まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ。えっと前回書いたやつは一応オリジナルみたいなもの。
で、こっちが原作があるやつです。
前回も募集しましたけど・・・・。
【どなたかプリーズ!これの元ネタ・・分かった人・・・・。
すいません・・・(涙)題名と出版社・・・教えて・・・・(しくしくしく・・・)
・・・たぶん山本まゆり先生の作品だったと思うんだけどなぁ・・・。
ミステリーボーニータ、又はデラックス、その系統のやつで。
かなぁぁり前に読みきり掲載されたやつ・・(涙)
くすん・・。
捜しているのに見つからないぃ・・・。
・・・かっておくべきだった・・しくしくしく・・・。】
でいまだにわかりません……で。
これが本当の原作があるやつの内容パロディvではではいくのですv
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ラナ・フューチャー ~過去と現在と…~
「え?アメリア?それって?」
思わず聞き返す。
「え?リナも知っているでしょう?私の姉さんがテレビ局に勤めているの」
学校の帰り道何げない会話の中でそんな話をしているアメリアとリナ。
「そういえばアメリアさんのお姉さんのグレイシアさん、かなりのやり手ですものね」
そんなことをふと思い出していっているのはシルフィール。
今日も今日とてアメリア、リナ、シルフィール。
この三人での学校からの帰り道。
「というかあたしはあのナーガがどうしてああまで視聴率を稼げるのかが不思議だけど……」
初めて会ったときなどにはこの大道芸人の女性……何?
と思ったものである。
またはサーカスの呼び込み役。
あれでも一応はセイルーン財閥の跡取り娘……であるらしいが。
財閥の今後が心配されるのは別にリナだけの思いではないであろう。
だが、彼女たち、つまりはグレイシアとアメリアの父親の意見により。
家に束縛されることなく好きな道を進めばよい。
という言葉をうけてそれぞれが好きな道を進んでいる。
ちなみにアメリアはといえば芸能関係に進みたいと思っていたりするのだが。
その中でもモデルを希望していたりする。
リナはといえば今はまだ将来の希望というものはこれといってないが。
それでもいろいろと将来については思うところがある。
いろいろとやってみたいと思うのは事実ではあるが。
でもとりあえず今は無事に学校を卒業し、そしてまた。
できれば大学までいって博士号までとりたいなどと。
リナにもいろいろと夢はある。
そんなことをリナが思いつつつぶやくと。
「ま、姉さんだし。姉さんいろいろな分野に精通してるし。
それでね。今度姉さんが企画した番組の収録が近いうちにあるんだけど。
それがこの季節にぴったりというか何と、心霊番組なのよ。
で、リナのお姉さんのルナさんに是非にっていうことらしいんだけど」
そういってリナの方を見ているアメリア。
「姉ちゃんに?」
そんなアメリアの言葉にきょとんとした視線でアメリアをみるリナ。
「ええ。ルナさんフリーのルポライターでもあり、カメラマンでもあるでしょ?
それにルナさんが取った写真いろいろと写りこむらしいですし。
それで是非にルナさんにっていうことなんだけど?どう?リナ?」
「う~ん、でも姉ちゃんあまりそ~いう場所に好き好んではいかないからなぁ。一応話しはしてみるけど」
「あ、それでしたら、わたくしたちもそれに便乗していきませんこと?
