管理人よりの一言:
海藤雄馬さんから頂きました♡ありがとうなのです♡
ちなみに、ショートノベルです♪ちなみに、題名は勝手につけてくださいというので、勝手につけました(こらまて!!)
では、どうぞ♪リナの心情がとってもいいです♡
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記憶のかなたに・・・・・。
「お前、誰だ…?」
朝、とある町の宿で、目が覚めたガウリイがあたしに言った言葉がこれだった。
始めは冗談じゃないかと思った。
いくら、記憶力においては右に出るものなどいないとしても、
昨日まで一緒にいたあたしのことまで忘れるとは思えない。
でも、ガウリイの目が…いつもの優しげなものではなく、冷たい光を宿したものだった。
ガウリイ…?
昨日、あたし達はとある遺跡に行った。
あたし達というのは、お馴染みのメンバー、あたし、ガウリイ、アメリア、ゼルガディスである。
その遺跡には目ぼしい物もなく、ストレス解消に竜破斬(ドラグ・スレイブ)で遺跡ごと吹っ飛ばした。
だって、このあたしがわざわざ来たっていうのに…
お宝の一つや二つくらいあっても罰は当たらないわよ!
なのに!!
遺跡の中は空!!
遺跡の中を散策中、結構仕掛けとかはあったから期待してたのにぃぃぃぃ!!
あたしが、遺跡を吹っ飛ばしたのもしょうがないと言えるだろう。
吹っ飛ばした瞬間、なにか違和感を感じたが…。
「ガウリイ…?」
あたしは不安そうな声でガウリイを呼ぶ。
ガウリイは相変わらず冷めた瞳であたしを見ている。
あたしを見る目が、誰か知らない人でも見るような警戒するような瞳。
「何で、オレここにいるんだ…?」
自分自身に問うかのように呟くガウリイ。
「あんた、本当にあたしのこと分からないの…?」
嘘でしょ…。
けれど、ガウリイの瞳が嘘でないという証。
記憶喪失…?
と、とにかく、今のガウリイがどういう状態なのか知るのが先決だわ。
記憶喪失といっても、どの程度か…。
あたしが、ショックを受けていてどうする!!
「ガウリイ!あんた、自分のことは覚えてる?」
「…オレはガウリイ=ガブリエフ。18歳、今は傭兵をやってる。」
「18…?」
今のガウリイの歳っていくつなのかしら…?
そういえば知らない。
けど、どう考えても今18歳ってことはないわよね…。
ガウリイが自分の剣を不思議そうに見ていた。
「これ、オレの剣か…?光の剣は…。」
光の剣…?
ってことは、あたしと会う前まで記憶が後退したってこと…?
「光の剣は…まぁ、あたしのせいでなくなっちゃって、今はその斬妖剣(ブラスト・ソード)があんたの剣よ。」
「そうか…。」
どこか、諦めたような、ほっとしたような表情をするガウリイ。
「やっぱり、ゼルやアメリアのことも覚えてないわよね…。」
「誰だ?それ。」
やっぱりね…。
典型的な記憶後退。
何が原因かは分からないけど…。
「いい?ガウリイ。話しても覚えきれないかもしれないけれど、話とくわ。」
「おい…。」
何か文句がありそうなガウリイ。
「あたしの名前は、リナ。あんたとは3年くらい一緒に旅している仲間よ。」
「仲間…?」
ガウリイが眉をひそめる。
まるで、以外だともいうように…。
とりあえず、食堂まで降り(宿屋の下が食堂になっている)、アメリアとゼルの座ってる場所に行く。
「おはよ~。ゼル、アメリア。」
「おはようございます!リナさん、ガウリイさん。」
元気よく挨拶を返すアメリア。
ゼルはガウリイの様子がおかしいことに気付いたのか、怪訝そうな表情をしている。
「おい、ガウリイ。お前どうしたんだ?」
「ゼルガディスさん?ガウリイさんがどうかしたんですか…?」
やっぱ、ゼルは気がついたか…。
ガウリイの雰囲気がいつもと違うことに。
「どうしてか知らないけれど、ガウリイ記憶後退してるのよ。あたし達と会う前くらいまで。」
「ええええ?!ガウリイさん…ついにそこまで記憶力が退化してしまったんですね…。」
「そうか、ついに記憶することもできなくなって忘れることしかできなくなったのか…。」
「おい…。」
さすがのガウリイもアメリアとゼルを睨む。
「もしかして、リナさんのことまで忘れたんですか?!ガウリイさん!!
