こんにちわ♪
Lilyさんから、リクエスト、受けました♪
この私、しがない宇宙のごみ箱の管理人・薫がやってるページの、希望シリーズ(かってにシリーズ化している)の、話です♪

ちなみに。ガウリイ&リナ♪過去の話となってます♪
つまりは、二人が人間になる前の話なんですが・・(笑)
参考までに。
リナ=インバース。
正式名称:リチェウスィ=ナファレス=ネオ=ロード。
つまりは、通称リナ。
金色の王の娘・・というか、この宇宙の核たる存在です(まてこら!)
過去ではただ今、精神、育ち中♪(つまりは、何も知らない子供です♪)
今(?)現在、記憶と力を封じられ、人間に♪(つまりは、リナ=インバースに)
ガウリイ=ガブリエフ。
正式名称:碧玉の王(スティファランス)カウチェリィ=キルティッシュ=スティルバイト。
スティファレス世界の神魔の王です(まて!)
通称:スティルバイト(リナだけが『かうりい』と愛称で呼んでる)
リナが人間になるので、エル様に無理いって、彼もまた、リナを守るべく、
記憶を封じられて、しかも力まで封じられて、人になってたりするシリーズです(笑)
赤の竜神スィーフィードや、赤瞳の魔王シャブラニグドゥ。
などといった、四界の海の魔王と神々と同期で、内緒にエル様はしてますが(爆!)
実は、エル様に継ぐ、力の持ち主だったりして・・・(笑)
 
ではでは、リクエスト、内容のひとまず、前ぶりまで♪

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うるわしのシンシア 僕の話を 笑わないで 今は聞いて 返事はいいから世界中がもし 揺らいだとしても
君のために それは僕のため 必ず守るよ  君になにひとつも 心配がないように 祈ってる
邪魔するもの それにやられないように 君は汚れないで 陽だまりの道を行け まっすぐに こうと決めたら迷ってはだめだよ
よろこびかなしみ ときどき話して 輝く朝 雨の夜も 嵐もあるだろう 君がどんなことも 怖れずに行くように 願ってる
あやまちさえ 無駄ではないからね 君がやさしくても 力強くあるように まっすぐに 顔を上げて 君の道を行け
人は誰もそうだよ 愛する人を どこまでも守りぬきたい その笑顔がなによりの幸せだから


