…
いや、レッサーデーモン程度なら、あたしですらびっくりしたことに。
何しろ確かにちょっとは魔力かかってるかもしれないけど。
そんな小さな魔力のかかった剣で、
いともたやすくあっさりと消滅させたガウリイの腕には感嘆せざるを得ないけど。
問題は。
「う~ん??」
そんなあたしの言葉にしばし首をかしげ、胸の前で腕をくみ。
「…わからん!」
うわっ!
こいつきっぱり言い切りやがった!
「あ、あほかぁぁぁぁ!あんたねぇぇぇえ!
どうみても!確かに雑魚、としかいいようがないかもしれないけど!
純魔族に向かっていって、しかも!剣の刃をすっぱ抜いてつっこんでくなぁぁぁ!」
スパパァァァン!
う~んvいい音v
あたしが懐から取り出したガウリイ専用vスリッパの子気味いい音が炸裂する。
ちなみに、ちゃんとこのスリッパにはガウリイ専用、とかいてあったりする。
あとはゼル専用のスリッパは今は袋の中で眠ってるし。
あとはいつでてきてもいいように、すっとこ神官用のスリッパは。
いつでも常備している乙女の旅の必需品v
便利なアイテム、スリッパちゃん♪
いろいろ使えてかなり便利v
「いってぇなぁ!リナ!」
いいつつも、頭を抑えているガウリイはおいといて。
「あのねぇ!少しは考えなさい!つ~か!光の剣でもないのに刃をすっぱ抜くなぁぁぁ!」
そうなのだ。
なぜか、サイラーグの一件以後。
何でかあたしは魔を引き寄せる体質になったのか、
または、魔に引き寄せられているのかそれはどうかわからないが。
なぜかここしばらくでめったと普通に生活していれば会うことはないであろう、
いわゆる純魔族、というものにと遭遇していたりする。
不思議な件の噂をききつけて。
といってもとある町の酒場で聞いた話だからあまりあてにはしていなかったが。
案の定、というか何というか、やっぱり、というべきか。
噂をたよりにいったその先では、なぜだかデーモンの大量発生。
そこの村に人間の姿が見えなかったのはまあ、おそらくは。
デーモンを全部退治するよりは、別の場所に避難したほうが効率的であったからであろう。
そして、その町の中に-それは…いた。
ひとつ脚の椅子のような野太いそれでいて黒い支え。
そしてその上には、丸っこい…しかも、なぜかその丸みを帯びたおそらくは体?もどき。
それを覆う何を考えているのか奇声をあげまくっている赤い口。
まるで追い詰められた人間の、しかも断末魔、そんな恐怖をたたえているような瞳。
そんな口や目を十数個、その球体もどきにつけているそれが。
魔族以外の何ものであるはずもなく。
結果、ガウリイのやつは、昔からのクセ、というか何というか。
そんな魔族にむかって、しかも剣の刃をすっぱ抜いて向かっていったのだ。こいつは…
はっきりいって心臓に悪い、以外の何ものでもない。
なぜだかあたしは自分が怪我をするよりもガウリイが怪我をしたほうがかなり痛い思いをするし。
何というか、表現できないけど、
自分が怪我をするよりも、何かわけもわからずに悲しくなってくるのである。
まったくもって、理解不能。
まあ、そんな理由もることながら、あたしとしては早くガウリイに新しい魔力剣を探し出したい。
という事実もリナの心の中にはあるのだが。
「まあ、いいじゃないか。倒せたんだし。」
そんなあたしの心を知ってかしらずか、のほほんとこいつは笑いながらいってくるし。
「つ~か!倒したのはあたしでしょうが!あたし!」
結局のところ、あわてて、あたしが不意をついて。
増幅版の
思わずそんなガウリイに叫び返すと。
「いや、だってなぁ。オレ、一応お前の保護者だし。」
「だからって命を顧みずに突っ込んでくなぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
つ~か、どこに関係があるんだ!どこに!