そんなの正義じゃないです!!ガウリイさん、リナさんの恋人じゃないですか!!」
「ちょっと!アメリア!!///」
「え?リナさん、まさかまだ、恋人同士になってないんですか?!!」
「まだも何も、あたしとガウリイはそういう関係じゃないわよ!!」
「リナさん!!自分の気持ちに正直にならないなんて正義じゃないです!!」
「あたしはいつも自分の気持ちに正直よ!!」
何てことをいいだすかな、アメリアは…///
「とにかく!!ガウリイがこうなった原因を探さないと!!」
「…そうですね。」
どことなく残念そうなアメリア。
アメリアが変なこと言うから、ガウリイが変な顔してるじゃない!
「オレ…お前さんとは恋人同士だったのか…?」
「違うわよ!!///」
即座に否定するあたし。
まともな顔してガウリイが言うからあたしの顔は真っ赤になる。
何か、変な感じだ…。
「お困りのようですね♪」
後ろからした声。
振り向くと、空間移動でやってきたのだろう、いつの間にかいた、ゼロス。
「何の用よ、ゼロス。」
「ガウリイさんがこうなってしまった訳、知りたくないですか?」
「知ってるの?」
「知ってると言ったらどうします?」
にっこりとどつきたくなるようないつものニコニコ顔で言うゼロス。
がしっ!!
あたしはゼロスの法衣を掴み、
「知ってるなら、教えなさい!!」
「リナさん、世の中そんなに甘くはないんですよ。
情報に見合うだけの報酬というものが……。」
「一応、聞くだけ聞いてあげるわ。何が望みなの?」
「それはもちろん♪リナさん、僕と不死の契約しませんか♪」
「…アメリア。」
あたしはゼロスを掴んだまま、アメリアを呼ぶ。
不死の契約だなんて冗談じゃないわよ!!
「任せてください!!リナさん!!」
拳を握りしめてアメリアはすっと息を吸い込む。
「人生って素晴らしい♡」
「う……(汗)。」
まともに嫌そうな顔をするゼロス。
「生きてるってなんて素晴らしいことでしょう♡さあ、ゼルガディスさんも一緒に!!」
「じ、人生って素晴らしい……。」
恥ずかしそうにも言うゼル。
「こうして生きているだけでも希望がわいてくるようです!!さあ、ゼロスさん!
あなたも一緒に真人間になって、生きてる喜びを味わいましょう♡」
ゼロスの姿が薄くなる。
そのまま、真っ青な顔をして掻き消える。
やっぱ、アメリアの精神攻撃が一番効くわね。
これでも駄目だったら神滅斬(ラグナ・ブレード)で斬りつけてやろうかと思ってたけど…。
「でも、よかったのか?リナ。ガウリイがこうなった原因聞かなくても…。」
「しょうがないわね…。地道に調べるしかないわね…。」
はぁ…。
思わずため息がこぼれる。
あたしはガウリイの方を見る。
ガウリイはずっとあたしの方を見てたみたいで、目が合う。
かぁ…///
思わず顔が赤くなる。
「リナさん。私とゼルガディスさんで聞き込みしてきますから、ガウリイさんと一緒に待っててください。
行きましょう、ゼルガディスさん!」
「ああ。」
あたしの返事も聞かず、外にいくアメリアとゼル。
「ちょっと、待ちなさいアメリア!!」
何で、あたしとガウリイがここで待ってなきゃならないのよ!