林原めぐみさんの、アルバムの中の曲。

『うるわしのシンシア』
実はこの曲・・・というか、歌詞を元に
リチェウスィ&スティルバイトのお話を書いていただけたら嬉しいなぁ・・・とか思った次第でして。

というリクエスト内容です♪
それでは、いくのです♪


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    希望の行方  



「かうりい!!!」
わぁぁぁぃ!!
無邪気なまでに、飛び掛ってくる、栗色の髪に、紅の瞳の少女。
歳のころは、十六・七。
といっても、彼女にとって、姿など、どうにでもなるのだが。
・・・本来は。
彼女が、万物の母たる、混沌を創りだせし存在。
全ての混沌を統べる王から、この混沌を抱擁しているこの世界の核として。
創り出されてから、宇宙平均時間で、今、五年。
それゆえに、姿と精神状態が、追いついていなかったりする。
「リナ様!?」
驚いている金色の長いさらさらの髪に碧玉の瞳の男性。
それはそうであろう。
ここにいるはずのない少女がいるのだから。
というか、こんな所にきて、万が一にも、リナに何かあっては・・。
気が気でない。
だが、そんな彼の気持ちを知ってしらずか。
「ずるいわよ!!!あたしに内緒で、こんな面白いことを独り占めするなんて!!」
リナが力説する。
いや・・面白いって・・・・(汗)
彼は、今、とある仕事で、遠出をしようとするその直前だったのだ。
それは、リナに関することなのだが。
最近、また、リナを狙って、この世界に背く存在達が、多々と活躍を始めているのである。
その、牽制と、駆逐のために。
出かけるところであった、碧玉の王(スティファランス)スティルバイト。
ミドルネーム、カウチュリィから、リナが二ヶ月のころに、彼につけた愛称が、
『かうりい』。
リナ以外は、この名前では呼ぶことがないのだが。
「危ないですから!!駄目です!!」
すぅ。 
と、顔色が悪くなっているスティルバイト。
リナのいつもの、その表情は。
まるで、瞳をきらきらさせて、いつものおねだりポーズ。
この表情には・・彼は、はっきりいって弱かった。
「駄目っていっても、あたしもいくからね!!!」
言い出したら、てこでもきかないリナ。
ここで、反対すると。
まず間違いなく。
一人で、乗り込むのは必死。 
「はぁ・・・・・。わかりましたよ・・・。」
わかっているのだろうか?
リナは。
その表情に俺が弱い。
ということを。
彼は内心ため息をついた。
 彼にとって、リナの存在は。
初めて出会った、リナが誕生して、二ヶ月のころは。
ただ、守りたい存在だけであったはずであった。
危うい精神に、強大な力。
力の扱いを知らずに・・・不安定なまでの、綺麗で、かわいくて、誰もが惹かれ、守りたいという衝動に駆られる存在。
だが、いつのころであるか。
常に、金色の王の命令もあって(リナの力の指導などの教育係になった)リナの側にいた彼。 
いつしか、四六時中、リナのことを思っている自分がいた。
そして・・・自分が、リナを守りたい単なる子供。
としてでなく、その表情に、輝くその命に、惹かれている自分。
そのことに気づかされたのは、リナが誕生して、三年目のとき。
世界の理に背くもの。
いわゆる、万物の王に逆らう存在の総督が、リナを狙ってやってきたとき。
そのとき。
自分の心に気づかされた。
自分が・・リナを、子供として、保護する対象としてでなく、一つの存在として・・一人の女性として想っているという事実に。
それ以後、その思いはひたかくしにし、今までとおりに、リナに接している彼―スティルバイト。
そんな彼の気持ちに、リナは気づくはずもなく。
いつも、こうやって、おねだり作戦に出ているのである。
リナ自身も気づいてないが。
どうして、彼ばっかりに、こんなにわがままをいうのか。を。
「でも、いいですか?けっして、絶対に、いや、ぜったいぃぃいに、危険なまねはしないこと!!いいですね!!!」
「わぁい♪だから、かうりい、好き♪」
はぁ。
俺、絶対リナには甘いよなぁ・・・。
危ない場所とは分かっている。 
だが、こんな表情されると・・・・。
無碍にも断れない。 
子供の姿で、こう無邪気に寄って来るときは、
どうにか、理性は抑えるのに、セーブが聞くが。 
ここ、しばらく。
リナは、姿をちょくちょくと変えているのだ。
つまりは、姿の変化に慣れるため。
とか、本人は言っているが。 
それで、その姿でうろうろしてて。
邪な思いをリナに抱く存在がでないはずもなく。
リナは全然、まったく気づいてないが。
リナを手に入れたいがために、反逆者のメンバーに、加わった存在達も、もはや、この数年で、億をかるく超えていたりする。
リナに気づかれないように、裏から、リナに危害を加える前に排除していっている彼。
まあ、リナに危害なんて、無理だとはわかってはいるが。
万が一ということがある。
何しろ、リナはこんな姿をしていても、まだまだ、子供なのだから。
精神が。
「絶対に、危険なまねはしないこと!!いいな!!リナ!」
「はぁい!!」
釘をさしつつも。
「・・・はぁ・・。」
リナは、わくわくとしていたりする。
そんなリナの表情が、より一層彼を憂鬱にさせる。
思わずため息がもれる。
願わくば・・・・リナが、あの場所の惨劇を目にしないよう・・・。
彼は、ひそかに、願っていた。




リナが、スティルバイトが、出かける。
というのをきいたのは、偶然であった。
というのも、母と一緒に、本来の家でもある、混沌宮殿に戻っていたとき。
とある世界を母から任されているリナにとって、部下ともいえる存在が。
ちょっと、噂話で話していたのである。
当然、リナは、それを詳しく聞きだした。
というのも、しばらく、彼がリナのところにこれない。 
といっていたので、リナは寂しかったのである。
リナにとって、スティルバイト・・カウリイは、誰よりも、一番にお気に入りであるがゆえに。
リナはその感情を全っ然、理解してないが。
それがどういった気持ちというものなのかも。