ちょうど今夏ですし。撮影現場、見てみたいですし」
そんなリナの言葉にかぶるようにと提案しているシルフィール。
季節は今ちょうど夏。
夏といえば涼を取るために肝試し。というのが何とも定番なところ。
何か面白いことはないかと思っていた矢先。
「あ、確かに、じゃあ、姉さんにいって、車出してもらいましょう。
あとゼルガディスさんとかも呼びませんか?」
「そうですわね」
などとそんな話をしている二人に。
「う~ん、あたし……姉ちゃんに許可もらえるかなぁ……?」
などとつぶやいているリナ。
そういったところにリナがいくのはリナの姉であるルナは今までことごとく望まない。
「でも仕事だったら姉ちゃんも受けるだろうし、それにあたしも一度。
そういう場所、いってみたいというか撮影現場、見てみたいし。頼んでみる」
そういうリナに。
「じゃ、話は決まりですね」
いつものようにうららかな日常。
季節は今夏。
美術部に入っているリナたちはとある絵を出展させるために休みでも学校に出かけていたりする。
そんな会話をしつつ帰路につくリナ達三人。
「その話だったら私のところにも来たわよ」
食事の片付けをしつつ姉にその話を振ると。
姉であるルナからそんな返事が戻ってくる。
「で?姉ちゃんは受けたの?」
「ま、仕事だし」
フリーライターでもあるルナにとって仕事をもらえるというのはよいことである。
別にちゃんとした場所などに就職したらいいのでは。
という意見もちらほらとあったりするが、ルナにはルナの事情がある。
「で、姉ちゃん、物は相談なんだけど」
「だめ!」
うるうるした瞳で姉を見見上げるリナの表情にすかさずだめといっているルナ。
「……まだあたし何もいってない……」
「あんたのことだからそういう場所に行きたいというんでしょうが。絶対だめよ。危ないから」
ぴしゃりと言い放つルナのその言葉に。
「でもアメリアもシルフィールもあと何でかしらないけどガウリイも来るって言ってたし。
あとゼルも来るらしいし。あたしだけいかないというのそんなの嫌だもん!」
そんなリナの台詞に。
はぁ。
思わずため息ひとつ。
「……リナのような子にはああいう場所は危ないのよ……」
かつてのリナならいざ知らず。
今のリナは身を守る手段は……ルナが教えた体術のみ。
「え~、いきたい。それにあたし姉ちゃんが仕事をしているところ。生でみてみたいし」
にっこりとそう微笑まれ。
「……うっ……」
いくら厳しく育てているつもりでもやはりルナはリナには甘いのである。
そんな天使のような微笑をしてくるリナに。
「……わかったわよ。だけど、い~い?リナ?絶対に遠くにいかないこと。
自分勝手な行動はしないこと。私から離れないこと。それらが約束できる?」
やがて話し合いの後にやはり折れたのはルナの方。
「うん、ありがとう!姉ちゃん!じゃ、早速アメリア達に許可でたって話しを通すね!」
ぱぁっと満面の笑みを浮かべて電話にと走る。
「あ、アメリア?あのね。姉ちゃんから……」
奥の部屋からリナが電話をしている声がルナに届くが。
「……好奇心旺盛なのは変わらないのよね……あの子は……」
いくら生まれかわってもやはりリナはリナなのよね。
などと思いつつ思わずくすりと笑う。
「……とにかく、あの子には……何ものにも触れさせないわ……」
それがルナの役目でありそしてまた責任でもある。
一人そうつぶやき片付けを済ませてゆくルナの姿が、インバース家にて見受けられてゆく。
「でもよくリナ、ルナさんが許可してくれたわね」
「うん。でも楽しみ」
「お~ほっほっほっ。い~い?あなたたち?
ついてくるのは勝手だけど。撮影の邪魔はしないでよね?お~ほっほっほっ!」
なぜかほとんど布がないといっても過言でない服を着こなし無意味に胸をそり上げて。
高笑いしている長く黒い髪の女性。
「ナーガさん、こんな子供たちがいたんじゃ撮影の邪魔ですわ」
などといいつつきらびやかな服に身をまとい、
それでいて動物の毛皮をショールとして羽織っている一人の女性。
少し小太りのいかにも成金…に見えるこの女性は。
一応は有名な霊能者として名前が通っているジーナ。
「ジーナ、人がいるからってできないのは。
それは自分が無能だと認めることに他ならないわよ。お~ほっほっほっ!」
そんなジーナにびゃりと言い放つナーガに思わず沈黙する。
「とにかく、今回の撮影は有名な幽霊スポットの検証です」
などといいつつ資料を片手にいっている銀色の髪をしている女性。
「それはともかく、何でガウリイやゼロスまで一緒に来てるのよ?」
そこにいる二人に思わず突っ込みを入れているリナ。
別に彼らは誘ってはいないにもかかわらずに。
リナがいくから……という理由でついてきた二人である。
「リナを危ない目にあわせられるか。リナはオレが守る」
などとどう考えてもどう捕らえてもリナが好きだ。
とわかるような台詞を言っているガウリイに。
「ふ~ん、暇人なのね」
それで済ませているリナ。
「いやぁ、リナさんといたら退屈しませんし」
などとほざいているゼロス。
「ほぉぅ、ゼロス、後できっちりと話し合いましょうねぇ?」
にこやかにそういっているゼロスに目を据わらせていっているリナ。
そんな会話をしているとやがて。
きききききききっ!
