さてさて。
今回、レイス登場ですv
何か哀れなのが似合っている、というのはやっぱりあとがきの影響か!?(爆!
何はともあれ、いくのですv

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    永遠の邂逅  ~レイスといじめっ子?~



「いやぁ、しっかし、ラッキーだわ。やっぱ荷物もちがいると。収穫も違うわよねぇ。」
ほくほくしつつ、とりあえず、めぼしくないようなものは道具やにて売り払い。
ある程度の資金を調達しているリナ。
もっとも、洞窟の中で見つけたちょっとかわったようなものは。
リナ曰くそれらは姉であるルナへの手土産にする気なのであるが。
「て゜も。リナ?薬ができたら、お前、あっちに戻るんじゃぁ…」
そのことに気づき、思わずしゅんとなっているガウリイ。
「まあね。とりあえずレイス兄ちゃんに早く薬飲ませないと。あれはちょっと鬱陶しいわ。」
ふっ。
ふと、家で寝ている兄、と呼んでいる実際は父親なのであるが。
その人物のことを思い出して遠くを見つめているリナ。
「そんな…せっかく、リナとしばらく二人っきりになれると思ったのに…」
いいつつも、なぜかその場にて、ぶつぶつとつぶやきいじけ始めているガウリイ。
「??何あんたいじけてんのよ?」
リナにはどうしてガウリイがいじけているのか理解不能。
「だって…せっかく、生身のリナにようやく二年ぶり!に会えたんだぞ!?」
などといっているガウリイに対し。
「はっ!そういえば!あんた、無断で人の夢の中にはいってくるのはやめてよね!
  というか、この二年の間毎日だったじゃないのよ!おかげで楽しい夢がみられなかったじゃない!」
そんなガウリイの言葉にふと思い出し。
思わず抗議の声を上げているリナ。
今のガウリイの言葉で思い出したのであるが。
この二年間、毎日のように欠かさず、夢にガウリイがリナの夢の中にと出てきたのである。
リナが文句のひとつもいいたくなるのも、わからなくもないが。
「お!リナ、寝ているときの夢のこと、覚えててくれたのか!?」
ぱぁ!と瞳を輝かせているガウリイ。
たいていリナは熟睡するがゆえに。
夢の内容をあまり覚えてないのである。
「いやぁ、毎晩のように、精神離脱して、リナの夢の中にはいっていったかいが・・・・」
「おもいっきり、それは人権侵害じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
すばばこぉぉぉぉん!
あたりに子気味よいリナが懐から取り出したスリッパの音が響き渡る。
ものの見事にガウリイの頭を直撃しているスリッパ攻撃。
リナ曰く、何でもこれは、『乙女のたしなみ』であるらしいのであるが…
まあ、リナの意見もわからなくはない。
何しろ毎晩のように人の夢に無理やりに入り込まれては…
それができる、というのがものすごいことなのであるが。
だがしかし、リナの両親、というか表向きには姉妹と姉夫婦、となっている彼女の家族が。
はっきりいって普通でないがゆえに。
その程度ではまったく動じなくなっているリナであるのだが。
「とにかく!今度やるときには!それなりの進入料、もらうからね!
   とりあえず、今後はずっとしばらくは食事とかは全部ガウリイのおごりね!」
さりげに催促しているリナ。
まあ、その程度で済まそう、というか夢に進入されたことをあげて。
食事をおごらそうとしているリナの考えはさすが、というよりほかにはないが。
「おう!リナがそれでいいんだったらいいぞ!!」
「?何であんたは、人がおごれ、といってるのにそんなにうれしそうなわけ?」
どうしてガウリイが喜んでいるのか…まったく理解していないリナであった。
まあ、まだ四歳、というのであるからして、仕方がない、といえるのかもしれないが。
だがしかし、リナは昔からここの世界に誕生するより前から、この性格なのだからして、
ガウリイがずっと苦労しているのは言うまでもない事実。
そんな会話をしつつも。
とりあえず、どうでもいいような品物はお金にと変えて。
そのまま、ガウリイの家にと戻ってゆく二人の姿が。
すでに夜が近づいているのを指し示す夕焼けの中。
小さな村の一角にて、しばし見受けられてゆく。

