まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
ようやく、本編。二巻分。すなわち、これの二部分のエビローグv
ってネット上で見直してたら直したはずなのにまた脱字発見……
明日また丁寧に一部から見直して編集しなおしです…あう……
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If ~もしも…~新たな旅路~
「しっかし…何だかな~……」
思わずぼやいてしまうのは仕方がないとおもう。
絶対に。
「そもそも。わざわざこうして山道、しかもかなりの裏道ともいえる道をいかなくても……」
そんな私にルルが何やらいってくるけど。
「ですけど。ルルさん?路銀は必要ですわよ?」
のほほんと、そんなことをいっているララ。
「悪人がいるのであれば、制裁を加えるのが正義というものですっ!」
一方で、ウィルはそんなことをいっていたりするけども。
アトラス・シティを後にした私達四人。
とりあえず、目指すサイラーグにいくのにとりあえず。
表の通りではなくて、滅多に人通りがない裏道もといえる山道を選んですすんでいるこの状況。
理由は簡単。
こういった場所はよくよく盗賊などが根城にしている場合がおおく、
四人に増えてしまった路銀を稼ぐ目的もあるのだが。
そんな会話をしつつも進んでいたそんな矢先。
「はなしてくださいっ!」
「へっへっへっ。おいつめたぜ」
「おね~ちゃあんっ!」
何やら少し離れた場所からそんな声が耳にと届いてくる。
「これはっ!」
その声をききつけて、そちらのほうにと走り始めているウィルに。
「…どうやら。リナンさん達の指摘どおり…追いはぎか何かがでているようですわね……」
いって額に手をあててため息とともにいっているルル。
ここで、多分襲われているとおもわれる人たちを助けて、礼金ゲット!
ついでに襲っている男達からもこらしめ…もとい、二度と悪さができないようにとする目的で、
身包みはげば一石二鳥。
「いくぞっ!ララっ!ルルッ!」
「はいっ!」
「…やっぱり、いくんですのね……」
とりあえず、すばやく頭の中でそんなことを思いめぐらせながらも、
ウィルに続いて私達もまた、声がしたほうにとむけて走ってゆく。
「へへへ。もう逃げ場はねえよ。大人しく……」
「いうことをきかないと、弟がどうなってもしらねえぞ?」
視界の先にとみえるのは、何やら数名の男達が私達とそうは年齢がかわらないか、
それよりももう少し下くらいの女の子と、そしてまた。
十代に突入したかそこそこといった男の子に短剣などをつきつけて何やらいっているごろつきたち。
おや?
その中の数名が何やらどうも人ではなさそうだが。
中には、狼人間もいるみたいである。
何はともあれ。
ここは、いっぱつ先手必勝。
呪文をぶっばなして……
そう判断し、私が呪文を唱え始めるのよりも早く。
「おまちなさいっ!このような昼間からかよわき女子供を襲う無体のやからっ!
悪がこの世にはびこることはありませんっ!おとなしく正義の裁きをうけなさいっ!」
何やら頭上から…ウィルの声がきこえてくる。
………あ゛~……
ふと見上げれば、どうやらウィルは近くの木のてっぺんに呪文で浮んで移動しているようだ。
……えっとぉ。
何となく今後の展開が予想され。
思わずかるくため息をつく。
どうやら、それはルルも同じであったらしく、それを目にして盛大にため息ついているけど。
「何だ!?」
「どこから!?」
「あ、あそこっ!」
こちらもまた、まったく想像通り。
というか、もう少しひねりがあってもいいリアクションでもいいのではないか?
とおもえるほどに狼狽している男達の姿が目にはいるが。
そして。
「とうっ!」
掛け声ひとつ、木のテッペンからお約束のごとくに飛び降り……
めきっ。
グシャ。
あ、埋まった……
何か、つぶれるような音もしてるようだけど……
「……なあ?何か変なやつがでてきたぞ?」
そんな地面にのめりこんでいるウィルをみて何やらつぶやいている襲っていた男達。
ふぅ…
「あ~。はいはい。そういうことで。それで?あんたら。こんな昼間っから、
かよわい女子供に数名で取り囲んで何しようとしているわけ?」
とりあえず、かるく手をたたきながらもそんな彼等の前にと出てゆく。
そんな私のほうをちらりとみて、
「ん?変なやつの次には、かわいい女か」
「お。ちょうどどうやら女が三人…か。こりゃ、こんな仕事もすこしはいい目がみれるか!?」
何やらララと、そしてうつむきかげんのルル。
二人をみてそういう男達の言葉は理解しようとおもえばできるが…だがしかしっ!