一瞬車が急ブレーキを踏み走行が止まる。
「どうかしたの?」
リナが運転席に話しかけると。
「いや、狸が飛び出してきまして」
すでに目的地に近づいていたというかたどり着いていたので、
スピードが遅く、とまりかけていたのが幸いしたのか。
全員が車から降りて確認するが、
狸は少しばかり怪我をしているのと気絶している程度で命には別状はないらしい。
「よかった。ねえ?この子、つれてっちゃだめ?」
一応ここは道路である。
このままほうっておいたらほかの車の餌食になりかねない。
そんなリナの言葉に。
「リナさんって本当にお優しいですわ」
だからガウリイ様もリナさんのことが好きなんでしょうけど。
わたくしもリナさん好きですし。
などと思いつついっているシルフィール。
「好きになさい。さ、それより、みんな、仕事、仕事」
アメリアの姉であるグレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン。
そのナーガの言葉にわらわらと機材をおろしてゆく撮影スタッフの数々。
やがて一行は森の中にと進んでゆく。
「そういえばルナさん、ルナさんが撮った写真には何かいろいろと写りこむ。と聞いたのですけど?」
歩きつつ後ろを歩いているルナに質問しているのは銀色の髪の女性、ミリーナという一人のスタッフ。
「でも私の場合は写真を通してですから」
そういうルナのその言葉に。
「ふん。それは力がないと認めているようなものよね」
などといっている自称霊能者であるジーナ。
「……さっきからあの人何なんですか?」
そういうルナに。
「ああ、霊能者のジーナさん。今回検証や除霊をしてもらうことになってるんですよ」
そういって説明してくるスタッフの一人のその言葉に。
「ふ~ん、霊能者……ね」
あんなに生臭いにおいを撒き散らせておいて、
しかもその身にいろいろと恨みの思念をまとわせてそれで霊能者とは笑わせるわよね。
などとそんなことを思うが。
「ちょっと、ルナさんきちんと仕事はしてよね。このあたりの写真を撮るとか」
そんなルナに話しかけてくるナーガのその言葉に。
「じゃ、ナーガさんその石碑のところにでも立ってください。撮りますから」
「あら、趣味いいわね。この私を被写体にするなんて。お~ほっほっほっ!」
などと言いつつ高笑い。
ルナにいわれたままにそこにある石碑に横に立つナーガ。
パシャリ。
ルナのシャッターが切れる音が鳴り響く。
「とりあえずこのあたりがジーナさんによれば霊気が強いそうなので。
このあたりに機材を組みます。あまり各自遠くにはいかないように」
しばらく進むとやがて森の開けた場所にでる一行。
「リナ、探検しない?」
「あ、それ面白そう!」
「そうですわね」
などとリナ達三人、アメリア、リナ、シルフィールの会話がまとまる。
これからここで撮影が行われるので別にリナ達には用事はない。
それより周りを見て回ったほうが面白そうだというもの。
アメリアのその言葉に。
「あ、じゃああたし、姉ちゃんに許可とってくる。」
そういいぱたぱたとルナの方にと走ってゆくリナ。
「……え?探検?」
「うん。……だめ?」
瞳を潤ませていってくるリナに思わずかるくため息をつき。
「いってもいいけど私の気が届く範囲で行動すること。」
そういいつつリナにふわりと自分が羽織っていた上着をかける。
「?姉ちゃんの気が届く……って?」
意味がわからずに首をかしげるリナに。
「半径五百メートル以内」
そういいつつ軽くリナのおでこをたたくルナ。
「は~い。じゃ、いってきます!」
「危ない場所には近づかないのよ!リナ!」
「は~い!」
そんな会話をしつつリナ達子供たちはこのあたりを探検するべく別行動をしてゆくことに。
「……やれやれ、相変わらずというか過保護ですね。ね?スィーフィードさん?」
周りに人がいないのを見て取りルナにそんなことを言っているのはゼロス。
「それはあなたには言われたくないわね。いっておきますけど。
リナに何かしたら……問答無用で滅ぼすわよ?獣神官?」
その言葉に顔をひきつらせ。
「それは困りますね。僕は僕のお仕事をこなしているだけですし。
でもそんなことをしたら困るのはあなたのほうではないですか?