彼の行き先を聞き出し。
リナは、彼と一緒にいたいがために。
わがままを言っているのである。
母に内緒で、歪みの道に入るその入り口で、彼を待ち構えていたのだ。


「絶対に、俺から離れるんじゃないぞ。リナ。」
「うん。」
かうりいに肩をつかまれて、道に入ってゆくリナ。
ここの、世界は、今、歪みに吸収されようとしていた。
彼は、それを正すべく、金色の王の命に従って、ここにやってきているのだが。
金色の王がやればいいではないか。
とも思うのだが。
曰く。 
―マジックショップエルが忙しいから♪―
だそうで。
暇つぶしに、人間の世界で、道具やを経営しているのである。 
金色の王は。
赤の竜神達のいる世界の惑星で。


・・・・何?これ?
リナは始めてみるその様子に、思わず絶句する。
世界を創ることも、消滅することも、リナは母から教えられている。 
だが。 
リナは目で、それを見たことは、あるにはあるが。
こういった、完全なる裏の歪みを見たことは。
一度たりとてなかった。
悲鳴が、叫びが。
痛いほどにリナに伝わってくる。
気持ち悪くなるほどに。
サイコ・バリアを張り巡らせ、精神感応を防いでいるにも関らず。
リナには、そこの世界の悲鳴が、どんどん流れ込んでくる。
今だに、リナは、そういった面での、力のコントロールが、不安定であるがゆえに。
がくがく。
しらずに、震える。
知らない、こんなに恐怖するなんて、感情は流れ込んでくる。
まるで狂いだしそうなまでの負の感情。
いや、単なる負の感情ではない。
全てを闇に・・・悪いほうに、悪い方に・・と。
ひきずりこむような、その感覚。
そんなリナをしっかりと強くスティルバイトは抱きしめる。
「リナ、いづれは知ることだ。これは、世界の裏。普通の歪みとは違う。全てを廃棄しようとする・・完全なる絶望の闇。
   光があれば、闇もまたある。その闇の中でも・・。これは、かなり暗い部分。
   これに取り込まれると。二度と、這い出すこともできない・・・孤独なる闇。」
今はまだ知らせたくなかった。
こんなに、精神が、成長過程のリナに。
世界の闇の部分には。
だから、金色の王も彼にこの処理を命じた。
リナの心が傷つかないように。
だが、リナは、そんな気持ちを知るはずもなく。
ついてきてしまったのだ。
だとすると。
とにかく、リナを全力で守るのみ。
全身全霊を賭けて。
今まで以上に。
リナはこんな闇は知らなかった。
いや、リナの知識には、ある。
そういう知識は、創り出されたときに、与えられているから。
だが。
リナの周りは、いつも光で満ち溢れていた。
いつも、誰かが側にいて。
母たる金色の王がいて、スティルバイトがいて。
スィーフィードがいて、シャブラニグドゥがいて。
常に、リナが危険な目にあわないように、見守っていた。
だから。
リナは、まだ、こんな世界の裏の部分を知らなかった。
初めてみる、感覚と、その情景。
いづれは、この全てを自分が?
リナの心に一瞬、戸惑いが走る。
「リナ!!」
はっ!
スティルバイトの言葉で、我に戻るリナ。
とまどいの感情から、捕らわれそうになっていたリナ。
「・・大丈夫か?」
「・・・・うん。」
顔色が悪い。
「だけど!!だからって、絶対についていくからね!!かうりい!!」
あいかわらず、気丈なんだから。
くす。
そんなリナに、かわいらしさを感じつつ。
「では・・中心にいきますよ。」
「おっけぃ!!」
リナとスティルバイトは。
歪みの中心となっている一つの惑星にたどり着いた。



「たす・・けて・・・・あ゛あ゛゛あ・・・・」
リナの目の前で、闇に捕らわれてゆく女性。
「おぎゃぁ!!おぎゃぁ!!」 
「あたしの・・あたしのあかちゃん!」
異形と貸してゆき、それでも、赤ん坊を決して手放さない母親。
リナの知っている安らぎにみちた、混沌たる闇ではない。
全てを排除しようとするごとくの・・闇。
安らぎなどを一切感じさせない・・・孤独な、闇。
生きとし行ける存在の心の闇が実体化した、その闇は。
全てのものを取り込んで、孤独と絶望に全てを変化させていた。
・・・・あたしの中にも同じものを創りだす・・力がある。
リナはことのき。
初めて、自分がもつ力に一瞬、恐怖を感じた。
母と同じ力。
ここの世界・・宇宙では、何でもできるその力。
それは・・・・。
こういったものを創りだす力でもあるのだ。
くしやくしゃ。
髪をなでる手が、リナをはっとさせる。
「リナ、気にするな。リナは信じた道を行けばいい。リナがこの闇を気にすることはない。
  これは、存在する命が作り出した闇。エル様が作り出したのでも、リナにも関係ない。
  リナはリナだろ?惑わされるな。不安は、全て俺が引き受けるから。」
「・・・うん。」
彼の言葉は、リナに勇気を与えた。
少しでも、不安になったリナ。
でも、彼がそれを引き受けてくれる。
そういわれて、リナはうれしかった。
「そうよね。そーだよね。リナはリナなんだよね。」
リナの口調は、いつもの、三歳児の口調に戻っていた。
よっぼど、精神的ショックをこの闇から受けたためらしいが。