「おう、戻ったのか。リナ殿にガウリイ。
  そういえば先ほどルナ殿から伝言があってな。
  何でもルナ殿は宿屋で泊まるらしいから、久しぶりだろうから、
  リナ殿はここで泊まって『明日、家に戻るわよ。』ということらしいぞ?
  まあ、積もる話とかもあるだろうて。
  それに確かリナ殿はうちのゴルの手料理がすきじゃったよな?
  それとも、何かの?このワシの手料理でも久方ぶりに…」
『う゜っ!!!!!!!?』
にこやかに、笑いながらも…といっても、顔が顔なので。
彼を知らないものがみたら、間違いなく気絶するか、引くことは間違いなし、なのであるが。
だがしかし、彼ら、というか、そこにいる、どうみても、間違いなく、ちょっと小柄のドワーフもどき。
ひげを生やしたしいていうならば、いかにも盗賊のおやぶんです。
といわんばかりの顔をしているその人物…フィリオネルの言葉に。
思わずうめいたのは。
何も彼が笑ったからではない。
「ちょっ、ちょっと、フィルさん…それは、あたしは遠慮したいなぁ…」
何やら乾いた声でそんなことをいっているリナに。
「あ、オレ、ゴルの久しぶりの手料理がたべたいな。
  な、ゴルもフィル父さんやオレたちに手料理、たべてほしいよな?」
がっし。
にこやかに微笑みつつも…だがしかし、その雰囲気から感じ取られるのは。
絶対零度よりも低い笑み。
そんな笑みを浮かべつつ、傍らにいるまだ若い二十歳そこそこの男性の肩を。
がっしとつかんでいるガウリイ。
そんなガウリイの様子に冷や汗を流しつつ。
「え、ええ、是非ともに、だんな様にも食べていただきたいです。はい!」
即答しているゴル、と呼ばれているこの青年。
ま、まあ、この無言のさっきに否、と言える存在などいるはずもないのであるが…

彼ら、というか、この場にいるのは、リナ、ガウリイ…そしてゴル、と呼ばれたゴルンノヴァ。
この三人と、そしてフィリオネル、と呼ばれている男性の計四人。
そしてまた、彼らがフィリオネルの言葉、すなわち、『食事を作る』というのにしり込みしたのは。
まあ、何というかその…彼の手料理はともかく、豪快なのである。
たとえば、そのまま、ヘビなどを丸焼きにしたりとか…
あとは、食べられるかどうかわからない代物まで、食べて見なければ、わからない。
といっては、毒のはいったモノをいきなり食事にだしたりとか…
あと、味がはっきりいってとてつもなく味付けがひどいのである。
いったいどこをどういう風にしたら、そのような味になるのか?
というような代物が出来上がるのである。
ゆえに。
リナたちが思わずうめいたのはそういう経緯もあるのだが…

「とりあえず、久しぶりに戻ってきたことですし。
  リナ様やガウリイ様、そしてだんな様たちとともに、食事会、とでもしませんか?私、腕を振るいますので。」
だらだらと冷や汗を流しつつも、狭いリビングにて、ゴルンノヴァの声のみが。
しばし響き渡ってゆく……

