何か戦いがあっけなさすぎ?
まあ自覚はありますが。
リナをどうにかしよう、としたものの末路ですな(まてや)
何はともあれ、いくのです。
#####################################
永遠の邂逅 ~レヌール城のお化け退治?~
普通に町の入り口を守っていれば。
対外の侵入者などは防げる。
まあ、このあたりにいる魔物もまた、あまり空を飛んで、しかも人が住んでいる町の中にまで。
進入してこよう、というような凶暴なものはいない。
だがしかし、このご時世、野には、人を襲う魔物、と呼ばれている生き物もあまたといるわけで。
よく魔物に襲われて死んだとか、怪我をした、という話はもはや日常的なもの。
だからこそ、たいていの村や町などにはこうしてガードマンを雇っているのだが。
もっとも、あまりに平和で夜になると、寝てしまうそんな彼もどうか、とはおもうのであるが。
それでも、しっかりと町の唯一の出入り口をふさいでいれば、問題はないのではあるが。
そうではないのだから、何のための雇っている人物なのか。
ともいいたくなる。
まあ、確かに、小さな町程度で雇えるやからはその程度の存在であろうが。
そんな見張りをしつつも寝ているその人物の姿を見下ろしつつも。
ゆっくりと、ゆっくりと空たかく舞い上がってゆくリナとガウリイ。
もっとも、体格さからして、リナが術を唱え。
ガウリイがそんなリナを後ろから抱きかかえている、という格好になっているのだが。
ガウリイが、飛行の術が使えない、とリナは思っているがゆえに。
事実はリナがそばにいれば、使えるのだが。
だが、それは、ガウリイはリナにはいっていない。
少しでもリナと触れ合う時間を作りたいがゆえに。
町の北側にとある、かつての古城。
そこはかつては反映を極めた城であったのだが。
あるとき起こった戦争と、そしてまた、その城に子供がいなかったこともあり。
今では訪れるものはいないほどに、静かにたたずんでいたりする。
当時の戦争をまとめたのが、他ならない、このあたりを当地している、
レテディウス王家であるのだが。
このあたりはすべてはレテディウスの領内。
「そういえば、ガウリイとここにくるのって、久しぶりよねぇ。」
「まあな。」
「よく前はゼルとガウリイとあたしの三人でここまで遊びにきてたけどね。」
その言葉に思わずむっとなるガウリイ。今はゼルのことは関係ないだろ?」
幼馴染の一人である、人物の名前をリナが呼ぶたびに、思わずむっとなってしまうのは。
ガウリイが彼に対してやきもちを焼いているからに他ならない。
まあ、ガウリイはリナが自分以外の異性と話しているだけでかなりやきもちを焼くので、
まあ、それは仕方がない、ともいえるのだが…
「それもそうね。さってと、あの子助けるためにも。
とっととここの城の中に住み着いてるやつ、というの駆除しないと。
というわけで、ガウリイ?何の気配感じる?」
いいつつ、にっこりと。
城の敷地内にと入り。
城の正面玄関の前にてたたずみ。
にっこり笑ってガウリイにと問いかけているリナ。
「そうだなぁ。とりあえず、ゴーストの気配がかなりと。
あとは、幽霊の気配が数個。あとは、なんでか、それらを人質にしてるがゆえに。
成仏できないこの城の主らしき人物たちが二人?かな?
後はどうも魔物みたいだぞ?魔族、とかいうのではないし。」
そんなリナの言葉をうけ、さらりと。
中の気配を説明しているガウリイ。
「んで?どこがあいてるわけ?正面から乗り込んでたら、何なんでしょ?」
「ま、それは基本中の基本だが、とりあえず、この城の本来の主たちのところにいってみるか?
とりあえず、地下にどうやら王妃、でもって、あのあたりに王がいるみたいだけど?」
さらりと、的確な意見をいっているガウリイの言葉に。
「うーん、あんたの意見、というかその勘、はっきりいってあたるからねぇ。
というか絶対に間違いないし。とりあえず、そうね。
話できる状態なら、聞いてみたほうがはやいかもね。というわけで、ガウリイ、案内、お願いねv」
にっこりと、横にいるガウリイにと微笑みかけるリナ。
うっ、か、かわいい…
そんなリナの笑顔に思わずみとれつつ。
「ああ、わかった、こっちだ。」
いいつつも、裏手にまわってゆくガウリイと。
そんなガウリイの後ろからついていっているリナ。
表から堂々とはいってもいいのであるが。
何しろ扉がさび付き開きそうにない。
ゆえに、裏手にある入り口から中に侵入することにしているこの二人。
そのまま、裏手の階段を上り、城の中にとむけて進んでゆく。
ザッン!!!!!!!!!