今は昔とは違いますしねぇ。警察などといったものもありますし」
にこやかに冷や汗かきつついってくるゼロスに。
「関係ないわよ。そんなもの、情報操作程度どうとでもなるし。……で?
あんたたち魔族はまたリナを利用しようとしているんだったら……私は容赦しないわよ?」
そういっているゼロスをにらんでいるルナ。
その目は完全に笑っていずに据わっていたりする。
「あ…あはは。この時代に以前のようにリナさんを利用…というのは難しいですよ。
ま、僕は僕のうけた命令をこなすだけです。それでは、失礼しますね」
そういいつつリナ達が向かっていった方向にと走ってゆくゼロス。
「……あいつは昔からリナにちょっかいかけてくるから……侮れないのよね」
まあ、それほど生死にかかわるようなちょっかいをかけてくるようなら問答無用で滅ぼせばいいか。
そう思いスタッフと共に撮影の準備にと追われてゆくルナ。
ぴしゃん。
水面に何かが落ちる音。
ふわりと風がなびき、ルナが頭にかぶっていた帽子が飛ぶ。
ふわふわとそれは近くにある沼にと落ちてゆくが。
「あっ」
そういいつつ帽子を取りに沼のふちに立つ。
ざわりと周りの空気が一瞬よどむが。
ぱしり。
その瞬間周りに見えない稲妻が走ってゆく。
「まったく、こんな小ざかしい手で引きずり込もうとするわけね。
でも相手がわるかったわね。―― 消えなさい」
ルナのその言葉とともに。
信じられないことに沼から立ち上っていた不可思議な黒い靄が一瞬のうちにと消滅してゆく。
やがて周りの探検が終わり撮影現場に戻ってきているリナ達。
「このあたりには霊気が……」
そういいつつ回りを霊視してゆくジーナ。
だがどうしてもそこにいる子供たちが気になって仕方がない。
「どうしてあんな子供たちをつれてきたの?集中できないじゃないのよ」
そう文句をいっているジーナに。
「その程度で集中できないということはあなた、さては語りだわね」
などといっているナーガ。
ある意味正解。
「あ、少し寒くなってきたわね。……あ、たぬ太震えてる」
季節は夏だというのになぜか肌寒い。
そこに横たわっている先ほど車にぶつかった狸が震えているのをみて。
そんなことをいっているリナ。
「リナ?何?そのたぬ太っていうのは?」
そんなリナの言葉に首をかしげているアメリアに。
「タヌキだからタヌ太」
そう答えているリナ。
この辺りの純粋さというか何というか、やはり記憶がないせいなのか。
はたまた本来もっているものなのかアメリア達にはわからない。
「あ、そだ。これかけてあげる」
そういいつつルナがリナにと羽織わせている上着をそっと横たわるタヌキにとかけるリナ。
「これで少しは寒くないでしょ?」
そういいつつタヌキにそれをかけているリナではあるが。
……ほう、これはまた。
こういう場所だからこそリナがもつ精気がよくわかる。
何ものも混じることなく純粋なる輝きに満ちた魂とその精気。
確かにリナさんにはこういう場所は今のリナさんには少し危険かもしれませんけどねぇ。
などとリナの周りから立ち上っているリナが放つ精気の光をみて。
そんなことを思っているゼロス。
それと同時に。
そのリナの姿を目の当たりにして。
「……どうしてあんな子をつれてきたの?」
胸がざわついて仕方がない。
集中ができない。
そんなことを再びつぶやいているジーナ。
ジーナの中で何かがあれがほしいと叫んでいる。
― あの人間を……
「……え?……きゃぁ!?」
何か声が聞こえて思わずふりむく。
周りには今はスタッフの誰もいない。
今まで自分が信じていたもの……自分を守ってくれていると思い込んでいたもの。
それが……ジーナの目の前で……今や完全に正体を現し。
そして次の瞬間には。
― 我の器となるがいい。
そのままジーナの意識はその闇にと飲み込まれてゆく。
ざぁぁ。
いきなり風が吹き抜ける。
「あ、私の帽子が」
シルフィールがかぶっていた帽子がその風にと飛ばされる。
「あ、私が取ってきてあげる」
それに気づきあわてて走り出すリナ。
「あ、リナ、オレもいく」
そんなリナを追いかけてゆくガウリイ。
まるでリナを誘い込むかのようにふわり、ふわりと。