そんなあたしの心の突っ込みとは裏腹に。
にこにこしつつ、あたしの髪をくしゃりとなでてくるガウリイだけど。
「だから!人の話をきけぇぇぇぇ!!」
うららかな太陽が降り注ぐ街道で。
そんなあたしとガウリイの言い合いがしばし続いてゆく。
今日も今日とて、あたしとガウリイのあてのない旅はまた続いてゆくのである。
結婚式
「よっしゃぁぁぁあ!まかせといて!」
きっぱりはっきり言い切るあたしに。
「え?ですが…」
戸惑いの声を上げるルナさん。
いや、あたしははっきりいって、この名前を聞いたときから絶対にこの人の依頼。
どうにかしないと、いけない。
という精神的な追い詰め…もとい、と、とにかくあたしの姉ちゃんと同じ名前であるがゆえに。
人道的な立場から、この人を助けてあげたい、というのが始めにある。
「ですけど、相手が知っているのは金色の髪ですよ?」
そういってあたしを見つめてくる、長い金髪ストレートの女性。
何でも、彼女、決まった婚約者がいる、というのに。
ここの金持ち馬鹿息子がこの辺りで髪美人、と評判の彼女、
ルナさんを、お嫁にほしいなどとふざけたことをいってきて。
しかも、彼女をよこさないと村に被害をもたらす、などと脅してきているらしい。
「まかせといて!そんな女の敵のような馬鹿息子は!絶対に懲らしめてやるんだから!」
そう。
はっきりいってそんな馬鹿息子は世の中にいても、害あって一理なし。
「いや、でもな?リナ、相手は金髪の…」
そういいかけてくる横にいるガウリイちゃん。
んっふふふ。
「お、おい?リナ?…まさか…」
何かガウリイがおびえてるけど。
「当然vさ!ルナさん!こいつをルナさんの身代わりに!女装させるのよ!」
「あら、その手がありましたわね。さすがはリナさんですわv」
きっぱりはっきり言い切るあたしに。
すんなりと同意してくれるルナさん。
まあ、噂になっているのは、ルナさんの長い金色のストレートの髪。
それと碧い瞳。
そして整った顔立ち、かなりの美人である。
ということくらいらしい。
ここは、沿岸諸国連合の中にと位置している、
ちょっした大きな町からもかなり離れている、とある山の麓にあるその町の名前もフローラル。
サイラーグを後にして、流れ、流れて。
とりあえず、様々な噂を見聞きしつつ、流れてきているこんな村。
あたしとガウリイがこの村に来た理由は、当然、とあるどうみても、怪しい以外の何ものでもない、
もぐりの宿屋が経営している酒場でそこのメニューを完全制覇していたときのこと。
そこにいたいかにもごろつきさん風のおっちゃんたちが。
ここ、フローラルの村に魔力剣があるらしい。
という噂をしていたのを小耳にと挟み。
あたしとガウリイはそれをどうにか手にいれようとこの村にとやってきたのだが。
確かに噂は事実らしく。
この村、というか、このルナさんの実家でもあるこの家にそれはあるらしく。
「で?うまくいったら、この家にあるという剣、本当にくれるんですよね?」
そんなあたしの質問に。
「ええ。差し上げますわ。私もあんな馬鹿息子のところにお嫁にいくなんていやですもの。
それに私には将来を誓い合った人がいますし」
いいつつぽっと顔を赤らめるルナさん。
みゅぅ。
何とゆ~か、かなりかわいいものがあるぞ。
歳のころはどうもあたしの姉ちゃんと同じらしいのだが、このルナさんは。
まあ、いかんせん。
簡単にいうなれば。
どこかの馬鹿息子というか金持ちの大馬鹿おぼっちゃまが。
このあたりで噂となっているこのルナさんをお嫁にほしい。
そういってきたのがそもそもの原因らしい。
しかも、その馬鹿息子は、そういっては噂などになっている美人の娘などを、
その権力というか財力にものを言わせて、無理やりにと家に連れて行き。
そ~して、何でも【体の相性を確かめないと夫婦となるのは。】とかいって。
いわゆる。まあ、簡単にいってしまえば、そいつのやりたい放題らしい。
女性からしては、はっきりいって天敵以外の何ものでもなく。
しかも、そんな馬鹿息子の被害にかなりの女性たちが遭っているのにもかかわらず。
その家が何でも領主の血縁だからと泣き寝入りをしているのが現状らしい。
まったく。
そういう害虫としかいいようのない男はとっとと懲らしめるべきなのである。
うん。
つうか、自殺者とかも出てるらしいんだから…どうにかしろよ…お役人…
ともかく、役人などはあてにはならず。
かといって、そのいわゆる馬鹿息子の誘いを断れば。
今までにそういった家も多々とあったらしいが。
そういった家は身に覚えのない罪を着せられたり、挙句は盗賊の餌食となったり。
などとはっきりいっていい噂はきかない。
― 町を逃げ出そうとしても、どうもお役人の上層部がそちらと組んでいるのかそうでないのか。
領主への反逆者扱いとなり牢屋に入れられるらしい。
…というか!そんなろくでもないものをのばなしにしておくな!