とりあえず、全員の説得(?)もあり。
食事はゴルンノヴァが作ることで合意を得。
その日の夜、ちょっとした食事会が、ガウリイの家にてしばし繰り広げられてゆく。



「おはようございます。フィルさん、相変わらず朝も早いですわね。」
くすっ。
思わず笑みをこぼしているのは。
こちらもまた、朝も早くから、外にでて、朝の新鮮な空気を吸っている一人の女性。
「おう、ルナ殿か。さすがにガウリイは長旅の疲れからか、まだ寝てるからなぁ。
   だが、早起きは三文の得、ともいうしな。」
がっはっはっはっ!
などと笑い、いいつつも、なぜか上半身裸で、その首にはタオルをまき。
といっても、元々はきちんと上着を着ていたのであるが。
何でも彼…フィリオネル曰く、『汗をかくから邪魔』といって。
こうして彼は毎日の朝と夕のジョギング時には上半身裸、というスタイルで。
走っているこのフィリオネル。
まあ、さすがに、これをはじめてみれば、間違いなく気絶するのは間違いないのだが。
だがしかし彼の姿、形はもはや見慣れたもの。
そんなことを思いつつ。
「まあ、早起きするのはかまいませんけど…まだ日ものぼってませんことよ?」
いいつつも、空を見上げているのは、黒い髪に紅い瞳の二十歳前後の若い女性。
「まあ、走るのは、こうした日が昇る前がいい、となぜかゴルに言われてなぁ…」
などと首をかしげているこのフィリオネル…通称、フィル。
ま、まあそうでしょうね。
そんなことを額に一筋汗を流して思いつつも。
「あ、そうそう、とりあえず、今日私は、リナを連れて戻りますけど。道中、護衛をしてくださいません?」
というか、そうしないと、どうやらいけないみたいだし。
などと心の奥ではそんなことを思いつつ、だがしかし、表面上はまったくそんな様子は微塵もみせず。
にこやかに、目の前にいるフィルにと話しかけているこの女性。
「おう、それもそうじゃな。何しろ女性の二人旅、というのは、いくら近い位置でも危険じゃからの。
  あいわかった、それにワシもレイ殿のお見舞いにもいきたいことじゃしの。
  では、後から、迎えにいくのでよいかの?」
首にかけているタオルで汗をふきつつ、いってくるそんなフィルの言葉に。
「あ、いえ、用意ができましたら、こちらから伺いますから。
  とりあえず、食事を済ませてから出発、ということで、いかがです?」
にっこりと。
なぜかその後ろ手には、一冊の本が握られていたりするのだが。
それをフィルの目から隠しつつ、にこやかに話しかけているルナの姿が。
村の中にと流れている川のほとりで、しばし見受けられてゆく。


朝食も終わり、太陽もちょうどいいころあいに昇りかけているそんな時刻。
村人たちもまた、それぞれの仕事、つまりは畑などにと繰り出し。
作業を開始せん、としているそんな時刻。
まだこの惑星には時計、というものは存在しない。
かつてはあったらしいのであるが。
だがそれは、古の文明に過ぎない。
…最も、この惑星そのものが、かの御方達が、とあるゲームをやって。
面白そうだから、という理由で、その設定のままにちょこっと改正して。
この惑星世界を作り出しているのは一部の者しか知らないこと。
この惑星に生きる普通の存在たちは当然そなことは知るはずもなく。
この惑星の人、それぞれが思い思いのままに生活している、というのが今のこの世界の現状。
だがしかし。
そんな平和になれた人々や存在たちの裏で。
確実に、この世界を恐怖に陥れよう、としている存在がいないわけではなく。
そして、それは…それこそが、この世界ができた一番の出来事。




「よし、用意はいいな?ガウリイ?」
「あ、はい。」
すでに、リナは一度宿の方にと家に戻るためにと戻っている。
それゆえに、少し元気がないガウリイ。
-最も、リナの方はまったくそんなことはないのだが。
「よし、いい返事じゃ。これから、ルナ殿とリナ殿を護衛して、
  フレアナの町にといくが。とりあえず、レイス殿にも挨拶せねばな。今彼は風邪を引いているらしいからのぉ。」
まあ、表向きは風邪、とはなっているが。
普通の風邪ではない。
何しろ基本的に精神生命体である彼が風邪、などといった物理的な病気にかかるはずはないからして。
…最も、そのことはこのフィルは知らないのだが。
「それでは、いくかの。」
「お気をつけてくださいね。旦那様。そしてガウリイ様。」
いいつつも、エプロンをしたままその手に白いハンカチをもち。
手を拭きながら見送りにでているゴルンノヴァ。
「ああ、それではまた出かけるが、ゴル、留守はたのむな。」
「はい。」
そんなやりとりをしつつ、そのまま家を出ているこの二人。
フィルとガウリイ。
家を出たところで。
「それでは、よろしくおねがいいたしますわね。」
にっこりと微笑む女性と。
「つうか、何だって、姉ちゃんは、わざわざガウリイ達に護衛をたのむわけ?
   ほんの目とハナの先、一キロ弱しか離れてないのに・・・」
何やらぶつぶつといっているリナ。
「あら?リナ?文句あるの?」
にこやかに、それでいてまったく笑っていない笑みを向けられ。
「…ないです。姉ちゃん…」
だらだらと冷や汗をながし、その場にて固まっているリナの姿。
「それでは、いくとするかの。」
そんなやりとりをしつつ。
ルナ、リナ、フィル、そしてガウリイ。
この四人は、ここサンタローズの村を出て、隣にあるフレアナの町にと向かってゆく。