暗い部屋の中。
部屋の中に入るなり、何やら切り裂く音が鳴り響く。
「ガウリイ?」
とりあえず不振に思いつつも。
「明かり(ライティング)!!」
あまりに暗すぎるためにと魔力の明かりを短剣の先にとともしているリナ。
「どうしたの?」
きょんとして問いかけるリナに対し。
「いや、何でもない。」
いいつつにっこりと微笑んでいるガウリイ。
魔力の明かりが真っ暗な部屋の中をほのかにと照らしてゆく。
リナは気づいていない。
部屋に入ってきたもの…つまり、リナを捕らえようと。
そのあたりにある棺おけから、スケルトンが躍り出て。
リナを捕らえようとしていた、ということに。
それに気づいて、部屋に入ると同時に、あっさりと剣を一閃させ。
それらをあっさりと消滅させているガウリイに。
「何でもないさ。それより、リナ、奥にいこうぜ。」
いいつつも、くしゃりとリナの髪をなでているガウリイ。
「んもう!だから、髪が乱れるからそれはやめぃぃ!」
いいつつもガウリイに抗議の声をあげ、そんなガウリイの手を払いのけているリナ。
そんなやり取りをしつつ、二人はそのまま、裏手にある扉の中から。
城の中にと入り込んでゆく。
レヌール城。
二年ほど前にここにやってきたときには。
この城もこんなに寂れたようにはなっていなかったはず。
そんなことを思いつつ、リナはとりあえず、ガウリイが示した地下にと向かってゆく。
さすがに、かってしったる城の中。
伊達に物心ついたころから、幼馴染であるガウリイや、そしてこの国の王子でもあるゼルガディスと。
共に大人に内緒で冒険や、そしてこの場でかくれんぼなどをしていただけのことはある。
勝手知ったる城の中。
「確か、たいてい、ソフィアさんはこの下にいたわよねぇ。それか屋上に。」
そんなことをいいつつも、よく遊んでもらっていた彼女がいるはずの場所にと。
向かっていっているリナ。
「まあ、今はここに住み着いているやつの影響で、二人が一緒に安らかに寝られないみたいだがな。」
そんなことをリナの斜め後ろからついていき、いっているガウリイ。
「うーん、とりあえず、ソフィアさんとエリッグさんに聞いてみたら、
今回、この城に住み着いてる、とかいうやつらのことわかるかもしんないし。」
伊達によくこの城で遊んでいたわけではない。
リナ達は、この城の本来の主である、ソフィア王妃とエリッグ王。
彼ら二人にたいして面識がある。
いや、そういえるのか、彼らの霊体と面識がある、といったほうがいいものか。
何しろすでに王と王妃はこの世のものではなく、魂だけの存在として、
この城で安らかなる眠りについているのだからして。
「まあ、多分以前彼らがいってた、何かのモノ、あれが関係してるような気もしなくもないけど。」
よく昔話などをせがんでは聞かせてもらっていたリナ。
まあ、相手が幽霊、というのにまったく動じない、というのもすごいものがあるにしろ。
何しろ、二人は昼間でも、旅人や、そしてリナ達のような子供たちを暖かく迎え入れてくれていた、
いわば害のない幽霊。
怪談話とかはとことん苦手なリナではあるが。
こうした実体験は苦手、というよりは、話よりも目に見えているから平気。
という性格の持ち主。
「まあ、そうかもな。」
ソレが何なのか知っているだけに。
そんなことをいっているガウリイ。
そういえば、ここに天空城、というか元ゼニス城から、ゴールドオーブが落ちてたしなぁ。
多分あいつらの狙いはそれ、しかないんだろうがな。
そんなことを思っていたりするこのガウリイ。
だがしかし、別にリナに聞かれているわけでもないので。
そのことに関しては話していないガウリイ。
「あ、そろそろ、ソフィアさんの地下の寝室につくわね。」
さすがに勝手しったる城の中。
迷うことなく、そのまま地下にと向かっているリナとガウリイ、この二人。
そんな会話をしている間に。
やがて二人は目的の場所にとたどり着く。
「…あら?リナちゃん?ガウリイちゃん?」
聞き覚えのある、それでいてどこかすべてを包み込むようなやさしい声。
だが、その声はリナが知っているその声と違い、どこか悲しみを含んでいる。
「ひさしぶりー!ソフィアさん…って、元気そうじゃ…ないわね?
