『出張・あんだ〜ば〜EX』わかりやすい みち 」 8
ずううぅぅーん!
衝撃!
「ちいっ!」
近くの大地で爆炎がたつ。Gジャンがたなびき、砂利などを被る。
と同時にデニム生地の帽子も飛んでいった。
レッサーデーモンが数本の炎の矢を放つ。
足場に転がっていた小石を同じ数のぶん、蹴り飛ばす。
ちゅごん、ごん、ごん、ごん…
ゆう爆する炎の矢。
…うあ〜結構気にいってたのになあ…あの帽子…ちぇ…もう見えなくなってら…
オレの名は田中達也、現在仕事中である。
…言っておくが…スレイヤーズラジオ裏番組のあんだ〜ば〜EXの仕事ではない…
本職はSTSのトラブルコンサルタントである。
と言ってもわからないだろうな…ちなみにオレもわからん!!
ってそここけるなよ……冗談なんだからさ…
『STS』とは次元セキュリティ会社で、おもに異空間での犯罪者をとっ捕まえることや、次空間の歪みを修正する仕事を行っている。
そんな会社でオレも仕事をしているのだが…
『達也。無線が入ってますけど?』
左腕につけているブルーメタリックの時計型無線機から、相棒の感情登録知性体DWMM=変船”アイン”の声が流れ出る。
一様、オレの相棒だ。
「ああ?こんな時に無線だあ?」
『はい…』
ざううんっ
後ろから襲い掛かろうとした、レッサーデーモンを一刀両断する…残り…254体…
「つなげ」
『はい』
>宿題終わってふっかーつっ!ついでに夏休みもおわっちゃったけど!
>なっがらくおまたせしましたっ!わかりやすい みち です!
「は?」
今回は、単発キャラは2人。
「……………おい…アイン…これ無線だよな…」
『ええ…そのはずですけど…』
横手で炎の矢を放つレッサーデーモンを確認し軽いステップでそれを交わす。
「ラジオみたいなんだけど…これ…」
「見たいですね…これ…」
あんだ〜ば〜EXのレギュラーのお2人です!
「舞!達也!あんたらどこからっ!?いやそれよりどうやってねーちゃんの剣をっ!?」
リナが、見知った顔だった。
どご、ぐし、がしゃあーーー!!
思わず地面をすり減らす。
そこを狙って襲ってくる数対のレッサーデーモン。
「あわわわわわわわ…」
懐から一枚のカードを出す。すかさず呪文を唱える。
「精王雷輪(アスルトグ・ファーリング)」
手から青白い五方陣が描かれ、そいつがリング形の武器となりデーモンを襲う。
ぐおごおぉーんっ!
巨大な爆音と衝撃。
「なんやなんやなんやなんや!なんなんや!!舞と達也って何の事や!!」
『ずるい…二人で面白いところ行ってる!!非常識だあー!詐欺だー!クレーム付けてやるっ!金返せえー!!』
「だああああぁぁ〜!まて!こら!オレが出るわけないだろ!!
だいたい…なんだ…最後の金返せってーは?んのせいでとっておきの呪符つかっちまったじゃねぇか!」
『あ〜人のせいにしてる!』
突然現れる船型デフォルメ『アイン』の立体映像。
「するわい!普通なら!!」
『そうかな…』
…こら…腕組みして考え込むな…船に腕をつけるな…
「んっふっふ・・・・じゃあ、さむーくしてあげるわっ!」
話は続いていた。
かち。
ラジカセのスイッチを押したようなそんな音がした………
…しばし…
ひゅう〜
一陣の風が吹き過ぎる。
オレは凍っていた…
アインの声も聞こえてこない…それと…
…レッサーデーモンたちも凍りついたようである。
…どうやら…否応も無く仕事は完了してしまったみたいである──
<終わり>