ここの領主!つ~か!国王!
まあ、そんな理由で。
ともかく、あたしとガウリイが噂に聞いた【魔力剣】その真意を確かめるべく、このルナさんの家にときたものはいいものの。
今回のこの騒動、うまく収めてくれればそれを何と!【ただ】!で譲ってくれる。
というのである。
はっきりいっておいしいことこの上ない。
「ま、そういうわけで、ガウリイちゃん、身代わり、お願いねv」
にっこりとなぜかしり込みしているガウリイにと微笑みかけ。
あたしとルナさん、二人して、化粧道具を手にしつつ。
ビタッ!
なぜか壁にと張り付いているガウリイにと笑みを浮かべつつ詰め寄ってゆく。
「ってどうしてオレが女装なんてしなくちゃいけないんだぁぁぁぁぁぁあ!?」
なんか、ガウリイのやつ、無駄な抵抗、というか叫び声を挙げているけど。
「ガウリイ、これもあんたのためよ。というわけで、ルナさん、このアイシャドウなんてどう?」
「あら?このガウリイさんでしたら、こっちの色の方が見栄えしますわよv」
わきあいあいと。
あたしとルナさんによって、身代わりガウリイが出来上がってゆく。
とりあえず、ルナさんの家のもの、というか村の人たち。
そんな野郎ども数名をガウリイのおともにつけて。
ガウリイを送り出してすでに数時間は経過している。
何かかなり時間がたったような気もしなくもないけど。
だがそれはそれ。
何であいつがそばにいないだけで時間が長く感じるのかなぁ?うーん?
ど~も、【アレ】に体をのっとられてからというものあたしの時間概念は少しおかしいのかもしれない。
そんなこんなで、すでにもういつのまにか日はくれかけている。
う~みゅ。
もしかして、ガウリイのやつ、失敗したか?
いや、もしかしたら、ガウリイの女装、かなりきれいだったから。
そのまま結婚、となってたりして。
そうなったら…はっきりいって笑えること極まりない!
ガウリイを一生からかえるねたができる、というものである。
でも、そ~なったら、もしかして、あたしとあいつの旅はここまで?
…何か、それいやだな。
だって、まだあたしのせいでなくなった光の剣の代わりも見つけてないし…
そんなことを心の中でぐるぐると考える。
何か一人でいたら、ろくなことを考えないなぁ。
あたし。
ポタ。
…あれ?
何か生暖かい感触にふと気づき、ふと手の甲をみてみれば、何かぬれてるし…
つ~か!何あたし、ないてるわけ?
…この本、そんなに悲しくないけどなぁ?