何かここにお化けが住み着いた、とかきーたんだけど…」
しばらくぶりに見る子供は
以前よりも成長している。
そんなリナの言葉に少し微笑んでいるその姿の先には回りの家具などが透けている、
金色の髪をしているやさしそうな雰囲気をもっているその女性。
「まあ、それでわざわざ?…そうなのよ。ここしばらく、この城に、悪意をもったモノが住み着いて…
今まで眠りについていた城のものたちの魂すらも無理やりおこして。
毎日のように広間にてダンスパーティを開いてるのよ…
しかも、うわさを聞きつけた人間とかを料理して、楽しんでるの…
私たちにできることは何もない…力のない自分が恨めしいわ…」
そういいつつふっと、悲しみの表情を浮かべているソフィア、と呼ばれたこの女性。
「ところで?おじさんは?」
とりあえず、リナがソフィアにばかり話しかけているのでこれまたやきもちを焼いているガウリイ。
というか、相手が女性の霊に対してまで、やきもちを焼くガウリイもどうか、とも思うのだが…
そんなガウリイの言葉に。
「エリッグなら、おそらくは、どうにかして、アレをここから追い出す方法を。
いまだに模索中のはずですわ。確か、最上階の私たちの細工されているお墓。
その下のテラスにいるはずですが…」
そういえば、ここにくる途中でよった二人のお墓が、何か悪趣味な文字に変えられてたっけ。
そんなことをふとリナは思う。
ちなみに、本来ならば、
- ソフィアへ 永遠の愛をこめて ―
と書かれているそれが、『リナのお墓』。となっており。
そして、その横には、― エリッグ王 ここに眠る-
という文字が『ガウリイのお墓』。となっているのに気づいたのは先ほどのこと。
「うーん、とりあえず、あたしたちも、ここに住み着いた悪党に用事があるし。
あ、少しきくけど、多少少々呪文とかつかってあばれてもいーい?」
そんなリナの言葉に。
「…リナちゃん、もしかして、ドラスレ使う気ですか?あれは、いくらなんでも城が壊れますわ…」
そんなリナの様子にようやく心からの笑みを浮かべているこのソフィア。
「やっぱしだめか…」
まあ、あの術でたいていのものは、駆除できるんだけどなぁ。
そんなことをリナは思っていたりするのではあるが。
だがしかし。
この世界では、すでに伝説、とすらなっている、魔王の中の魔王。
赤瞳の魔王の攻撃呪文があるなどと、いったい誰が想像できようか。
ソフィアはかつてそのあたりの知識などをかじっているがゆえに。
リナがソレを使える、としったときも、あとはすでに自分自身が死んでいる、ということもあり。
あまり驚かなかったのであるが。
「うーん、ま、どうにかなるか。あ、安心してソフィアさん。
悪いやつは、あたしとガウリイが追い出してやるから!
何しろ、あたしもあたし自身の身の安全がかかってるし…」
早くあの動物を保護しないと、姉ちゃんにどんな目に合わされるか・・・
それを思うと思わず身震いしてしまう。
そんなリナの言葉をきき。
「まあ、リナちゃんたちがあれを?でも、あれは強いわよ?」
驚愕の目を見開いているソフィア。
「大丈夫!いくら強くてもうちのねーちゃんほどじゃない!」
どきっぱり。
きっぱりと断言し。
そして。
「で?まあ、用はソフィアさんたちも何も打つ手がないみたいだし?そいつはどこにいるの?」
にっこりと、それでいてその瞳に少しばかり姉というか、実は母なのであるが。
そんなルナに対しての恐怖を揺らがせつつも。
ソフィアにと問いかけているリナ。
そんなリナの真剣さを感じ取り。
「…わかりましたわ。でもリナちゃん、くれぐれも無理はだめよ?侵入者がいるのは・・・・・・」
そんなリナに根負けして。
侵入者のボスがいる場所を教えているソフィアの姿が。
ここ、レヌール城の地下の一室にて、しばし見受けられてゆくのであった。
「ここね。」
いいつつも、横にいるガウリイにと目配せする。
「とりあえず、先手必勝!いいわね?ガウリイ?」
「はいはい。」
ガウリイの手に握られているのは。
一振りの剣。
そして、それは、なぜか柄の部分、だけだったりする。
これこそが、ガウリイの家に代々伝わっている、という、伝説の光の剣。
と呼ばれている代物。
だがしかし、ガウリイは知っている。
これの正体が、自分の家に仕えているふりをしているゴルンノヴァそのもの。
である、ということを。
どうやら、こちらも何かあるらしく。
その精神体を人と、剣と二つにと実体化しているゴルンノヴァ。
彼が人でない、というのを知っているのは、ガウリイは当然のことより。
ほかにはルナとレイスのみ。
まあ、フィルなどは当然知るはずもない事実。
「光よ!」
ヴッン!