フレアナの町。
そこは、伝説の町、ともいえるのかもしれないが。
古の文献などが発見され。
それゆえに、それを研究などするために、ここレテディウスの王国が率先し。
研究者などを送り込み。
そして、それを軸として、町が発展していった、という町の言われがあるこの町。
そして、この町にとある一軒の宿屋。
そこが、リナの実家であり、そして、ルナが経営している宿屋でもあるのだが。
従業員は三人ほど。
「ルナ様。お帰りなさいませ。」
いいつつ、水色の髪に水色の瞳の女性が、出迎えてくる。
淡いウェーブの入った年のころならば、二十歳前後、といったところか。
「ただいま。アクア。あら?ほかは?」
ほかの二人の気配がここにないことに気づき。
問いかけているルナのその言葉に。
「ああ、あちらに今は戻られております。」
「そっ。」
にこやかにお辞儀をしつついってきているアクア、と呼んだ女性の言葉に。
それで済ませているルナであるが。
「あら?フィリオネルさん…それに…ガ、ガウリイ様!?」
ふと、ルナの後ろに人物をみとめ。
思わず叫んでいるアクアであるが。
「何だ?オレがいたら、おかしいか?」
そんなアクアの様子に思わずぷすっとしているガウリイ。
「い、いえ…あ…あはは。お帰りなさいませ。そうですか…もうそんな時期…」
いいつつ、こそこそと、何やら小さな本のようなものをみているアクアであるのだが。
「ひさしぶりじゃの。アクア殿。それで?レイス殿の具合はいかがかの?」
なごやかにそんな会話をしている大人たち。
「さってと。あ、ガウリイ。とりあえず荷物部屋においてきなさいよ。暇だし、外にでも遊びに行きましょ。」
大人の話はリナにはよくわからない。
聞いていても暇なだけ。
そんなリナの言葉に。
「おう!リナとだったらどこまでもいくぞ!」
満面の笑みを浮かべて、リナの案内で部屋にとむかっているガウリイの姿。
そんな二人が三階の部屋にと向かってゆくのをみつつ。
「…あ、あいかわらず、リナ様、ガウリイ様のあれにきづいてないのですね…」
「…まあ、リナス様だし…」
ぽつり、とつぶやいているアクアとルナの姿があったことは。
当然リナは知る由もない。




ベットに横たわる一人の人物。
ルナと同じく漆黒の黒い髪に紅い瞳。
この二人から、どうして栗色の髪の少女が誕生したのか。
それは、この二人は理由を知っている。
一応この世界では、ムスメ、として存在しているものの。
基本的には彼女は自分たちの上司に当たるがゆえに。
「おう、久しぶりじゃの。レイス殿。何か風邪をお召しになったとか。大丈夫かの?」
いいつつも、ひょっこりと顔をのぞかせたその人物に。
思わず目を見開き、あわてて、体の半分をベットより起こすその人物。
「フ…フィリオネル殿!?」
はっ!?ということは!?
彼がここにいること、それすなわち。
その意味を悟り、その横にいるルナにと視線を向けるが。
ルナはその視線をうけ、ただ無言で縦にうなづくのみ。
「おお、病人はむりしちゃいかん。」
「は…はぁ・・ごほっ!ごほほほっ!」
あまりに驚いたのでむせこんでいるこの人物。
この人物の名前をレイス=シャブラニグドゥ=ラグナ=インバース。
ルナ=スィーフィード=ラナス=インバースの夫、としてこの世界には存在している。
というか、何というか。
せきこみつつ、しかも、それと同時に赤い血を吐いているその様子は。
彼には何とも似合っている、と思えるのは、何も気のせいではないのであろうか。
「レイ、あまり無理したらだめよ。それこそ、また…」
また、お仕置きうけるわよ?
その最後の言葉はかろうじて飲み込んでいるルナ。
まあ、万が一フィルに聞かれ、突っ込まれても困るがゆえに。
「まあ、病気は万病のもと。お気をつけなされ。」
などというそんなフィルの言葉に。
「は、はあ、ありがとうございます。そうだ、せっかくですし、少しここに滞在していかれませんか?」
顔色を真っ青、というかほとんど真っ白にしながら、
笑みを浮かべてフィルにと話しかけているこの男性-レイス。
「じゃがのぉ。」
戻ってきたばかりじゃし。
そんなことを思うフィルに対し。
「あ、それいいですわね。ぜひともに滞在してくださいな。
  というか、それかガウリイ様だけでもしばらく置いてくださると、私たちとしては大変にありがたいのですが…」
何やら顔色もわるくそんなことをいっているルナ。
リナと離れ離れになったことにより、そのとばっちりは。
間違いなく自分たちに向けられることは明白であるがゆえに。
「うむ。それもそうじゃな。ガウリイもリナ殿と久しぶりにあって。しばらくは一緒にいたいじゃろうしな。
   あいわかった。レイス殿の病気が治るまでやっかいになるとしよう。」
まだ六歳の子供を一人置いて自分が帰るわけにもいかんしな。
そんなことをおもいつつ。
がははははっ。
豪快に笑いつつ、あっさりと決めているフィル。
その言葉を聞いて安堵のため息をついているルナとレイスの姿があったのは。
フィルは気づいてはいない。
その後ろでは、アクア、と呼ばれた女性もほっと胸をなでおろしているのだが。
三人の胸に飛来するのは、みな同じ。
―これで、どうにか、あの【攻略本】と同じストーリーにできそう(だ)(ですわ)…
ということのみ…