と、とにかく、今日のところはもうねよう。うん。
なぜかあたしにしては珍しく、食事をする気にもなぜかならず。
結局ガウリイが戻ってこないままに、その日はそのままルナさんの家にとお世話にとなることに。
チチチ。
小鳥のさえずりが聞こえてくる。
カーテンごしにさしこむ柔らかな朝の日差し。
「う~」
この、あたしとしたことがあまり寝付かれなかったわ。
なぜか、寝ようとしたら目がさえて。
というか、寝たら、あのとき…そう、ガウリイがさらわれたときのことを思い出し。
結局あたしはあまりほとんど一睡もしていない。
…とにかく、おきよう。朝ごはんでも食べたら気分も違うだろうし。
そんなことを思いつつ。
あたしは服を着替えて、台所にと向かってゆく。
トントントン。
そのまま、階段をおり、そして、その先にある台所にと入ってゆくと。
「よっ!リナ、ただいま」
― ほっ。
……って、ちょっとまてぃ!
何でこいつがここにいるのよ!?
思わずあたしは目を点にする。
なぜか、そこには、ちゃっかりとテーブルの椅子に腰掛けている金髪青年、その見知った碧い瞳。
そんなヤツが座っていたりするし。
「って!?ガウリイ!?何であんたもう戻ってきてるわけ!?」
そこにいるのは、確かに昨日、
ルナさんの身代わりに馬鹿息子のところに出向いていったはずのガウリイの姿。
って、あれ?何かあたし今、ガウリイの姿みて、ほっとしなかった?
…気のせいか。
そう感じたのは多分。うん。
「いや、でももう解決したぞ?」
「うそ!?」
つ~か、早すぎ!
そんなあたしの叫びに。
「どうもそうらしいですわ。あの馬鹿息子、何でもかなりおとなしくなった。と。
逆にあちらの人が喜んでましたわ。ガウリイさんをつれて戻られた方が」
などとそんなガウリイににこやかにホットミルクをだしつつニコニコと笑っているルナさん。
う~む。
ガウリイのやつ…何したんだ?
まあ、それは後でゆっくりと聞きだすとしよう。うん。
「?まあ、よくわかんないけど。ともかく、ルナさんの依頼は果たしたわけね?」
とりあえず、ガウリイに再度確認をとりつつも。
あたしはガウリイの横にストンと座る。
なんかそれをみて、くすくす笑ってるルナさんだけど。
「おう。遅くなって悪かったな。リナ」
くしゃり。
そういって、あたしの頭をなでてくるガウリイだし。
「ああもぅ!だから、髪が乱れるからやめてってば!とゆ~か、食事中に髪をさわるなぁ!」
あたしの髪をくしゃりとなでてくるガウリイにあたしが抗議の声を上げると。
「ん?いいじゃないか」
「よくなぁぃ!」
そんなやり取りをしている間、なんでかルナさんはにこにことあたしたちをみているし。
「とりあえず、ガウリイさんも戻られたことですし。朝ごはんにいたしませんこと?」
やがて、あたしとガウリイの言い合いがいまだに繰り広げられているそんな中。
ルナさんがいってくる。
「…それもそ~ね」
うん。
何でか、食欲もわいてきた。
心のどこかにあったもやもやはどこかにきれいさっぱりと消えているようだし。
「んじゃ。ガウリイ、朝食、いただきましょ!」
「おう!」
かくして。
いつもの、ガウリイも一緒の朝食光景がここ、ルナさんの実家にて繰り広げられてゆく。
ぷはぁぁぁぁ!
「ふぅ。食べた、食べた」
もう、おなかぱんぱん。
昨日、あまり食べてないからか、あたしはとりあえずは二日分、食事が進んだけど。
やっぱりガウリイと一緒だと何でか食事もおいしく感じるのは…何でかなぁ?
まあ、食事は一人で食べるより人数多いほうが確かにおいしいんだけどさ。
多分、その関係だろうなぁ?
そんなことをおもいつつ。あたしはしばしお腹をさする。
「でも、本当にありがとうございます。これで、私もあの人と結婚式、無事に行えますわ」
にこやかに、そんなことをいってきているルナさん。
そ~いや、ルナさんの結婚式、
数日の後に迫っているところにあの馬鹿息子からの呼び出しがあったんだっけ?
にこやかにいってくるそんなルナさんの言葉に。
はっ!そういえば、依頼を果たしたんだから、依頼のお礼の品!