スティルバイトが、リナに自分の剣を手渡す。
「いいか、リナ、これもって、絶対にここから動くんじゃないぞ?」
「どうして!?リナもいく!!」
リナがいうと。
「・・・・ここから、先は、リナには・・・きつすぎる・・・。」
ここから先の、どろどろとした、本格的な心の闇は見せたくない。
リナには、光がにあっている。
かげりのない光。
全ての闇も光も、全て包みごとくがごとくの・・混沌の闇の光が。
金色の母と同様に。
ここは、全ての、歪みの現況。
そこに入り、解決を試みるスティルバイト。
「絶対にいく!!だめっていったら、一人ででもはいるから!!」
「・・駄目だ!!リナにもしものことがあったら!!」
「リナ、そんなに弱くないもん!!」
「だけど!」
何も知らない。
純粋なるリナだからこそ。
この、闇はきつすぎる。
どうにか、リナを説得にかかるスティルバイト。
だが、
リナは受け入れない。
しかたない・・・・。
「リナ・・・すまん!」
ふっ。
「かうり・・・!?何を・・・。」
くらり。
リナの意識は、一瞬眠りに落ちていった。
そのまま、リナを小さな水晶の中に閉じ込める。
こうしておけば安心である。
リナには、これから起る出来事を見られたくなかった。
金色の王の代理として、生み出されているリナを、いともたやすく、眠りにつかす、スティルバイト。 
さすがとしかいいようがないが。


るぉぉぉ・・・・・・。

そこは、全ての歪みの現況。
様々な存在の、歪んだ思いが。
欲望が。
希望が。
絶望が。
混乱が。
孤独が。
悲しみが。
全てが、闇に閉ざされて、全てを排除するその渦の中心。
この世界、全ての闇の感情が、ここには集まっている。
定期的に、コレは、削除していた。
このまま、ほっておくと、世界に溝が生じるから。
だが、削除しても、これは、必ず発生する。
存在するものがいる限り、永遠に消えることはない。
誰でも、心に闇を持っている。
その闇をつくかのごとくに、この闇は、自分に取り込もうと、そこにつけ込んでくる。
当然、スティルバイトにも、その闇はある。
だが。
彼は、その精神力で、それを跳ね除ける力もまた持ち合わせているのだ。
リナは、まだ、それには早すぎる。
もし、リナがこの闇に捕らわれでもしたら。 
それこそ。
この世界全ては。
絶望というなの闇で、何も存在しなくなってしまう。
リナには、そんなのは似合わない。
「リナがリナである限り・・・・。闇は・・全て俺が引き受ける・・。」
小さくつぶやく。
排除する。
といっても、
当然、一度、全てをその身に、取り込む必要がある。
力づくでは、すぐにこれは、再び、出来てしまうから。
これに、対抗するのは、全てを包み込む。
全てを許す、金色の母たる胎内でもある、混沌の闇。
自らの身を通じて、全てを混沌に還してゆくのだ。
普通の存在とか、かなりの上級の存在でも。
これをやったら、普通は滅ぶというか、闇に取り込まれる。
彼は、ちょっと、金色の母が創りだすときに、
別の世界を任せている混沌そのものの存在の魂を、ちぎって創り出している存在だからこそ。
できる芸当であるのだが。
当然、金色の王以外は、それを知っているものは。
ほとんどいない。
というか、知られていない。
話してないし、教えてもいないのだから当然なのだが。
彼、本人ですらも、その事実を知らないのだ。



