さてさて。
     よーやく長きにわたって連載しておりました。
     狭間の選択。ラストです!
     いゃぁ、長かったなぁ・・・・(しみじみ・・・・
     ま、意味のないエビローグですが、
     『ここまでつきあったんだから見てやろうか』
     という心優しき奇特な方のみどうぞなのですv
     ではいきますv
  
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        狭間の選択     ~エピローグ~
   




     「いいの?フェアリー?」
     「ええ。ありがとうございます。姫様。」
     セルディ=ウル=ガブリエフ。
     享年五十五歳。
     本来ならば、彼は、彼女がこの空間にとこなければ。
     親族に殺されていたそれが、真実のあらかじめの運命。
     だがしかし。
     記憶を失っていた、とはいえ、フェアリーこと、ファーナと結ばれ。
     そして、セルディとフェアリーの間には二人の子供が誕生した。
     それらのいるはずのない魂における、歪みは。
     彼女とて、自分が原因、とはわかっている。
     「ファアリー?もし歪み気にしてるんだったら気にしなくていいのよ?
      それでなくても最近は怠慢な部下たちにやらすから。」
     魂を新たな転生の輪にのせて。
     見送るフェアリーにと話しかけているのは金色の髪に金の瞳の絶世の美女。
     「ありがとうございます。エル様。
        ですが・・・・私のいるべきところは、姫様のおそばですので。
        少しながい休暇でしたが、満喫させていただきましたわ。姫様。ありがとうございます。」
     にっこり微笑み。
     傍らにいる、黒い髪をポニーテールにとしている少女に。
     ぺこり、と頭を下げているフェアリー、と呼ばれたその女性。
     そんな彼女のその言葉に。
     「な、何いってるのよ。」
     いいつつも、なぜかそっぽを向いているその少女。
     「あ♡ユニット、照れてる♡」
     「~~~!!!!!!!!!!エルぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
     めったと見られるものじゃないしね♡
     ユニットが照れてるところなんて♡
     そんなことを思いつつも、エル、と呼ばれた金色の光をまとったその女性は。
     くすくすと何やら笑っていたりする。
     結構今回のこれ、許可したのもあるし。
     楽しめたわよね。
     それに今後の楽しみもフェアリー、残してくれたしね。
     そんなことを思っているエル、と呼ばれたその女性。
     「と、とにかく!フェアリー、本当に後悔はないのね?」
     そんなユニット、と呼ばれたその少女の言葉に。
     「ええ。それに、姫様?あちらをかなりほうっておられるようですし?
      それをまずは処理していきませんとね。」
     ぎくっ!
     み・・・見透かされてる・・・・
     フェアリーが家族を持ったなど、今までにないこと。
     初めての経験でもあるがゆえに。
     ほとんど、自分の世界ではなくこちらの世界に入り浸っていたこの少女。
     行動に示さないだけで、実はかなりフェアリーのことを心配しているのは。
     それは、彼女をよく知るフェアリーや、そしてまた、エルだからこそわかること。
     「そ、それより、本当にいいの?だってまだ、孫とかもいるのよ?」
     「彼らは彼らの人生を歩み始めてますわ。
       それに、私の力を使いこなせるのは。孫の代まででしょうしね。」
     異世界、というかまったく別世界ともいえる異なる力。
     それゆえに。
     この力は、使いこなせる存在は、そうは多くは誕生しない。
     似通った金色の母の力ならばいざ知らず。
     「ま、フェアリーがそれでいいんだったらいいけど。
      とりあえず・・・・・お帰りなさい。フェアリー。」
     「ただいまですわ。姫様。」
     予測をしえない休暇になったが。
     だけども、それはそれで充実していた。
     姫様が家族にあこがれる気持ちも・・・・自分が家族をもってみて、今まで以上に、より深く。
     そんなことを思いつつ。
     そのまま。
     ユニット、と呼ばれている少女の胸にと掲げられているペンダントの中にと。
     そのまま、姿をかき消してゆくフェアリー、と呼ばれていたその女性。
     彼女はこのユニットが持っている、石の精霊。
     長いこと本体から離れていればその精神力は少なからずとも弱まってゆく。
     まあ、彼女に限っては、ユニットが本体を身につけているかぎり。
     消滅する、ということは絶対にないのであるが。
     そう、石そのものが作られたときに【設定】されているがゆえに・・・
     「しばらくお休みなさい・・・・フェアリー・・・・」
     そっと石の中にて眠るフェアリーにと声をかけるユニット。
     後は。
     あなたの子供の行く末は。
     あなたの力が完全にと回復するまで、私が見届けるから・・・・
     そんなことを思いつつ、そっと石にと手を添えるユニットの姿が。
     しばし見受けられてゆく・・・・・・





     赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。
     その能力を受け継いでいる、といわれている一族ですら。
     やはり、限りある命の生命体には他ならない。
     普通の人間の寿命よりは、少しばかり長いものの。
     だが、それでも、確実に、終焉はやってくる。
     「・・・・・・・・・・・・リナ・・・・」
     ベットに横たわる最愛の妻であるリナの髪をそっとなでる。
     彼らの死期はこれといって前触れもない。
     ただ、漠然と、自分がいつ【死ぬ】のかがわかるがゆえに。
     そのときのために事前対応はできている。
     「・・・・・ガウリイ、ごめんね・・・・先に・・・いくね・・・・・」
     「っ!」
     人と、半精霊。
     寿命からすれば、確実に、人の方が先に寿命が尽きる。
     「一人では・・・・・いかせない・・・・」
     その言葉と同時に。
     自らの生命活動をやめ、肉体という器を捨て、精神体のみになり。
     今まさに肉体的な活動を終えようとしているリナの元にと。
     寄り添うように横にと並ぶガウリイ。
     「・・・・・・馬鹿・・・・・」
     それは、ある日の朝のこと。
     二人が結婚して、百数十年と少し。
     この世界の人々の平均寿命は長くても百年そこそこ、と言われていることからすれば。
     かなりの長生き、といっても過言ではない。
     すでに、かつての仲間たちはかなり前にと旅立っていっている。
     そして・・・・次は自分たちの番が来たのみ。
     制限ある肉体という器を離れ。
     魂・・・いわゆる精神体のみになった二人は。
     そのまま、すべてなる母なる元にと還ってゆく……


    

    本来ならば、その生を終えた魂は、すべての記憶などを無とし。
    新たな生にと赴いてゆく。
    だが・・・・・


    「この二人、…しようとおもうんだけど、いい?」
    「まあ、完全に彼はエルの世界の住人だから。私が口に挟むことではないでしょ?」
    結構使える、というので。
    人間としての生が終わっても。
    しばらくは、自らの元に留め置いて。
    様々な細かいことをやってもらっていたりする、すべてなる母、いわく、金色の王。
    二人が死亡した後に。
    あの世界の人々は、やがて、科学、というものに取り付かれ・・・
    そして、挙句は、星全体を巻き込む破壊兵器を作り出し。
    自らの首をしめ、星自体は長き癒しの時間体にと入っている。
    ある程度の文明にまで発展した世界に、神も魔王も、そこにいる必要は。
    あまりない。
    彼ら、光と闇をすべるいわゆる、神々や魔王、といった存在は。
    それらの星星の生命体がよりよく向上してゆくための、まだ発展途中の惑星だからこそ。
    その惑星にと配置される。
    幾度も幾度も、運命は回ってゆく。
    星の状態ですら。
    それは、彼女たちにとっては瞬きするほどのほんの一瞬の出来事。
    そして・・・・今。
    かの惑星ではないにしろ。
    似たような進化を遂げているとある惑星がそこにある。
    「なら、決まりね。」
    にっこりと。
    微笑む金色の光をまとった女性の言葉が奏でられると同時。
    あたりは淡い金色の光にと包まれてゆく・・・・