はたと、まだ品物…
つまりは、ルナさんがタダでくれる、といった魔力剣をまだもらっていないことに気づき。
「あ、あの?ルナさん…それで…依頼の品を…」
そんなあたしの言葉ににっこりと。
「ああ、そうでしたわね。少しまっていてくださいな」
いいつつ、部屋の奥にと引っ込んでゆくルナさん。
そんなルナさんをみつつ。
「少しはこれでガウリイの剣、ましなものになるかもね」
そういって横にいるガウリイにと話しかけるが。
「ん?何かいったか?」
ぱくぱくぱく。
…こ、こいつは。
いまだに食事に専念してるし…
あ、あたしですら遠慮して、そのキャピアの盛り付け、たったの二十皿しか食べなかったのにぃぃ!
「ああ!ガウリイ、ずるいわよ!」
いいつつ、ガウリイの食べているお皿から、キャピアののったハムさんを奪い取る。
「ああ!リナ、ずるいぞ!」
「それはこっちの台詞よ!」
などと、食事の奪い合いを再びしつつ、ガウリイと食事争奪戦をしばし繰り広げていると。
そんなこんなをしていると。
ふと気づいたら、出された食事がすべて空となっていたりする。。
そんな中ルナさんが屋敷の奥の部屋のほうから、何か小さな箱をもって出てくるけど。
「はい。リナさん、お待たせいたしましたわ。これが、お礼の品物です」
いいつつ、小さな本気で小さな、手の平よりも少し大きい程度の箱を手にもって、
あたしの目の前の机の上に置くルナさん。
「えっと?これが?あ…あの?確か、くれるっていってたのって…魔力剣じゃなかったですか?」
いくらなんでも、短剣にしても、この箱は小さすぎる。
あたしが目を点にしつつ、ルナさんにと問いかけると。
「ええ。ですから、【魔力券】ですわv」
にっこり笑い。
パカリ。
その箱を笑いながらあけて、あたしたちにと見せてくれるルナさんだけど。
…はひ?
その箱の中身をみて、あたしは思わず目を丸くする、というよりは、目が点になる。
「…お~。確かに、【券】だなー。というより、どっかの【通行証】みたいな券だな~」
それをみて、そんなことをいっているガウリイ。
って、ガウリイがまともなことをいってる!?
って、問題はそこじゃないぃぃい!
ルナさんが持ってきた箱の中には。
小さな、というか、確かに何らかの魔力が感じられるのは感じられるが…
それは、一枚の、洋紙皮でできた、どうみても、それは【券】…だし……
何かそれに五大魔族のシンボルともいえる文様が刻まれているのは気にはなるけど。
「これは、以前、私の先祖が、海でとある生き物を助けたときにある女性からいただいた、
そうお聞きしておりますわ。これをもって、海に漁にでましたら、
なぜかいくら魔海に近づいても、魔というか、怪物が襲ってきませんの。ほほほほほ」
などと、箱を机の上にと置いたまま、笑っているルナさんだし…
つ~か…、もしかして…あたしたちが聞いた魔力剣のうわさって…
【ケン】は【ケン】でも…【ケン】違いかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
あたしはしばし、その事実に呆然と、
ただただ、机の上にあるそのなんでか異様に魔力が含まれている、
その札らしき一枚の券を呆然と眺めつつ。
…今度からは剣、というのを確認してから行動しよ。
あたしは、切実に心の奥にと誓ってゆくのであった……
結局のところ。
とりあえず、二日ほどその村にと滞在し。
あたしたちが村を出発するその日はちょうどルナさんとその婚約者の結婚式。
ルナさんは結婚式にぜひともに参加してほしい。
といってきたけど、あたしはそれを断って。
再びガウリイとともに新たな剣を求めて出発することに。
ルナさんとその相手の結婚式。
村がお祝いムード一色に包まれているそんな中。
あたしとガウリイは村を後にする。
「リナの花嫁姿もきれいなんだろうなぁ」
なんかガウリイがそんなことをいっているけど。
― どきっ。
って、何であたしがどきっとするわけ?
