過去と現実Z
闇:さて、最終章です。
これにてメビウスの物語は一旦打ち切らせていただきます
ファ:ネタはあるんだろ?
闇:ええ、たっぷりと
ファ:・・・・・・書けよどうせなら
闇:気が向いたら書きます
ファ:・・・・・・
闇:それではいきます
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Z、またその空の果てで・・・・・・(エピローグ)
「・・・・・・」
メビウスは城門を見上げていた。
さまざまな思い出が入り混じった町・・・・・・
再び訪れる事はないという何かの予感がしていた。
だが、ぐずぐずもしていられない。
メビウスは城門に背を向けて歩き出した。
「また一人旅か・・・・・・」
そう言って歩く道にはさまざまな人・・・・・・
持ってる荷物は一つ、杖に荷物をかけてゆっくり歩いている。
「目指すのはアクレス山の麓の町グレミー・・・・・・」
そう言ってのんびりと空を見上げながら歩く。
気楽で平和な一時・・・・・・
メビウスはそれが好きだった。
「さて、失う物はもうすべて失った事だし・・・・・・」
そう言って胸を張り、
「後は堕ちる所まで堕ちてやるか」
そう言って、歩き出す。
まるですべてを忘れてしまいたいかのように・・・・・・
「さよなら、クレイ、シル、そしてラー・・・・・・」
彼のつぶやきの中には、一筋の水の道があった・・・・・・
ラーが気がついたのはちょうどメビウスが城門を出て歩き出してからだった。
しかし、完全にラーが戻るまでには三日という時を要した。
ショックだったのだ。
ラーも・・・・・・
そして、無意識のうちにナイフを自らの手首に当てたり、銃口を自らの頭に当てたりする為、
シルとクレイは二十四時間ラーの様子を見ていた。
そして、秘密裏にあることを調べていたのだ。
そして、そのことが三日と言うときの中でラーを廃人から救い出す事になったのだ。
三日後、いつものようにラーは起きて、ボーとしてそして寝るということを繰り返していたが、
その日はシルとクレイが話し掛けた。
「ラー、聞いて。エイルはメビウスが殺したんじゃないってことが解かったわ」
その瞬間、明らかにラーに反応があった。
「メビウス=タウ。本名サイレンス=ツア=ベムスって言うらしいけど・・・
・・・彼は一年と半月前にこの町で愛する人と大切な友人と二つを同時に無くしたらしいわ」
クレイが続きを言う。
「その後メビウスはその身を生まれ故郷の田舎のヴィルっていう村に行って、そこでクレード博士の下で暮らしていたらしい。
しかし、その氷の心が溶けるのにはクレード博士のかなりの努力が合ったらしいというのを聞いた」
「・・・・・・」
ラーが何かを言うようにシルに目を向けた。
シルは一つ頷くと、
「それじゃあ行きましょうか。そのメビウスの彼女と友人のお墓に・・・・・・」
墓は狭い十字路にあった。
墓といってもよく見ないと分からないぐらいの石に
丁寧に名前が彫ってあるだけの簡単な物だ・・・・・・
そこにはラーたちが見慣れた字でこう書いてあった。
『ルキーナ=タウ=ベムスとグルート=ランス=メビウス、ここに眠る・・・・・・』
「・・・・・・メビウス=タウはここから取ったのか?」
ラーがそう言う。
「たぶんね。想像しかできないけど・・・・・・」
そう言ってシルは言葉を区切った。
今この場にクレイはいない。
シルがわざと来させなかったのだ。
「・・・・・・どうして・・・・・・」
ポツリとラーが言う。
「どうして・・・・・・あいつは・・・・・・何も言わなかったんだ」
ラーが意識してないのに涙がぽろぽろ地面に落ちる。
「・・・・・・どうし・・・・・・て・・・・・・」
シルは黙ったまま、首を横に振った。
「言えなかったんじゃないかしら・・・・・・そんな事は・・・・・・特に、私からあんたの話を聞いた後では・・・・・・」
シルが静かにそう言った。
「どういう事だ?」
涙を止めようと必死になりながらラーがそう聞いた。
「あんたと同じ過去をもつメビウス・・・
・・・自分の過去を言ったとしてもそれは逆に、あんたと同じだって思わせるだけで何の役にも立たない・・・
・・・それぐらいなら、自分の過去なんて言わない方が良いって思ったんじゃないかと私は思うわ」
そう言われて、ラーは一瞬怯んだ。しかし、
「だがなぜ!なぜこんな大切な者達を無くしてあんな笑顔でいれたんだ!?私は絶対笑顔でなんていれないぞ!」
そう言って、ラーはシルに挑みかかるが、シルは冷静に言葉を続ける。
「・・・・・・大切で大切で・・・・・・それでも、何時までもその事にしがみ付いてたら先には進めない・・・
・・・だから、メビウスはこうしたんじゃないかな。
笑って、生き続けると言うことを・・・・・・辛くて死ぬのは簡単だけど・・・