    運命は何もひとつではない。
    いくつもの選択肢を持っている。
    そして・・・・・・今、再び・・・・・・・・





    「うーん、ちょろいな。」
    晴れ渡る空の下。
    歩いている栗色の髪の一人の人物。
    太陽の光に紅い瞳がきらりと煌く。
    その手に持っているのは。
    昨晩の勝利品。
    姉にいわれ、世界を見るたびに出て、様々な場所、様々な出会いを繰り返している。
    ぱっと見た目、小柄であるがゆえに、一瞬、女の子?男の子?
    とどちらともわからないが。
    格好からして、俗にいう魔道士、であることは明白。
    そして、ふと。
    自分の周りにどうやら自分目当てではないらしい、何らかの気配を感じ取る。
    「何?」
    疑問に思いつつ、それらの気配が向かっている方向にと気配を殺して近づいてゆく。
    と。
    何やら、目の前に見えてくるのはどう見てもオイハギ、または山賊。
    といった風情の柄の悪い男たち。
    そして。
    その中心では、小柄な金色の髪の人物が、何やらもめていたりする。
    「・・・・・・・?何か以前似たようなことが?」
    ふと。
    脳裏に横切る・・・・・光景は、瞬時にそのまま脳裏から掻き消えてゆくが。
    「うーん、見捨てる、というのも何だし。
     それに姉ちゃんにばれたらそれこそ恐ろしいし・・・・・しかたない。」
    そんなことをいいつつも。
    そのまま。
    「ちょっとまったぁぁぁぁ!」
    たむろしている男性たちにと声をかけてゆく栗色の髪の人物。
    あまり甲高い声ではなく、それでいて完全にハスキー、という声でもなく。
    だがしかし、声の特徴から・・・・この人物が男性、というのは明白。
    近づいてみれば、囲まれていたのは金色の髪に碧い瞳の。
    結構かなりの美少女。
    年のころならば、自分と同じくらいか少しした程度か。
    「あんたら、こんな昼間から、何か弱い乙女をいじめてるんだ?」
    ごろつきたちに囲まれている女性のそばにと近寄り。
    いかにも、悪党です、と言わんばかりの男性たちにと声をかける。
    そんな彼の言葉に。
    「おかしら!何かわけのわからんやつがでてきましたが!?」
    「ええい!?しゃらくせぃ!この女とも男ともわからんやつも一緒に始末しろい!」
    ぷっちり。
    「誰が男女だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!黄昏よりも暗きもの血の流れよりも赤きもの・・」
    その言葉にぷつり、と切れて。
    早口に呪文をまくし立てる。
    そして。
    「ドラグ・スレイブ!!!!」
    ちゅどごぉぉぉぉぉん!
    森の中、ちょっとした・・・・という規模ではない爆発音が鳴り渡ってゆく。
    ぽっかりと出現したクレーター。
    そして。
    「・・・・・・・・・あ、あの、ありがとうございました。」
    なぜか無傷で、しかも、その手に何やら青白い光を放つ剣を両手で構え。
    どうやら今の攻撃をしのいでいたらしいが。
    光の刃を収めつつ。
    栗色の髪の人物にとお礼の言葉をいってくるその人物は。
    どこからどうみても、美少女、といっても過言でない、小柄で華奢な一人の少女。
    「って!?今のそれ!?光の剣じゃ!?」
    だがしかし、その女性の容姿よりも彼女がもっているその剣にと目を向ける、
    今、とてつもない呪文を放ったその人物。
    「え、ええ。そえですが・・・・」
    「助けたお礼にそれ頂戴!」
    どでっ!
    その言葉に顔からこけているその女性。
    「あ・・・・・あのぉ?」
    「何?悪党に絡まれてたの助けたのは事実でしょ?
     だから、それ頂戴v」
    起き上がりつつも。
    ふと、その人物に目をとめ、一瞬目を見開くその女性。
    ・・・・どこかで・・・・
    だが、それよりも。
    思わず。
    ぽっ。
    少し頬を赤らめ。
    「な、何はともあれ、助けていただきましてありがとうございます。
      私、ララといいます。あの、できればあなた様のお名前は?」
    「私?私はリナンよ。」
    気配でわかる、この人物が男性だ、というのは。
    それに・・・・・・どこかかなり懐かしい。
    「とりあえず助けたお礼にそれ、くれない?」
    口調だけは厳しく姉に仕込まれているがゆえに。
    かなり丁寧な口調となっている、リナン、と自己紹介したその人物。
    その丁寧な口調と小柄な体系ゆえに、よく女性と間違われ、男女とかいわれるのだが・・・・
    それはリナンにとっては禁句。
    それを言ったが最後、この世界で最強、といわれている、黒魔法の攻撃呪文。
    ドラグスレイブが炸裂する。
    栗色の髪に紅い瞳の魔道士リナン=インバース。
    その名前を知らないものは・・・いない。
    そしてまた。
    ララ。
    と名乗ったその女性もまた・・・
    「それは困りますわ。私、旅の傭兵家業をしているもので、剣がないと・・・
     あ、どうでしょう?それでしたら、ご一緒に旅をしていただく、というのでは?
     それでしたら必要なときにお貸しできますが?この光の剣?
     私、ララ=ガウリイ=ガブリエフ。と申します。
     ちなみに、ガウリイ、という名前はどうしても父がその・・・・男の子がほしかったとかで・・・・」
    すこしもじもじしつつ答えるそんな少女のその言葉に。
    「・・・・・・なるほど。まあ、悪くないか。それじゃ、決まりですね。」
    何しろ伝説の光の剣。
    機会があれば、どうにかだまくらかしてもらえることもできるし。
    そんなことを思いつつ、少女の提案に乗っているリナン。
    とりあえず、しばらく、いい子ぶりっ子して。
    この人の信頼を得ましょう。
    何かこの人・・・・素敵ですし。ぽっ。
    そんなことをララ、と名乗ったその人物が思っているなどとは・・・・リナンは知らない。
    彼は子供のころから実は男として育てられていたがゆえに。
    実は・・・・・・・・口調はかなりの男勝りである・・・という事実がそこにあったりするのであるが・・・・