帽子は……沼の方にと飛んでゆく。
「……これは!?……あら?リナは?」
周りの空気が変わったのには確かにきづいた。
ふと不安を感じアメリア達の方にとゆくと。
そこにいるはずのリナがいない。
「あ、リナさんなら私の帽子を取りに……」
その言葉に顔を青ざめるルナとそしてゼロス。
同時に。
『何ですって!?』
ああいう下級のものがよくとる手段。
……僕のお仕事を邪魔するものはどこの誰です?(怒)
……わたしのかわいいリナに何かしたら…ふふ(怒)
互いに互いとも思っていることはまったく逆方向ではあるが。
リナを心配しているのには代わりがない。
「あん、まってよ」
ふわふわと帽子は飛んでゆく。
やがて沼の中にそれは落ちる。
「あ、これで取れる」
そういいつつ沼に近づこうとするリナに。
「リナ、危ないから下がってろ。オレがとる」
そういいつつ沼にと近づいてゆくガウリイ。
「ガウリイ、滑りやすいから気をつけてね?」
そうリナが言いかけるとそれと同時に。
再び風が吹いてゆく。
「……あっ」
日射病などにならないようにとルナがかぶせていたリナの帽子も風にと飛び。
ガウリイと少し離れた場所にとそれは落ちてゆく。
「……もう、汚したら姉ちゃんに怒られるじゃないのよ!」
そういいつつガウリイから離れ、帽子を取りにそこに歩いてゆくリナ。
「よいしょ。リナ、取れたぞ?」
沼から帽子を引き上げ後ろにいるはずのリナに声をかけるが。
そこにはリナの姿はなく。
「あ、本当、ガウリイ?こっちも、もう少し……って……
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「リナ!!!!!!」
リナの悲鳴とガウリイの叫びが森にと響き渡ってゆく。
「何があったんですか……って、リナさん!?」
「リナ!?」
思わず叫び声にそこにいた全員が悲鳴が起こった場所。
つまりリナ達の方にとかけてくるが。
そこで彼らがみたのは。
その場にたたずむジーナと……そしてその背後にある黒い何か。
ジーナにつかまるように闇に飲み込まれかけているリナと。
「リナを放せ!」
といいつつ盛んにリナを取り替えそうと必死になっているガウリイの姿。
そのあまりの必死差にその内にある力を刃となし。
光の剣をもちそれに立ち向かっていっているガウリイではあるが。
「な゛!?何なのよ!?あんたは!?」
ジーナの後ろにいる黒い影にそんなことをいっているナーガ。
それをみて思わず息を呑んでいるほかの人々。
リナをその手にもったまま。
『われはこの地に住まう竜王なり、われの聖域を侵すもの。この少女の命であがなうがいい』
ジーナからくぐもった声が響きだす。
「くっ!リナを放せ!」
そんな闇の人影に向かってゆくガウリイと。
「おやおや……下級の雑魚ごときが僕のお仕事の邪魔ですか……」
などといいつつすっといつも閉じているその目を見開いているゼロス。
ガウリイの一撃とそして闇に紛れ、その闇の人影の後ろから巨大な錐がその体を貫いてゆく。
『な゛!?』
空間から攻撃を仕掛けてくるなど、そんなことができるのは……
思わずおどろきつつ目の前にいるおかっぱ頭の人間をみているそれ。
その衝撃で手の中のリナが地面に落ちてゆくが。
「くっ!リナ!」
そんなリナをすばやく走りより抱きかかえているガウリイ。
そうはさせまいとしてそれが攻撃を仕掛けてくるがその攻撃がガウリイの足を貫通する。
「ぐっ!」
足を光の閃光で貫かれてもリナを放さないガウリイに。
「ガウリイさん、リナは?!」
そんなガウリイの横にかけよっているルナ。
「大丈夫です。気絶しているだけですから」
腕の中が怪我ひとつしていないことに安堵の表情をしているガウリイに。
「……まったく、下等な生き物ごときが……」
リナが無事なのに安心するものの。
ルナの瞳に怒りが宿る。
「とにかく、ガウリイさん、リナを安全な場所に」
ガウリイにリナを任せてその闇の人影にと向かうルナ。
「まったく、どうやらあなたは下等な魂の集合体のようですねぇ」
人や動物、様々の負の塊から誕生したそれは。
魔にあって魔にあらず。
そこにいるそれを見つめてすくっとたっているゼロス。