ガウリイの言葉とともに、刃のないはずの剣の柄に、光の刃が出現する。
「さっ、悪人退治にいくわよ!」
そう言い放ち。
そのまま。
バッン!!
勢いよく扉を開いてゆくリナ。
「うん?何やつだ?」
扉のその先。
そこは、玉座の間。
玉座にと座っているのは、ひとつの影。
ゆったりとしたローブに身を包んでいる一人の老人のようなその姿。
「悪事もそこまでよ!というか、この城から出て行ってもらうわよ!
というか、ソフィアさんたちの平穏、返してもらうわよ!」
いいつつも、びしっとそれにむけて指をつきつけて言い放っているリナ。
「ほう。これはかわいらしい子供たちだこと。…部下たちも・・・・・・」
そういいつつ、手元にあるロープを引っ張ろうとし、少し動くその人物は。
びくっ!
次の瞬間には、言いようのない恐怖にかられ、思わずその場にて凍りつく。
みれば、何やらいっている人間の少女の後ろにいる少年が、
自分にすざましいまでの殺気を向けているのに、いやでも気づく。
動こうにも動けない。
こんなことは今までにはなかったこと。
「さあ!観念してもらいましょうか!」
リナが言い放つが、相手はいまだに動けない。
な…何なんだ?この子供は?
彼は…今まで、生まれてこのかた感じたことのない、言いようのない恐怖を味わいつつも。
完全にその場にと凍りつく。
「とりあえず、あまり長いして、遅くなっても姉ちゃんにどやされるし!
ということで!ガウリイ!いくわよ!エルメキア・ランス!」
ぽひゅっ!
リナのその術が合図となり。
戦いの火蓋はきって落とされる。
というか!?何だ!?この術は!?
彼はこんな術などは知らない。
何なんだ?!この子供たちは?!
そんなバニックに陥りつつ…彼はそのまま、リナ達の思惑通りに巻き込まれてゆく。
対抗できる手段があるはずもなく。
知りえない術に驚愕し、さらには見えない力ににらまれているように動けない。
そんな中。
「ガウリイ!」
「おう!!!!!!!!!!」
リナの声をうけ。
そのまま、右往左往しているそんな彼の横にとガウリイが回り込み。
そして、次の瞬間には。
ざっ・・・・ん…
いともあっけないほどに、戦いの幕は落とされてゆく…
勝てるはずもないのである。
何しろ、彼が知っているのはこの惑星上のみに存在している一般普及している力のみ。
そして、リナ達が使っているのは。
まったくそれとは異なる力。
力の特性からすれば、リナ達の方のが格段に威力もレベルもランクは上。
そして…何よりも。
一番の彼の敗因は。
リナとガウリイを一緒にしたにいる部下たちの食事にでもしよう。
と考えたことであろう。
リナのそばにいるガウリイはそのあたりの考えすらも簡単に読み取られるがゆえに。
ゆえにこそ。
彼は、ガウリイの殺気を向けられ…行動不能に陥った。
という事実があるのだが。
だが、それは、気づくこともなく、そのまま、あっけなくも消滅してゆく哀れな名前も名乗れなかったその存在。
やがてその姿は完全にと塵とかし、空気の中にと溶け消えてゆくのであった…
「何か暴れたりなぁぁぁぁぁぁぁぁぃぃぃぃぃぃぃい!」
リナの違う意味での悲鳴が巻き上がったのは…いうまでもないこと・・・・
-続くー
#####################################
あとがきもどき:
薫:戦いの様子、いともあっさりとあっけなさすぎですな(汗
まあいいさ。メインでないし。あっさりしたほうが(まてまてまて)
次回でゴールドオーブ入手と、そして、妖精の国だぁぁ!んではでは!
また次回にて・・・・
2004年5月20日某日
TOP BACK NEXT