「う~ん、ご馳走様v」
いいつつも、なぜか両手に焼きイカと、そしてまた、焼きトウモロコシをもっているリナ。
「でも、リナ、本当にそれ、好きだよなぁ。」
「あら、ガウリイ、このこりこり感がいいのよ。…って、ん?」
ガウリイに酒場でリナの好きな食べ物でもあるトウモロコシとイカを買ってもらい。
ほくほくしつつ、町の中をガウリイと共に散歩がてらに歩いているリナ。
そして、あるきつつ、ふと。
何かの声をきき、思わず眉をひそめるリナ。
何というか。
表現のしようのない声、というか。
「ぷみゅりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~…」
何ともラブリーな声が二人の耳にと届いてくる。
「…って、あんたたち、何してるのよぉぉ!?」
ガガガッ。
とりあえず、一息に手にしたイカとトウモロコシを食べつくし。
そのままその残骸をぽいっとガウリイに手渡し。
その声がした方向にと駆け出しているリナの姿。
「あ、おい!リナ!」
ポシュ。
リナの見ていない場所でイカが刺してあった串と、そしてトウモロコシの芯を消滅させ。
あわててリナの後を追ってゆくガウリイ。


「な?こいつ面白いだろ?」
「というか、この羽、本物?」
「びゅみりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…」
などといいつつ、目の前にいる、小さな生き物の羽を引っ張ったり。
尾っぽなどを引っ張っている二人の少年。
年のころはガウリイと同じくらいか、またそれより二つくらい上程度。
少年たちがおもいっきりからかっているのは。
なぜか金色の体に黒光りする黒い羽。
ちなみに羽はまるで申し訳なさそうに少しばかりついているだけなのであるが。
そして、容姿的には、まるで猫のようなその体。
何とも【いったいこれは何?】というようなひとつの動物らしき生物。
ちょっと冒険して、町の裏にとある森に出かけたときに。
この生物を見つけたこの少年たち。
見たこともない生物で、しかも、ちょっとこづいたりしたら。
なぜかその口から黒いモヤのようなものを吐くがゆえに。
…子供としてはそれが楽しくて仕方がない。
その【モヤ】が何を意味するのは知りもせずに。
無知、というのは、何よりも一番恐ろしい事実…


「ちょっと!あんたたち!何してるのよ!!!その子をはなしなさい!!!」
彼らがその生物の体を引っ張ったりして遊んでいるとき。
彼らの耳に、彼らが心のうちではあこがれている少女の声が、耳にと届いてくる。
そして…それに伴い、自分たちに向けられている冷たすぎる殺気に。
思わず固まる少年たちであった。

この殺気の主は…間違えようもなく。
隣村、サンタローズの…ガウリイ=ガブリエフ…



                             -続くー

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あとがきもどき:
     薫:うっし!ようやくゲレゲレ(まて!)登場です。
        私としてはプックルが好きなので、プックルにしてますけどねぇ(笑
        ガウさん、リナが話しかけた人物に問答無用で殺気飛ばしてます・・・
        いくら記憶があるからって、六歳でそれはどーかと・・・・(汗
        何はともあれ、次回、お化け退治vですv
        んではではvv

       2004年5月15日某日


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