一方ではそこにいるほかの人間たちはその空気……
何ともいえない空気に押され、自由に動けないでいたりする。
「……竜王ですって?聖域ですって?リナを取り込みたがっているのは明白なのよ」
すくっとたっているルナに向かい黒い闇が伸びてゆく。
その闇がルナを絡めとろうとしたその刹那。
ぱしっ。
その闇は瞬くまにと霧散されてゆく。
『……な゛!?』
人にそんなことができるはずはない。
それに驚き目を見開くそれ。
そんなそれを見つめてゆっくりと一度目を閉じ、ゆっくりと瞳をあける。
深紅なまでに、燃え上がる紅い…瞳。
「……我の眷属の名を語りしものよ。
今ここに、我スィーフィードの名において、汝に永遠の消滅を与えん」
ルナの瞳が紅く怒りで染まってゆく。
「まったく、魔族でもない単なる魂の集合体がこの僕のお仕事の邪魔するなど。
いい度胸ですよねぇ?究極の苦しみを与えて差し上げますから。
その後はスィーフィードさんに消滅させられてくださいね♡」
にこやかにそういいつつ虚空から錫杖を取り出しているゼロス。
『な゛……汝ら……は…まさ…か!?』
ルナから感じられるのは……神気。
そしてゼロスから感じられるのは……瘴気。
すでにもう伝説や御伽噺の中でしか出てこないとされている、神と魔。
だが、それが伝説ではなく現実にあるのだと魂の集合体であるそれは、理解している。
『……な゛!?なぜ神族と魔族が共にここにいる!?』
悲鳴に近い声がそれから響きもれる。
「汝が害を及ぼそうとしたあのものは現世でただ一人、我の加護を受けるもの。
我の養い子を危険な目にあわせた罪、そのすべてをもって償うがいい」
いつものルナの口調ではなくどこかよく通る・・それでいて神々しいまでの声が響く。
「僕のお仕事の邪魔はさせませんよ?
とりあえず僕は今度こそリナさんを魔族に勧誘できたらするように。
という命令うけてますからね。魂の集合体風情が僕の邪魔をしてもらっては困ります」
にこにことその紫の目を見開き……周りに瘴気を撒き散らせているゼロス。
人にしてはすばらしく極上の生気の持ち主。
だから手にいれたかったその生気を取り込むことで力が向上するがゆえに。
だが……
『ひ…ひぃぃぃぃ!お・・おゆるしを!赤の竜神…さ……』
ただの魂の集合体であるそれが、この地の……いやこの世界の神に勝てるはずもない。
ルナから伸びた暁の光に切り刻まれるようにそれは瞬く間に消滅してゆく。
後には。
『ひ……ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
最後のそれの断末魔がしばらく風にと掻き消えてゆく。
「……ル……ルナさん?ゼロスさん?いったい……?」
ナーガなどは気絶していて今の一部始終は見ていない。
地面に倒れつつ、それでもどうにか意識を取り戻していたシルフィールが、
目の前の光景をみて思わず呆然とつぶやく。
「おや、シルフィールさん気づかれてたんですか。困りましたねぇ」
などといいつつぽりぽりと頬をかいているゼロスに。
リナをかばうようにして今のゼロスとルナの攻撃の余波からリナを守っているガウリイをみつつ。
気絶している二人……どうやらガウリイは
リナを守りつつそれでもしっかりと自分の体を盾にしてリナを守っているが。
そんな二人にと近づいてゆき。
「昔、この地の光を収めている赤の竜神はあるとき人間の赤ん坊を託されたのよ。
本来ならばすぐにその子は人間の手にゆだねられるべきところを。
ついつい情が移ってその子は十の年まで竜神の元で育てられたの。
でも竜神の……神の気を吸って成長したその子は、
あまりに無垢でいろいろなものをひきつけやすく。
また人を疑うことを知らない子にと成長してしまった。
このままでは人の世界に戻しても不都合がある。
だから竜神はその子を人の世界に戻すべくリハビリを行うことを決意したの」
気絶しているリナを抱きかかえつつ呆然と立ち上がりかけているシルフィールに。
そんなことを説明しているルナ。
「……それって……じゃあ……ルナさん……あなたは……」
もう一人そんなシルフィールの横で先に気づいたミリーナがそんなことをつぶやいていたりするが。
