ツインクル・メビウス
「……何かひどくいやな夢みた……(汗)」
起き上がりかるく目眩がするほどに、何か悪い予感がする。
こういった予感は……彼女、リナは昔からよく当たる。
「リナ!いつまで寝てるの!?」
「ひゃい!おきてる!おきてるから!姉ちゃぁぁぁぁん!(汗)」
一階から、間違えのない声がリナの耳に届き。
あわてて、布団から飛び出るリナ。
何か果てしなくいやな予感はするものの。
とりあえず服を着替えて一階に降りる。
「あら?リナ?駄目じゃない?のんびりとしてちゃ♡」
のほほーんと言って来る金髪の髪の言葉に。
「……母さん……そういっても……まだ五時……(汗)」
姉に呼ばれてあわてて飛び起きて。
急いで降りたものの……時計を見ればまだ五時を指していたりする。
「なんだ?リナは父ちゃんのみおくりしてくれないのか?」
そんなリナにいっている黒い髪の男性……リナの父。
「あなた?タバコはやめなさいね♡」
そんな父にいっているリナの母。
「……見送りって……あ、そっか、仕入れがんばってねv」
それでけいってふわぁとあくびをしつつ。
もう一度……寝なおそう。
そうおもって階段を上りかけているリナに。
「それだけか!?」
愛娘のそっけない態度に少し涙が浮かんでいたりする。
「あ、父さん、ついでにこれとこれとこれを買って来てね♡」
「ルナ!俺は遊びにいくんじゃない!」
「あなた?私はこれが欲しいですわ♡」
「……うう……母さんまでぇ……わかった……」
かろやかにそういわれ。
見送り・・・というのか。
とりあえずいってらっしゃいの言葉だけで。
またまた各自寝室にもどってゆく家族をみつつ。
「……うう……この家での俺の立場って……」
などとぼやきつつ、ルナと妻であるセシルから手渡されたお土産リストをみつつ。
ぶつぶつ愚痴をいいつつ、朝早くに家を出てゆくインバース氏。
この家では……なぜか女性の方が強いのである。
ふぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
「リナ、すごいあくびね。寝不足?」
そういいつつ、横を歩いている同級生でもあるアメリアがそんなリナに聞いてくる。
「んにゃ。朝今日、父ちゃんが仕入れに出かけるから早起きしただけ」
そういいつつ、再び盛大にあくびをしているリナをみつつ。
「そういえば、今日、父さんが転校生がくるとかいってましたよ?」
「へえ?この時期に?」
かなり珍しいことではある。
こんな時期ハズレに……
そう思いつつ、でもあたしには関係ないかv
それで済ませ。
「とりあえず……教室に入ったら……あたし…寝る……」
とにかく。
もう少し授業が始まるまで仮眠を取ろう。
そんなことを思っているリナ。
……う~ん、その転校生……ガウリイさんなんですけど……
ま、いっか。
それですませて、とりあえずそのまま。
あくびをしているリナと共に。
セイルーン学園にと向かってゆくリナとアメリア。
……ぐう。
完全に教室に入るなり、机に突っ伏して寝ているリナ。
こんなリナを起こすような騒動を起こせば。
……どうなるのかクラスメートたちは十分にすでに承知している。
触らぬ神にたたりなし。
そのまま、起こさないように話をするのですら、静かに会話しているクラスメートたち。
やがて。
がらりと扉が開く。
太陽の光に煌く金色の髪。
そして……碧い瞳。
先日、この学園に仕事にきたことがある、世間的にもかなり有名なその人物。
そして。
そのまま、すたすたとリナが寝ている机の横にいき。
「リィィィナv」
そっと寝ているリナの側につかつかとよって耳元でささやいているその人物。
「うどわっ!!?って、いきなり耳元で誰がささやくのよぉぉ!?」
どごがぁん!