やがて。
存在を全て飲み込んでしまうがごとくの闇は。
全て混沌に還りゆく・・・・・。





「ん・・・・。」
リナが目を覚ますと。
疲れた顔で、しかし、笑っているスティルバイトの顔。
「・・・!?まさか、一人でやったの!?かうりい!?」
リナが何をやったのかはしらないが。 
かなり憔悴しているスティルバイトを気遣う。
「リナには、まだ・・・深い部分の闇の部分を知るのは・・・・。・・・はやいからな。というか、もし・・リナに何かあったら・・。」
ぎゅ。
そのままリナを抱きしめる。
あの闇の中で。
自分が抱いていた闇も彼は見出した。
欲望の化身である・・彼の心の奥底にしまっている、想いの部分を。
「??かうりい?」
リナは抱きしめられつつも、不思議そうな表情。
スリッパではたこうか。
という、母直伝のスリッパ攻撃も、なぜかしたくなかった。
あまりに、彼がつらそうな瞳をしていたから。
分かってはいる。
分かってはいるが・・・ああも、目の当たりに、突きつけられると。
さすがに、精神が消耗する。
リナを抱きしめているだけで、その不安が退いてゆく。
「あ、すいません。じゃ、もどりましょうか。リナ様。」
リナから手を離した彼は、いつもの様子。 
「あ・の・ね!!リナと二人のときは、リナって呼んでって!!様づけにされると・・・何かさみしいんだから・・。」
「はいはい。じゃ、戻るぞ。リナ。」

「・・結局、あの闇って・・・何なの?カウリイ?」
戻る道には。
すでに、あのいやな感じの闇は一つもなかった。
リナは、疑問に想っていたことをスティルバイトに聞き返す。



「・・・どうぞ。」
スティルバイトの宮殿で。
とりあえず、お茶しているリナ。
「・・あれは、この世界全てに存在している・・いや、していた存在も含めて。心の奥にしまいこんでいる・・・・闇の部分の感情です。」
「心の・・・闇?」
リナが聞き返す。
「そうです。弱い心では、完全にそれに捕らわれます。何よりも、強い、精神が必要となります。
  たとえば、人を憎むと、回りが見えなくなるとか。・・・自分はこんな思いをしているのに、どうして楽しそうなのだとか・・・。
  そんな心の闇は、ともかく、他者に対して、憎しみを抱きます。
  そして・・・全てを憎むようになります・・・そんな心の闇の結集合体です。」
他にも、自分で、内に閉じ込めている本質の部分もあったり。
それが、彼を苦しめる。
「・・・・そんな・・・。」
リナが言葉に詰まると。
「リナ様は、知らなくていい感情ですよ。知ってても・・・・いいことはありませんから。
  リナ様は、エル様同様、いつも、高貴に、輝ける存在なのですから。」
自分の中にも、そのどすぐろい感情を飼っている。
それが今回。
いやというほど思い知らされた。
闇を浄化しようというとき。 
自分の望んでいる闇の部分をあの闇は彼に見せたのである。
すなわち。


・・・・全ての世界を敵にまわそうと。
リナの精神を引き裂こうと。
リナを・・・全てを自分の物だけにしてしまいたい。
そんな心の奥底の深い部分の・・・心の・・闇を。



ぎゅ。
絶対にそんなことはしない。
自分の幸せは。
リナが笑っていてくれさえくれればいい。
今のこの状態で、自分は・・かなりの幸せなのだから。 
本来ならば、手の届かない存在であるはずのリナ。
だか、リナは、彼を無邪気に慕って、なついている。
この関係を壊したくない。
だからといって・・・。
リナを他の存在に渡す。
そんなことは、絶対にしたくない。
その辺りは、金色の王も同じ意見らしく。
よく、二人で、リナに邪な思いを抱く存在は。
ダブルお仕置きをしているのだが。
全ての心をひたかくしにして。
リナの笑顔をみるためだけに、リナの幸せを守るためだけに。
自分は。
自分の存在意義の全てを捧げよう。
 と、心に誓ったあのときから。