ガウリイを一人にするわけにもいかずあたしは追いかけようとするのを止める。
あたしとガウリイは宿屋の部屋にいた。
「本当にあたしのこと何にも覚えてないの?」
「ああ…。」
ガウリイに一応確認をとる形で聞いてみた。
やっぱり、間違いじゃない、か…。
「悪い…。」
困ったように謝るガウリイ。
朝、一番最初に会った時は拒絶するかのような表情だったけど、今はそうでもない。
拒絶されるような冷たい表情を見た時はすごく胸が痛んだ。
今の表情は冷たい表情じゃないけど…あたしのことを知らないガウリイ。
嫌だ。
ガウリイ…思い出してよ…。
いつもみたいに笑ってよ。
「泣くな…。」
「え…?」
言われて気付く。
あたしの瞳からは涙がこぼれていた。
泣くつもりなんてなかったのに…。
ガウリイが指であたしの頬を伝う雫を拭う。
「お前さんが泣いてるのは見たくない。」
そのまま、あたしはガウリイに抱きしめられていた。
「ガウリイ…?」
「お前さんのことは思い出せないけど…オレは、お前さんのこと…リナのことが好きだ。それだけは分かる。」
「あたしのこと…?」
ガウリイからそんな気持ちは聞いたことなかった。
あたしのこと、まだ子供だと思ってると思ってた。
「リナが泣くのを見たくない…。リナを泣かせてる自分に腹が立つ…。」
怒りを抑えたような声。
あたしを抱きしめている手に力がこもる。
「ガウリイ…。」
あたしはガウリイの顔を見る。
凄く苦しそうな顔をしていた。
「あたしだって、ガウリイのこと………好き……だよ…///。」
消え入りそうな声で言うあたし。
自覚したのは、随分前だけど…。
拒絶されるのが怖くて…子ども扱いされるたび不安になって…ずっと言えなかった言葉。
ガウリイの右手があたしの頬にそえられる。
ゆっくりと顔が近づく。
あたしは瞳を閉じる。
触れあうだけのキス。
唇が離れ、目を開けると…。
「リナ…。」
優しい笑顔のガウリイが見えた。
あたしの知ってるガウリイの雰囲気。
まさか…。
「ガウ…リイ…?」
「ああ。」
「戻ったの…?」
「らしいな。」
「嘘…。」
「嘘じゃないぞ、3年前からリナと旅していること、魔族との戦いのこと…覚えてるぞ。」
「ガウリイが覚えてるだなんて…!やっぱ、あんた記憶後退の障害でも残ってるんじゃ…!!」
「あのなぁ…。」
呆れたように言うガウリイ。
いつものガウリイだ…。
ほっとしたようにあたしは微笑む。
よかった…。
「にしても、何で、ガウリイの記憶が後退したのかしら…。」
「さぁ…?」
ガウリイにも分からないらしい。
もっとも、ガウリイに分かったら分かったで驚くけど…。
「それについては、僕が説明しましょうvv」
「ゼロス!」
「何の用だ?ゼロス。」
突然あらわれたゼロスを睨みつけるガウリイ。
ゼロス、なんか姿が薄いんだけど…。
「まあ、そう、睨まないでくださいよ。ガウリイさん。
今回、ガウリイさんが記憶対抗した原因をせっかく教えにきたんですから♪」
「別に、オレは知らなくてもかまわないぞ。」
ガウリイ、何でそんなゼロスに突っかかるのかしら…?
「実は、記憶後退の原因は、リナさんが破壊した遺跡の呪いのせいなんですよ。」
ガウリイの言葉を無視して話し始めるゼロス。
「遺跡って、あの何にもなかった遺跡?」
「そうです。あの遺跡を荒らしたものには、その者の最も大切な時間の記憶を奪うのろいがあるんですよ。」
「でも、あたしとアメリアとゼルは全然平気だったわよ。」
「あの呪いは不完全なものだったようですからね、魔力の大きい方には効かないようです。
なんだかんだ言っても、アメリアさんもゼルガディスさんも人間にしては大きな魔力を持ってますからね。」
「ふ~ん。でも、何でガウリイの記憶は戻ったの?」
「ま、呪いを解く最もポピュラーな方法はキスですからね♪」
なっ…///!!