起された怒りで、そのまま、魔力の球を投げているリナ。
大概リナは寝ているところを起されると。
問答無用でこうして魔力球を人にぶつけるのである。
それをクラスメートたちは知っているからこそ。
リナが寝ているときには手をださない。
れはもう暗黙の了解となっている。
「おっと、あぶないなぁvリナは♡」
そういいつつ、くすくすと笑い、リナの髪をつかみ。
かるくキスをしているその少年。
「……って!?あああああ!ガウリイ!?何であんたがこんなところに!?ここは部外者禁止よ!?」
そういって、そこになぜか知り合いとなってしまった晄明会主催者。
ガウリイ=ガブリエフの姿をみとめ。
思わず絶叫を上げているリナ。
「え?何いってるんだよv今日からオレもれっきとした関係者だぞ?」
そういいつつ、にこにこと笑っているガウリイに。
「……へ?」
思わず目を見開くリナに。
がらり。
そな会話をしていると扉が開く。
「……あら?ガウリイさん?もう教室に入ってましたの?」
そういいつつ、にこやかに笑いつつ、入ってくる一人の女性。
リナ達のクラス担任でもあるフィリア=ウル=コプト。
「って!?フィリア!?」
ごがん!
「リナさん、フィリア先生でしょう?」
にこやかにそういいつつ、そこにある机を投げないで欲しいものであるが。
こんなことはすでに日常茶飯事で。
それを魔力であっさりと壊し。
「ちょっと!?何でこいつがここにいるんですか!?」
そういいつつ、
なぜかリナの後ろから抱き付いているガウリイを指差していっているリナ。
「ガウリイさん?いちゃつくのはいいですけど。これから授業です。」
そんなガウリイをみて、それですませているフィリア。
「さて、皆さん。今日からそこのガウリイさんがクラスメートになりますから」
『は~い』
やっぱしか。
リナ以外の全員の思いが一致していたりするが。
それは前回ガウリイがこの学園に来たときに全員が思っていたこと。
「……って、ちょいまてぃぃぃい!?何であんたがこの学園にくるのよぉ!?
確かあんたはすでに大学院まで出てるんでしょうがぁ!!?」
リナの絶叫が平和な教室にと響き渡ってゆく。
き……今日の夢見の悪さは……このことかぁぁぁぁ!
一人、絶叫を上げるリナであった……
「リィィナv」
前回、この学園に来たときに。
リナは熱で倒れたので知らないが。
リナにちょっかいかけるやつは……殺す!
とガウリイが学園の全て・・特に男性には。
釘を実力をもってして刺しているがために。
ガウリイの邪魔……
もとい、リナに言い寄ろうとする根性のあるやつは、もう今ではこの学園の中にはいない。
「だぁぁぁあ!くっつくなぁ!だきつくなぁぁ!ってまてぃ!何人のお弁当取ってるのよぉぉ!?」
あたしの厚焼き玉子ぉぉ!
昼休み。
外で食事をしていたリナのもとに。
やってきたガウリイが後ろから抱き付いて。
ひょいとリナのお弁当の中身を取っていたりする。
「う~んvやっぱ、これリナの手作りなんだなvオーラがでてるし♡」
リナの家では自分のことは自分で。
という家訓があるので、弁当などもリナ自身が作っているのである。
「……って!人のおかずとってそれかい!あんたのもよこせぃぃ!」
そういいつつ、ガウリイが手にもっているお弁当を奪って口に入れているリナ。
「……うっ!?これ、おいしーvガウリイvねvこれ、あんたがつくったの?!」
結構リナ好みの味付けである。
……というかガウリイがリナの好みを覚えてて。
ずっと昔からこの味付けにしている……という事実があるのだが。
「ん?まあな?ずっと一人暮らしだし」
そんなガウリイのその言葉に。
「う~ん、あんた顔が綺麗なだけじゃないのね。いいお嫁さんになれるわよv」
そんなことをいいつつ。
からっ。
話をしつつ、あっさりとガウリイのお弁当を平らげているリナ。
「……あああ!リナ、オレの弁当!全て食べてるし!」
「ご馳走様ということで♡」
「じゃ、オレはリナの弁当を!」
「ああ!こら!まちなさい!」
やがて。