「だれが女だっ!誰がっ!!!!」
まったく。
どこをどうみていることなのやら。
とりあえず。
人を女呼ばわりした奴には制裁が必要だ。
うん。
「
ゴガァッン!
とりあえず、そんな男達にむけて呪文を一撃ぶちかます。
「「なっ!?」」
何かまともに土砂に巻き込まれて吹き飛んでいる男達の姿も見えてるようなきもするけど。
あれらからは後で回収するとして…と。
「…きさまら…何やつだ?」
どうやら、そのメンバーを指揮していたとおもわれる
そして
「まさか、きさまらもアレを狙っているのか!?」
などと、他のやつがそんなことをいってくるけど。
…はて?
あれ?
「?そのアレというのは何かわからないけど。とりあえず。
こんな昼間っから人をか弱い一般市民を襲っているやつらを放ってはおけないのでね」
『な…!?』
私の言葉にあからさまに何やら怒りをあらわにする男達。
と。
「そうですっ!あなたたち!今すぐに改心なさいっ!
さもなければ、この私達。仲良し四人組が正義の裁きをくだしますっ!」
……無傷だし…
無傷でぴょっんと飛び起きて、ぴしっと男達に指をつきつけて言い放っているウィルの姿。
そしてまた。
「…リナン。気をつけろ。そいつの中にいっこ、何かいるぞ?」
いいつつも、何やら真剣な表情をしてごろつきたちの中の一人を見つめているララ。
「ほう…きさま。わかるのか…どうやら、ただの鼠ではなさそうだな……」
そんなララに対してすっと表情を険しくし、そんなことをいってくるリーダーらしき
「ま。ともあれ。あんたたちを見過ごすわけにもいかないし。
何より、私達の資金のたしになってもらうから」
「何だ!?その、資金のたしというのはっ!?」
「でええいっ!悪人がつべこべいうんじゃないっ!」
何やら至極最もなこちらの意見に突っ込みをいれてくるやつがいるけど。
一言のうちにと却下し、そして。
「
有無をいわさずに氷の術をそんな彼等にとお見舞いする。
ここで火の呪文をつかってもいいけど、それだと火事になったらちょこっと面倒だし。
彼等が一瞬それにひるみ、一箇所に集まったところで、続けざまに、
「
バチバチバチ!
男達にと…ちょっとした電撃が直撃する。
なぜかそのまま雷の直撃をうけて行動不能になっている男達。
「…リナンさん。私の出番……」
何やらウィルがぼやいてくるが。
「そんなことより!ウィル!こいつらが二度と悪さできないように、
身包みはいでそのあたりにほっぽっておくぞっ!」
「あ。わかりました!たしかにそれは効果覿面ですねっ!」
「「……まて」」
そんなやり取りをする私とウィルに、なぜか同時にララとルルが突っ込みをいれてくるけど。
そんな中。
「…どうやら、何かいたやつ…逃げたみたいだな……あれ、何だったんだ?」
ぽそりとララが何やらつぶやいてるし。
ふみゅ。
後で何がいたのか問いただしてみよう。
しばし、そのばに立ちすくむ女の子と男の子をそのままに。
私達は動かなくなっている彼女たちを襲撃していた輩から、
文字通り、みぐるみはいで、そのままそのあたりにとほっぽっておく。
ま、二度とこれで悪さをしよう。
という気にはならないだろう。
…たぶん。
「た。助けていただきまして、ありがとうございました。私はプラムといいます。こちらは弟です」
襲われていたのは、黒髪の目がぱっちりとしたけっこうかわいい女の子と男の子。
よくにているのでどうやら姉弟らしい。
当人の説明でもそういってくるし。
しかし、その視線がどうもまだきょろきょろとあたりを見回して落ち着きがない。
「いったいどうして。こんな人気のないばしょに?姉弟の二人旅では何かと危険なのでは?」
親切なのからであろう、ウィルがそんな二人にと問いかけているけど。
とりあえず、まだ仲間もいるかもしれないが。
どうもこの二人が早く逃れたがっていたようでもあることから、
お仲間たちの懐はなくなくあきらめ、二人を伴い少しはなれた場所で事情を聞いている私達。
「……それは……」
そんなウィルの問いかけに、多少とまどいの視線を浮かべているプラム、となのった少女。
ふむ。
みたところ、歳のころは十五かそこらといったところか。
……たぶん。
「それはそうと。さきほどの連中の中に、
まさか、まだアトラスの一件の残留者なのでは……」
先ほどの敵の中に
まあ、たしかに。
それらを目の当たりにすれば、先日の一件のこともあり、結びつけるのも可能であろうが……
そんな会話をしている私達にと、
「…あの。本当にありがとうございました。ですが…あまり詮索はなさらないでください。
…あなたがたの為です。…あなた方はどうやらあの人たちとは無関係のようですし……」
どうやらかなりのわけありのようである。
だがしかしっ!