「とりあえず私はこの子を人の世界に戻すべくリハビリやってるからね」
そういってリナを抱きかかえるルナに。
「……ルナさん……あなたは……まさか……」
そういいかけるシルフィールに。
「そんなことを話しても…いいんですか?」
戸惑いの声を発しているミリーナ。
そんな二人に微笑みかけ。
「いいのよ。二人とも、今のことは記憶に残らないから」
そういいつつ手をかざす。
そのとたん、激しい睡魔にと襲われる二人。
やがて、どさりと二人が倒れ。
「う~ん、さすがですね。スィーフィードさん。
というかガウリイさん。……根性で自分の精神力を刃となすとは……
……転生してても恐ろしいですよねぇ」
半ば感嘆したような声を上げているゼロスに。
「いっときますけど。ゼロス?獣神官だからといって。
あなたもリナに危害を加えるようだと容赦なく滅ぼしますからね」
のほほんといっているゼロスに釘をさしているルナ。
「わかってますよ。だからこうしてリナさんが朴達の仲間に自分からなりたい。
というのをきながぁぁぁぁに待ってるじゃないですか。」
そんなルナの言葉ににこやかに返事を返しているゼロス。
「……そんなことは絶対にありえないわよ。とりあえず全員を車の中にと移動させましょう」
そうルナがつぶやくと同時に……
その場に倒れていたスタッフや、そしてシルフィールやアメリアたちの姿は。
瞬くまにと光に飲み込まれてゆく。
次に彼らが目覚めたのは……車の中。
今まで長い夢を見ていたような感覚で何が起こったのかひとつも覚えていないスタッフたち。
「・・・まったく、肝心の霊能者が使い物にならなくなるなんて」
結局霊能者ジーナがまったく力を使えなくなっているのに真っ先に気づいたナーガが。
得意のその自称人望で周りに浮遊霊などを呼び出して番組的には事なきを得たのはまた別の話。
数日後。
リリリィィィン!
けたたましく電話の音が鳴り響く。
「はい。インバースです」
かちゃりと電話を取ると受話器の向こうから。
「ちょっと!ルナさん、あれ何なのよ!あの写真は!あの霊の数はいったい何!?」
電話の向こうから叫んでいるナーガの声が。
「あら、ですから私が撮ったら霊が写りこむのはそちらもそれを知っていての依頼でしょう?」
しれっとそういうルナに。
「ものには限度というものがあるのよ!仕方がないからきちんとお払いにいったわよ。
それにあの写真、この私がまったく写ってないじゃないのよ!」
どうやらそれが問題らしいが。
ナーガに石碑の横に立ってもらい撮った写真。
だが……その写真に写っていたのはすべて幽霊。
ナーガの姿など微塵も少しばかりその胸のドクロが見えている程度。
「まあそうでしょうね。というかナーガさんは自分でもできるんじゃ?」
そういうルナに。
「とりあえず私についてきていた霊たちは父さんが説得したわよ」
「・・・・・・」
思わず幽霊を捕まえて説得というか説教しているナーガの父親を連想して。
黙りこんでいるルナであるが。
「とにかく、霊が写りこむときは今度からきちんとそういってよね。じゃあね!」
いいたいだけいって電話は切れる。
そんな電話のやり取りをしている最中。
「こら!タヌ太!きちんと拭かないと風邪ひくでしようが!」
などといいつつタヌキを風呂に入れて格闘しているリナの声がインバース家にと響いてゆく。
今日も今日とてインバース家は平和である……
余談ではあるが。
ナーガ同様にルナに写真を撮ってもらっていたミリーナという番組スタッフは。
お払いにいった先の神社の息子に一目惚れされ。
それから毎日のようにうっとうしいまでに付きまとわれるようになったことを述べておく。
-終わりv-
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あとがきもどき:
薫:・・・・確か原作では徹とそして唯だったと思います・・・名前・・・。
大筋はそのまま。でもスレのパロにしてるから。
だいぶストーリーが変わったかな?
ではでは。
意味のない駄文をお届けしました(ぺこり)
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