「・・・でも、いずれは、あたしも全てを知らなくちゃ・・・。いけないんでしょ?
  だって、母様は、あたしにここの全てを任せるって。口癖のようにいってるし。」
あんな闇の部分。
自分に対処できるのだろうか。
「失敗したら、やり直せばいいんですよ。リナ様は、まだ誕生して、間がないのですから。
  いきなり、あんな深い闇をみて、動揺する必要はないんですよ。・・・俺でも、あれは動揺しますから。」
彼の言葉に。
「・・カウリイでも!?」
リナがびっくりする。
自分だけかとおもっていた。
あれに取り込まれそうになったときのあの感覚は。
「ですから、じっくりと、自分にとっての真実を見つければいいんです。
  そうすれば、どんなことがあっても、決してくじけることはありません。
  それさえ、分かっていれば、どんなことがあっても、大丈夫なんですから。」
それは、自分にも言い聞かせる言葉。
「・・そっか・・そうなんだよね・・・。」
自分が母と同じように、全てを包み込めるのか。
それが、あれを見て、不安になっていたリナの心に。
今のスティルバイトの言葉は、静かに浸透していった。


―― 失敗したら、やりなおせばいい。


「まあ、失敗は、今まで、散々、リナ様やってるじゃないですか。でも、それは無駄ではなかったでしょ?
  前に進む一歩だったでしょ?つまり、怖れていては、何もできないんですよ。
  大変なことになる前に、手助けするために、俺達も、エル様も、いつもリナ様を見守っているんですから。
  リナ様は、何も気にせずに、自らの思ったとおりにやってみてください。必要なときには、・・・絶対に側にいますから。」
む。
「何よ!その散々って!!」
「ああ!!力を使うのはなしですよ!!」
リナがいきなり、力を放つ。 
それでも、無効化しているのは、さすがスティルバイトなのだが。
「だって、リナ様、空間移動、成功するのに、一体、何回失敗を!?」
「・・・・・ぐっ!!」
「確か、それで、リナ様が消滅させて、また創生した世界が・・一・・十・・百・・・。」
「あ゛゛あ!!!昔のことでしょう!!!」
真っ赤になるリナ。
どうやら、心にあった、もやもやは今の彼の言葉で。
すっかりリナの中からは消え去っているようである。
「でも、真実ですし♪一体、俺達が、何回、リナ様がいないのに気づいて、この宇宙の隅々まで探したことが幾度あったか♪」
「今はそんなことないもん!!!」
ムキになるのが、よりいっそう愛しく感じる。
「昔って・・まだ、五年前のことだし。これから、どんなことをしでかしてくれるのか・・・。ある意味、俺は楽しみなんだけどな♪」
「・・・・・・・意地悪ぅぅぅぅぅ!!!!!」
完全にリナの顔に、生気が戻っていた。
心なしか、顔色が悪かったリナ。
それを見越して、わざと彼はリナを挑発していたのである。
リナがいつものリナに戻るために。 
「・・・・まあ・・確かに・・・。また・・やってるけど・・。」
「・・・・え゛!?」
リナのつぶやきに、スティルバイトが汗を流す。
「はははは♡怒らないでね♡カウリイに合流する前、わかんなかったから♡
  歪みの場所と思える場所、片っ端からつぶしていったの♡
  てへvvそれで、また歪みが大きくなってたりして・・・あはははは♡」
・・力づくの歪みの訂正は。
反発し、それ以上に、歪みに力をつけさす結果となる。
リナは、それは、分かっているのだが。
どうも、そのまま、力づくでやる傾向が身についてしまっている。
これは、おそらく、どう考えても、教育の仕方に問題があるからだとは思うのだが。
歪みは、世界に背くものを創りだす。
混沌の闇を母体にしつつも、それに背く存在達を。

「り・・・・・リナ様ぁぁぁぁぁ!!!!」


スティルバイトの絶叫が。
スティファレス世界の宮殿にこだました。




世界中がもし揺らぎ消滅しても。
リナのために。全てを守る。 
リナがいつまでもその純真な心を持てるように、
なにひとつ心配がないように見守っている。ずっと。
邪魔するもの それにやられないようにリナだけをずっと・・・。