「そうはいっても。ここで、『はい。そうですか。ならあとはご自由に』というのも人情的に。
それに…困っている人がいるのに、そのままほうっておいた。などと、もし……」
どこから話がもれる。
ともわからない。
姉ちゃん曰く、関わったら最後までやりとおせっ!
というのがあるし。
つまりは、関わらなければ無視していいらしいが。
そんな私の台詞につつけざまに、
「それはそうと。お二人はどこにむかっていたんですか?よければ私達と途中までご一緒しませんか?
心配無用ですっ!もしまたあのような悪人がでてきても、今度こそ正義の鉄槌をもってして、
きっと悔い改めさせてみせますっ!」
数名逃げられたのがどうやらかなりくやしいらしい。
でも、あれは逃げられた…というよりは、私が放った呪文で吹き飛ばされてうやむやになった。
というのが正解かもしれないが。
それはそれ。
「え…でもそれは……」
戸惑いの表情を浮かべてくるプラムとなのった人に対し、
「悪いことはいいませんわ。というか。このウィルさん。言い出したらききませんしね。
ここは諦めてくださいませ。ちなみに、あなたたちはどちらまで?
私達は、とりあえずサイラーグに向かっているところなんですけど」
どこか諦めたように、それでいて悟ったようにといっているルルの姿が。
どうやらだいぶルルもウィルの性格に慣れてきたらしい。
いや、慣れざるを得ない。
というのが実状かもしんないけど。
何しろ、ルルってウィルのあつかい、けっこう上手だし。
そんなルルの言葉をうけ。
「お姉ちゃん。僕たちもむかってるの同じことでもあるし……」
くいっと、姉であるプラムの服のすそをひっぱっている、弟と紹介された男の子。
「クリフっ!」
そんな弟をたしなめるように思わずさけんでいるプラムさん。
なるほど。
どうやら弟の名前はクリフというらしい。
「これ以上、関係ないひとを巻き込むわけには…それに……」
そう、彼女がいいかけるのをさえぎり。
「でも。どうやらそうはいかないようですわよ?」
いって、少し斜め後ろのほうにと目をやるララ。
「みたいだな。……つ~か…これはまた……」
私もその気配には気づいたのでそちらにと視線をむけるが。
そこにいたのは、…何とも形容しがたい動物とも何とも言えないもの達の姿。
「ああ!レッサーデーモンまで!」
「というか…どうやら、あなたたち、本気でやっかいなことに巻き込まれているようですわね」
あたし達の視線の先には、数十匹ほどのレッサーデーモンの姿が。
意図的にこちらに殺意を振りまいている。
ということは、誰かに召喚されたのは明白である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「でええっいっ!面倒っ!」
さすがにいちいち相手にしていたらきりがない。
それゆえに。
「黄昏よりも暗きもの、血の流れよりも紅きもの、時の流れに……」
「って!リナンっ!?こんなところでその術は!?」
「というかっ!ウィルさん!風の結界張らないと、私たちまで危険ですわっ!」
「んきゃぁ!リナンさんっ!いきなり
何やらひとしきり、ララ、ルル、ウィルの抗議の声がしてきてはいるが。
とりあえず無視。
「え?え…あの??」
「…?」
何やらとまどっているプラム姉弟に対し、
「あなたたちも、はやくこちらへっ!」
何やら血相をかえて叫んでいるルルの姿が目にはいる。
それとほぼ同時。
「我と汝が力もて、等しく滅びをあたえんことをっ!