    運命は・・・・時間と空間を超え・・・・そして今。
    再び、今度は初めて出会ったときとは違う形で二つの魂は邂逅を果たしてゆく。



   

    時と、時間と、空間も、何も関係なく、それでいて結びつく強いつながり。
    それは、それらの魂の強い思いがゆえ。
    強い願いはいくら転生し、魂を再構成されたとしても、かならず残る。
    それを選ぶか否かは・・・・そのときに誕生した当人しだい。
    



    新たな運命を切り開くか、それとも、魂にと刻まれている強い思いを優先させるか・・
    

    それこそが―――



    ――――狭間の選択――――――
 
                             -終わり♪ー

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    あとがきもどき:
       薫:終わりましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
       L:あたしの活躍がまったくないんだけど?
       姫:私も・・・・・
       F:私のもありませんわ・・・・
       薫:・・・・・ぎくっ(汗
         まあ、いいたいことはいったし。最後に・・・・
         あとは実はスミレちゃんが実はかなりフェアリーには甘・・・・・
    
      ぽぐっ!

       姫:さってと、何かいきなりどこかにいった薫さんはとりあえずほっといて。
         何かこのガウリイさん、フェアリーの子供なのに活躍がない、というか・・・
       R:それをいうなら、私こそ・・・・
       L:あら、ルビーちゃん。
       R:私なんかほとんど名前だけですよ・・・・・・・くすん・・・・
       姫:そうよねぇ。まあ、そのあたりは後でしっかりと薫さんに説教でもしましょうかv      L&R&F&姫:
          賛成!
       姫:とりあえず、長く続いたこの狭間もようやく終わりです。
       L:はじめのころは、何か気分がのったからって。
         連続して打ち込みしてたのに、ぱったりと。
         やめて早一年近く・・・・
       F:・・・・ま、気まぐれの薫さんですし・・・・・
       姫:・・・・そね。
         何はともあれ、私たちがまったく!活躍してないにもかかわらず。
         しかも、薫さんいわく、『何か支離滅裂で文章になってない!?』とわめいて、
         自覚しているこの狭間にお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
        L:あとは、あたしの漫遊記も番外&本編ともども、やってくれればいいんだけどねぇ。
        F:姫様の小説もまだこの薫さん、打ち込みかけですしね・・・・
        R:それをいうなら、確か美智絵様とかの小説もでなかったですか?
        姫:・・・・・そのあたりもまとめてお説教タイムはきっちりと・・・ね♡
        L:まあ、何はともあれ。
        姫:それでは、皆様。
    R&F:この小説の存在すべてに成り代わりまして。
         ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます!
       姫:それでは、またいつか、どこかでお会いしましょうね♡
       L:それでは、まったね♡


     (彼女たちの会話が終わったあとに幕が下ろされ・・・・
        後には、何かどす黒い何かの湖の中に転がる物体がひとつとりのこされてゆく・・・・)