~スレイヤー・パニック   ~おまけvv~

「うるさいざますよ。宅のジェフリーちゃんがソレとも何ですの?!」
「いやあの……」
あんな人物が魔王であるはずはない。
それに、あのような器では、まともな魔を憑依させることすら不可能である。
何しろ少し強い風が吹いただけで倒れるようなそんな人間の男…
シェーラは失敗し滅ぼされ。
そしてまた、主である覇王グラウシェラーは覇王で、例の人間タチに手ひどいダメージをうけた。
だがしかし、計画が中止。
という命令がでていない以上。
彼はもくもくとその任務を遂行するのみ。
「だったらとっととよこすざます!」
・・・・・・・・・
「…………はぃ……」
素直にこの場は従わないと、おかしく感じられるかもしれない。
ならば。
別なものを・・・・
旅の商人、という触れ込みで。
強大な力をもつ魔力剣がある、というフレコミ。
大概はこういう情報を聞くと欲の深い人間など、そしてまた。
力を求める人間などが、簡単に寄ってくる。
違ったら違ったときのこと。
あとくされなく消滅させれば、それはそれで、ただの行方不明事件、として片がつく。
……なのに。
いかんせん。
よもや親ばか…といっても過言でない人物から、それを購入したい…という話が舞い込むなどとは。
計算違いにもほどがある。
そのまま逃げようとしたら、いったい全体どうやっているのか。
魔族…しかも、かなりの高位、といっても過言でない。
覇王神官ディー。
その白い髪に銀色の瞳が印象深い。
その彼が…よもや、人間などにいきなり気配も感じさせずに真横を取られるなどとは……
そもそもは。
いきなり、彼が休憩している部屋にとこの人物は出現したのである。
気配も感じさせずに。
そんなことが人間に可能なのか……それは彼にはわからない。
ま、まあ、よしんば。
アレが手にしても…そのまま間違いなく力に耐えられずに消滅するのは明白。
…ならば。
あとくされなくこの母親である人物ごとけしさっても問題はないかもしれない。
そんなことを思いつつ…彼…ディーは。
自らの部下、として作り出しているソレを。
その女性にと手渡してゆく……

…それが、間違いの元、だとは気づかずに……


「おほほほほ。うるさいざますよ!」
『…いや…あの……』
「うるさいざます!とっととジェフリーちゃんの力になるざます!」
『…………は……はぃ……』
一体全体どうやっているのか。
理解不能。
自らを手にしても、その力の浸食に耐えた。
……そしてまた。
そのまま、自分を彼女の息子、という人物に手渡した。
そのままその息子はどうにでもしてもいい。
と命令は受けている。
なので、そのまま彼を消滅させようとしたものの……
彼の本体でもある精神体をいきなりなぜかハンマーでたたき殴られ。
しかも、息子の力になれ。
といっているのである。
彼女は。
そんなことが普通の人間にできるものか……
いや、普通ならば絶対に不可能であるはずである……
そう、噂にきく、赤の竜神騎士ならまだしも……
自分の力がまったくもって通用しない。
だからといって、こんなはっきりいって人間以下、としかいいようのない人物に仕える…
などというのは……
そんなことを彼が思っている最中。
「うるさいざます!!とっととその力を私のジェフリーちゃんのためにお役立てなさい!!」
その一喝とともに……
なぜか、紅き力がその場にて一瞬膨張する。
……その力の波動は…間違いなく…彼らの主である…
赤眼の魔王・シャブラニグドゥのもの……

彼らは知らない……
かつて、恐怖を感じてしまった冥王フィブリゾが…彼女にとある封印を施していた…ということを。
それは、ほんのきっかけで、彼が滅んでしまった今となっては簡単にと解け消える。
…そう、今のように・・・…

魔による精神体への侵食、という特殊な例。
それは…彼女の中で眠っていた力を呼び覚ますのには十分すぎるほど。
いや、すでにその力はほとんど目覚めて、彼女は使いこなしていた、といったほうが正解。
何しろ、彼女はかつて。
一人息子であるジェフリーが生まれたときに。
…その魂の波動から、めぼしをつけた当時の冥王フィブリゾがかかわりを持ち…
その結果。
その精神力…というか、その強靭なまでの子供を思う気持ち…というか。
信じられないような精神力にて、その身の中にと眠る力を自らの力と成してしまった。
その間違いに気づいて…というか、こんな人物が自分たちの主になってはたまらない。
とあわてて当時の彼は封印を施したのである。
・・・・だが、ほぼダメージを受けていた状態の封印は不安定で……
年月とともに、その女性…ジョセフィーヌそのものを人間外の力の持ち主にしてしまい………

さの最後の最後の要であった、魔王としての力そのもの。
それすらをも、その精神力にて自らのうちにと取り込んでしまったこの女性…

ジョセフィーヌ=メイルスター。

だがしかし、魔王の力に目覚めた…というよりは、
彼女はそのまま、やはりジェフリー、という人物の母親で……

彼らはこれより、滅んだほうがいい。
というような屈辱的な経験をしてゆくことになる…などとは。
このとき…まだ、魔の誰もが気づいてはいない……

魔王の力をも使いこなす、自称、良家の奥様……
魔王の力を持つ人物に…基本的には…下級の魔などは…逆らえないがゆえに……

「おほほほほ!ジェフリーちゃん、喜ぶざます!あなたの栄えある親衛隊ができたざますよ!」
『しくしくしく……』
その力をもってして。
力ある魔などを呼び出しては…自らの息子の配下につけてゆくジョセフィーヌの姿が……
ディーの関わりの一件後…
見受けられてゆくことになるのであった……


『グラウ!貴様は何を目覚めさせたんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!?』
精神世界のとある場所にて。
そんな腹心たちの叫びが…しばらく後にとこだましてゆく……


                           -おわりvv-

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あとがきもどき:
薫:はいv意味不明ですね?(まて!
  裏設定として、
  当時、まだジェフリーを生んで間もないジョセフィーヌさんに冥王フィブリゾが接触します。
  その魂の波動からして、欠片が封印されている可能性があるから…というので。
  事実、欠片が封印されてたんですけど…母は強し(笑)←まて!
  その母親の本能…というか、あまりの精神力にその力が覚醒…まではいったものの。
  彼女に取り込まれかけてしまいます。
  それに気づいた冥王フィブリゾが、このままだと、とんでもないことになる。
  と直感的に気づいて彼女に何事もなかったかのようにと封印(記憶操作)をほどこします。
  ・・・が、それ以後。
  無意識に少しづつ、魔王の力を使いこなしていき…で、結果。
  はっきりいって、人間技・・・
  とは思えないような人外な力を発揮するジョセフィーヌが形成されてゆくのです……
  覇王の作戦は、その封印の最後の最後。
  その枷を解いた・・・・・というわけです(笑)
  さて、意味不明な小説にお付き合いくださいましてまことにありがとうございますv(ぺこり
  それでは、意味不明ながらもこれにて失礼をばvv
  2004年12月31日某日

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