「あったりまえでしょ!あたしはこんなに美少女なんですからね!」
まったく、何を当然のことをいっているのやら。こいつは。
「はいはい。」
なぜかガウリイのやつは笑いながらあたしの髪をくしゃりとなでてきて。
「オレも楽しみだなぁ。リナの花嫁姿。」
「ま、結婚式するときにはガウリイも呼んであげるわよ。
…まあ、まだ相手もいないけどさ。だから、ガウリイも呼んでねvあんたの結婚式v」
にっこりと微笑みかけ、…あれ?
何か、あたし、今、ガウリイの横にほかの女性がいるの想像して胸がいたんだ?
…何で?
ま、気のせいだろう。
きっと、今回の品物が期待はずれだったからだろう。うん。
そんなあたしの言葉に。
ずるっ!
「???ガウリイ?何こけてるの?」
何かガウリイのやつ、こけてるし?
…変なやつ?
「リナぁぁぁ…」
何か情けない声だしてるし。
「ほら、当然のこといってないで、今回の剣が【ケン】違いだったんだから!次いくわよ!次!」
「そうだな。オレはリナについてくさ。一生な。」
「あ~。はいはい。つまりは一生の保護者、といいたいわけね。
…あのねぇ?あたしもいつかは結婚するのよ?まさか結婚してまで保護者でいるつもり?」
まったく、こいつときたら。
よく意味のわかんないことをいってくるけど。
ガウリイにとってはあたしは一生、子供なのかなぁ?
…って、だからあたし、どーしてそ~いうことを思うわけ?
…何か、あのサイラーグの一件依頼…あたし、絶対におかしーかも…
と、とりあえず。
「とにかく!光の剣の代わりの魔力剣をとにかく探しにいくわよ!」
「おう!」
そんな会話をしつつ。
あたしとガウリイはその村を後にしてゆく。
これからどんなことがあるのかはわからない。
だけども…きっと、ガウリイと一緒なら、あたしは何があっても大丈夫。
― もう、あんな思いは…ガウリイがさらわれたときのような思いはいやだから…
いつ、魔族にまた襲われるかわかんないこの状況の中。
とにかく、一刻も早く、ガウリイの剣を見つけ出すのが先決である。うん。
そんなことをおもいつつ。
あたしとガウリイの魔力剣を求めるたびは続いてゆく。
後日談ではあるが。
何でも、あの馬鹿息子。
何か男性として生きる気力をなくしたらしく。
そんな折に今までの悪事が露見して、そのまま領主直属の兵士が動き。
つかまった、といううわさを風にと聞いたが。
…そ~いや、ガウリイのやつ、何やったんだろ?
何か、二度と悪さができないように、説得した。とはいってたけど?
…ま、いっか。
これで世の中、少しは住みやすくなるもの、というものである。うん。
ちなみに、余談ではあるが、あの何か異様に魔力が含まれていた、あのもらった【券】は。
実家から召喚した鳩さんに姉ちゃんへの献上品としてもっていってもらったことをのべておく。
-終わりv-
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あとがきもどき:
薫:ちなみに。これ。
ベゼルド、あれにたどり着くよりも前、と解釈してくださいな。
リナとガウリイ。何かスペシャル同様にそーいった事件(笑)に巻き込まれていても絶対におかしくはない。
コンセプトは。魔力券=魔力剣。でしたv
ちなみに。
リナは知りませんけど・・・・。
リナがもらった、この券・・・・・
実は、ダルフィンがペットを助けてもらったお礼に(おーい!笑)人間に発行していた、通行証、だったりしますv
すごいぞ!ガウリイ!その天性の野生の勘で見極めてるぞ!
あと、とことん、自分がガウリイに惹かれている、というのを理解してないリナと。
それとなぁぁぁく、リナに告白してるのに、まったく空振りに終わってる、ガウリイ君、でした(笑)
はるかさん、んなリクになってないようなやつですが。よければうけとってやってくださいな。
それでは。
なぜかこの打ち込みに四日以上もかけてる薫でした(実話
ではではvまたいつかv
2004年2月13日某日
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