お弁当を奪い合う二人の姿が学園の裏庭にて見受けられ。
しばらくの格闘のうちに。
「……ん~、じゃ、こうしようぜ?二人とも二つお弁当を作ってきて、で、一つを取替えっこ。
これなら互いにくいっぱぐれる心配ないし?」
リナが結構ガウリイが作った食事が自分好みだったことがあり。
毎日よこしなさい!とガウリイにくってかかったこともあり。
そんなことを提案しているガウリイ。
「よ~し!それのったぁ!」
そんなガウリイの提案に乗っているリナ。
「……リナ、それ……完全に相手のために弁当つくる…って……いってるようなもの……」
リナがガウリイにはめられたのに、気付いているのは。
そこにいるリナ以外、
つまりアメリアはガウリイがわざとそうするように仕向けたということに気付いて、
つぶやいている姿が裏庭にて見受けられたその直後。
コローン、カラーン……
休み時間を終える鐘が・・鳴り響いてゆくのであった……
「んっふふふふ!みてなさいよぉ!ガウリイ!目にものギャフンといわせてやるんだから!」
次の日。
朝早くから置きだして。
ガウリイにわたす弁当を少しでもおいしいといわせるために。
奮闘するリナの姿がインバース家にて見受けられ。
「よっしvとりあえずリナもああいえばオレのために毎日弁当作ってくれるとおもったけどvやっぱりな♡」
にこにこと、リナの好物ばかりを作って弁当に詰めているガウリイ。
昨日、リナとガウリイの言い争いの中で。
「リナ、おいしいっていうけど、オレのとお前の別に食べ比べたわけでもないし?
もしかしたらオレの方が上手かもしれないぞ?」
にこやかにそういいきるガウリイのその言葉に。
「なぁぁんですってぇぇ!?あたしはこれでも料理は上手なんですからね!」
「ほんとうかぁ?」
「当然よ!いいわ!それを証明してあげるわ!」
などといった言い争いの中から……ガウリイがうまく話しを誘導した結果。
「う~ん、今日からリナの手作り弁当が食べられるんだなvオレ♡」
こちらもまた朝早くから、リナのために弁当を作っているガウリイの姿が。
各家にてそれから毎日のように見受けられてゆくのであった。
「……どうみてもあれって…恋人同士がやる……」
「……いうな、死にたいのか!?」
リナとガウリイが弁当の取替えっこをしている様子をみて。
そんな会話をしている生徒たちがいることを。
当然……リナは気付いてはいない。
リナ=インバース。
まんまとガウリイの作戦にはまって、
毎日のようにガウリイに手作り弁当を作るハメになっているとは。
……当のその本人が……その事実にすら気付いていなく。
ただ、ガウリイをギャフンといわせるためだけに……
力を注いで毎日のように、弁当を作ってゆくのであった……
リナがそれがはめられたと気付くのは……
……十数年後、二人が結婚してからの出来事となる……
-終りv-
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あとがきもどき:
薫:・・・ええと、とりあえず。
あのイベント(つまりは夏休みの)がある前に。
ガウリイがリナと同じ学校にいるのよvというのがいいたかったのとv
それと、リナが毎日ガウリイのために弁当をつくっている(笑)
というのをいいたかっただけです(笑)
・・・でも、リナ、ガウリイのために・・という事実にすら気づいてなく。
ただ、ガウリイを見返してやりたい!という思いです・・はい(爆!)
ガウリイは前世を覚えてるのでリナの性格を熟知してるので、
わざとリナに喧嘩みたいなことをふっかけました(笑)
・・・・さて、Mさんにマリー姫は誰がいいというすばらしい意見を頂いたしv
それにするとしよう(実はマリー姫がなかなか決まらなかった人)キラキラ~♪
ではでは。
あ、ちやさん、ごみ箱にでも何でもいっちゃってくださいねv
というわけでまたまたとある人にこれ、押し付けますv(決定事項)
それではvまたv
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