どっがぁぁんっ!!!!!!!
静かな山間に、ちょっとした爆発音が響き渡ってゆく。
「ええ!?あなたが、あの!?盗賊ごろし…ドラマタの…」
「ほ~。どういう意味?」
なぜか綺麗に山間だというのにぽっかりと谷のようにクレーターとなったそれを傍目にみつつ、
少し離れた場所で簡単にこちらの自己紹介をすると、なぜか驚いたようにといってくるプラムさん。
おもわずそんなプラムさんに対してじと目で問い返す。
まったく。
世間では根も葉もない私の噂が一人歩きをしているのは知ってはいるが……
そんな驚愕の表情をうかべるプラムさんに対し、
「ここは、リナンさんも一緒にいきましょう。といっていることですし。
ご一緒したほうがいいとおもいますけど?…下手に断ってリナンさんが切れでもしたら……」
ぽんっとそんなプラムさんの肩にと手をおいてしみじみとルルが何やらいってるし。
ほほぉぉう。
「どういう意味かなぁ?んっんっんっ?」
「え?あ…あの、リナンさん。話せば……」
「問答無用っ!!
ごがっ!!
ふう。
すっきり。
とりあえず何やらいってきたルルに対しては炸弾陣をお見舞いしておく。
この程度ですます私って何て心が広いんだろう。
うんうん。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お…おね~ちゃぁん…いうこときいたほうが僕、いいようなきがするな~……」
それをみて、なぜか無言になるプラムさんに、
何やら怯えたような声をだしながらも姉にといっているクリフくん。
別に怯えさせるようなことはしないとおもうが。
はて?
「そ…そうですね。それでは、お言葉にアマエテサイラーグまでご一緒させていただきます。
えっと、よろしくおねがいします。リナンさん。ララさん。ルルさん。そしてウィル…さん」
どうやら、ウィルが自己紹介でフルネームを名乗ったがためにどのように呼ぶか戸惑っているらしい。
まあ、ウィルもウィルでいい。
とはいうものの、でもいちおうはまがりまりにも王族。
というので遠慮しているのであろう。
ま、しばらく一緒にいたらその概念はまちがいなく吹き飛ばされるのは目にみえてるが。
何か多少プラムさんの台詞が棒読みなのは気になるが。
とりあえず。
「ともかく。旅は道ずれ。というし。さ、サイラーグにむけて出発だっ!」
どうやら。
このプラムさん達姉弟がいれば、お宝…もとい、資金…もとい、
襲撃者は今後もでてきそうな予感であるがゆえ、お金には困りそうにないし。
やっぱ、世の中、人助けも大切だしな。
うんうん。
とりあえず、私達は。
何やらわけありとおもえしプラムとクリフという姉弟を伴って、サイラーグにと向かってゆく。
さてさて…これからさき、いったい何がまちうけているのやら……
-続く?-
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あとがきもどき:
薫:ふふふふvこのシリーズ。この姉弟の性別は初めは悩みましたけど。
やっぱり本編にでてきていない。ということでそのまま設定v(こらこらこらっ!
つまり、あのセイルーンの一件にはこの姉弟も少なからず関わってきますv
このあたりが、本編とはちがう、「もしも」の醍醐味もどきですv(かなりまて
え?彼等がでてきた。ということはゼロス…ですか?それは…んふふふふv
さてさて。アトラス編はこれで完了ですv
次回…いくかどうかはかなり不明v(こらこら
また一巻分と同じくらい指摘があれば考えるかもですv
何はともあれ、それではまたv思わせぶりな終わり方でおわるのですv
んふふふふ♪
2007年3月10日(土)某日
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