世界が消滅するということは、リナが消滅するということ。
それは、許されざることだから。
まだ、無邪気に、いろいろと面倒起こすリナだけど。
それも全てが愛しいから。 
だから、どんどんわがままをいって、俺を頼ってくれ。
少しでも、リナの役に立ちたいから。
リナは、太陽。
金色の母の・・エル様の娘。
という存在でもあるけども。
俺にとっては、何も、メリハリのない、この世界を変えてくれた、唯一の存在。
俺を俺として、初めて、見てくれた存在だから。
今まで、俺の力と、その容姿にしか、近寄ってくる存在はいなかった。
だけど。
リナだけは、何の下心なく、自分を慕ってくれた。
どうも、その原因は、俺の金色の髪のようだけど。 
それでも、その無邪気な心に、俺は救われた。
自分の力に不安を感じていた。
エル様自らが、封印している。
というその力を。
だけど、リナのためなら、その力を使ってもいいから。
だから、リナは、汚れずに、光の中を進んでいって欲しい。
迷うことなく。
迷い道、惑わす存在は、全て、俺が引き受けるから。
いずれ、時間がたち、自然と、全てをリナが自分自身で、成長するためにも。
喜びも、悲しみも、いずれは、リナは知るだろう。
だけど、全てを一人で抱え込む必要はないから。
まっすぐに、リナにはリナの道を歩いていって欲しい。
何よりも、大切な存在だから。
この身が消滅しても守りたい、と思うほどに、大切なリナだから。


だから。
リナは、いつも笑っててくれ。


「失敗、失敗vv」
ぺろり。
と舌を出しているリナ。
そんなリナをみつつ、スティルバイトの心が旋律を奏でる。


リナには、一番笑顔が似合うから・・・・。



「じゃ、ついでに、戻る前に、その歪みの訂正もしておきますよ。
   ・・・で、リナ様、力の使い方の指導・・ついでにしますからね♡」
「・・・・・げっ!!!!!」
にっこりといった、スティルバイトの言葉に。
リナは、完全に凍りついた。
「・・・やらなきゃ・・だめ?」
「駄目です♡」
「・・・どうしても?」
ぐっ!
まけるな!!俺!!
何とか、心を押し殺し。
「まあまあ、これが終わったら、また、何か、リナの好きなもの・・・作るから。」
「やる!!」
リナは、カウリイが作る料理の・・大ファンだったりする・・・・・。

結局、リナに力の調整と使い方を実習で教えつつ、結局は、全て、自分で片付けていたスティルバイト。
あくまで、過保護すぎである・・・・・・・。


ちなみに。
リナにせがまれて、連れて行くハメになったとはいえ。
まだ、リナの精神が発達してもないのに。
心の闇の部分の奥底の闇を見せるとは、何ごと!!!
と、金色の王に、さんざんお仕置きされていた、彼の姿があったのは。


リナには、その事実は。
知らされることはなかった。


                                        -終わりー


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#################################### 

あとがき: 
薫:・・・リク内容・・に・・元ズいてない・・・しくしくしく・・・・。
  ちなみに。 スティルバイト(ガウリイ)が、リナを守りたいのは。
  自分の欲望などからも守りたい。という事実があります(まて!)
  でも、それ以上に、リナにはいつも笑っていて欲しいと願ってます。
  心の闇。それは、誰にでもある・・と、私は思ってます。
  だって、本気で、いじめっ子が死ねばいい。と、思った子供時代のときがあったし・・(汗)
  (自殺を考えたこともあったりするほど・・いじめ・・ひどかったし・・)
  表には出さない、心の奥部分に潜んでいる闇。
  それを何も知らない、純粋無垢な心で、その一部分だけでも見てしまっては?
  それにかかる負担はそう簡単なものではないでしょう。(きっと)
  ここでは、そんな葬られた闇が、混沌に還ることもなく、ただひたすらに、溜まっていって。
  ある程度の一定量を超えたら、世界にまで影響を及ぼす闇となる。
  そういった、設定にしてあります。
  混沌は、全てを許し、抱擁する場所ですから。そこに還しさえすれば、そんなありえざる闇も。
  また。母なる元に戻ってゆく。といった設定です。
  (意味不明だってば・・汗)


それでは♪
ぜんぜん、リクエストに応えてないですが(かなりまて!)


はっ!!
ひょっとして、もしかして、アザチェスが攻め入ったときの話の方が、リクエストに近かったのでは!?
(今さら何をいっている!?)←爆!)
(でも、前から考えてあった、話をリクエストとするのもどうかなぁ・・だし。)
 それでは・・・・(滝汗)

追伸:一応、リクエストがあったので、送ります♪
    んではでは♪ちなみに、この後。リナは初めて悲しみを知ります。
    初めての友達が、死ぬ。という形で・・・(滝汗)
    それはまた・・そのうちに、いつか頑張って打ち込むぞぉぉ!!(かなりまて!)


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