あたしの顔が真っ赤になる。
見てたのかゼロス!!
「あそこまで、ラブラブな感情だされると、こちらとしてはかなり効きます…(汗)。」
だから、姿がこころなしか薄いのか…。
「あんたが、そんな素直に教えてくれるだなんて、何かたくらんでるの?」
「そうですねぇ~。リナさん、情報提供料として僕と不死の契約しませんか♪」
「大却下!!大体、なんであたしと契約したいのよ?」
「それはもう、僕はリナさんのこと気に入ってますから♪
100年そこそこしか生きてくれないんじゃつまらないじゃないですか♪」
「あたしはあんたの玩具かぁぁぁぁぁぁ!!!神滅斬(ラグナ・ブレード)―――!!」
闇の刃をゼロスに向かって振りぬく。
慌てて消えるゼロス。
ちっ…。
逃げたか…。
「体力使ったわ…。」
ゼロスのせいで無駄に体力使った気がする。
「それじゃあ、ガウリイ。あんたの記憶も戻ったことだし、アメリアとゼルを探しにいきましょうか。」
部屋の外に出ようとしたあたしをガウリイは止める。
「リナ…。」
「な、何よ。ガウリイ…。」
妙に真剣な表情のガウリイに、あたしは無意識に怯む。
何か…嫌な予感がするんだけど…。
「オレはリナのことが好きだっていったよな。」
「え、ええ。」
「リナもオレのこと好きだって言ってくれたよな…。」
「………///。」
かぁっと赤くなるあたしをガウリイは抱き上げる。
「ガウリイ?!!」
そのままぽんっとベッドの上にあたしを置くガウリイ。
ガウリイはあたしを挟み込むように両手を置く。
「ちょっと、待った、あんた一体何するつもりっ……。」
言葉を途中で遮られた。
あたしの唇が塞がれたから…ガウリイのそれで。
さっきの触れ合うようなキスじゃない。
深い口付け。
慣れないあたしはすがるようにガウリイの服を掴む。
ようやく離れた唇からは荒い息がでた。
「やっと、今まで我慢してきたんだ。…いいだろ?」
「今、まだ昼前よ!!時間を考えなさいよ!!///」
「それじゃあ、夜ならいいのか…?」
「そ、そういうわけでも……。」
「けど、リナの瞳が誘ってくるから我慢できない…。」
「あたし、誘ってなんかないわよ!!///」
「だったら、ちゃんと自覚しないとな。他の奴の前でそんな顔されたら困る。」
「だあああああああ!!やめんかい、エロくらげ!!」
「そうだな♪オレはエロくらげだからな♪」
全く止めようとしないガウリイ。
あたしが口で言っても、ガウリイは納得せず。
かといって、力では叶わないから…結局頂かれてしまったのである…///
まぁ、本気で嫌ならガウリイのことだから止めてくれたんだろうけど…。
夕方、あたし達4人は食堂で夕食をとっていた。
「でも、よかったですね。ガウリイさん。」
「そうだな、記憶が戻ってよかったじゃないか。」
なんだかんだと心配していたらしいアメリアとゼル。
「ああ♪」
上機嫌のガウリイ。
あたしはちびちびと食事をしていた。
「リナさん?どうしたんですか?あまり食べてませんけど…。」
「べ、別に、何でも無いわよ!!」
あたしは上機嫌のガウリイを睨む。
おにょれ、ガウリイ…!!
覚えてなさいよ///!!
ー終わり♪ー
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管理人より:
雄馬さん、小説寄贈、ありがとうございます♪
さっそく、載せましたので♡
リナがかわいいです♡ガウリイもいい味出してます♪
しかし・・・ガウリイ・・・ルナ(リナの姉)に殺されなければいですけどねぇ(爆!)
多分、ガウリイがゼロスに突っかかるのは、
ゼロスもリナを気に入っているからだと・・・・・(爆!)
一種のライバルですね♪←違っ!!!(笑)
それでは♪