・・・それでも・・・・・・死ぬのは死者に対する冒涜に・・・・・・等しいから・・・
・・・辛さを乗り越えて、やっと・・・・・・やっとあの笑顔を手に入れたのかもしれないわよ」
後半はシルも泣きそうに成りながら言った。
そう言われて、ラーは始めて思い出した。
『おーいラー。酒でも飲もうぜ!』
『そんな無表情でつかれねえかラー?』
『リラックスリラックスだぜラー』
『絶対死ぬなよラー』
『ラー』
・・・・・・
「・・・・・・あいつが私に話し掛けるときに笑っていることしか見た事が無い・・・・・・」
そう、メビウスは何時も笑って対応していたのだ。
笑ってて、何も悩みの無いアホな奴とラーは思っていた。
だが、もしあの笑いが・・・・・・辛さ、苦しさ、そして悲しさを乗り越えて手に入れたものならば・・・・・・
「・・・・・・馬鹿だ・・・・・・あいつは本当の馬鹿だ・・・・・・ほんとに・・・・・・馬鹿だ・・・・・・」
涙を流しながら、ラーはその十字路でしばらく泣きつづけていた。
ラーとシルはその墓の下に埋められていた骨を一旦掘り出し、
町の大きな共同墓地に埋めてもらうと宿屋に帰った。
一つの指輪を手に持って・・・・・・
その指輪はルキーナの骨が入っていた壺に入れてあったもの・・・・・・
そして、ラーはそれと同じような物をメビウスがネックレスにかけて使っているのを知っていた。
その指輪を大事にしまうと共にラーはクレイに聞く、
「出発は何時頃できるの?」
いきなり女言葉で話されてクレイは面食らったが、その驚きを表に出さないようにして言葉を出す。
「ええっと、いつでも出発できるぜ」
まあ、語尾は少しばかり震えていたが・・・・・・
「そう、ありがとう」
そう言ってすぐさま自分の部屋に入っていく。
その姿を唖然として見送るクレイとシル。
「・・・・・・あのラーがありがとだって」
「う〜ん、立派な成長ね。おかーさんは嬉しいわ」
シルが冗談でそう言うが、
「クレイ!シル!一応言うと聞こえてるぞ」
そう言う声がドアの向こうから聞こえてきた。
クレイとシルは二人で顔を見合わせると共にぷっと笑い出したのだった。
メビウスに遅れて五日後・・・・・・ラー達は商業都市トレッドを後にした。
向かい先は一つ・・・・・・アレクス山の麓の町グレミー。
「よし、出発だ」
その戦闘には晴れ晴れとしたラーの姿があった。
そして、運命の循環は、回りつづける。
ラー達がメビウスの過去を知ったのもまた運命の一つ・・・・・・
再会出来るかどうかは彼らも知らない・・・・・・
しかし、ほんの少しの可能性にかけて彼らは動きつづける。
『・・・・・・メビウス。さよならはないぞ。お前は私の目を開いて助けてくれた。だったら、今度お前を助けるのは私の番だ』
ラーは夜空に思いを馳せる。
その頃、
「お休み・・・・・・クレイ、シル、ラー」
焚き火の目の前で一人でメビウスは
遥か彼方にいるであろう者達に思いを馳せながら眠りについた。
彼らが再び出会うことはできるのか・・・・・・
未来は彼らには分からない・・・・・・
第三部 過去と現実 END
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後書き
闇:という訳で今までどうもありがとうございました
ファ:ついに終わったんだな
闇:ええ、一応は
ファ:・・・・・・一応とは?
闇:贈る分は終わったという意味です。
この物語は愛着があるのでしばらく打ち込みだけはします
ファ:・・・・・・
闇:まあ良いとして、今まで長い間ありがとうございました
ファ:こんな文を読んでくださる皆さんに感謝の言葉しかないな
闇:うぐっ
ファ:時々変な部分もあるし
闇:うぐうぐっ
ファ:・・・・・・懺悔の言葉は?
闇:この私闇竜は・・・・・・って何やらすんですか
ファ:・・・・・・知らん
闇:はあ、最後ぐらいはきちっとしたいです
ファ:知らん
闇:しくしくしく
ファ:それで、今回は一番最後なのに何も無いのか?
闇:ふふふふふ(無気味な笑い)あるんですよね〜実は・・・・・・
ファ:さっさとしろ
闇:・・・・・・
ファ:どうした?
闇:・・・・・・ファクト様冷たい
ファ:知らん
闇:それでは、行きましょうか
ファ:何を
闇:物語の付け足しを・・・・・・
ファ:・・・・・・
闇:そんじゃいきます。
彼はそこまで話しをすると共に一旦ハープを置いた。
そして、私に向けて聞いてくる。
「どうです?書けてますか?」
私はこくりと頷くと共に筆を一旦下に置いた。
「どうしたんだい?話はまだ続くんだろ?」
私は彼に聞く。
しかし彼は一瞬微笑を浮かべ、
「大丈夫です。まだ時間はありますし・・・・・・」
確かに夜が開けるのにはまだ半分ほど残されている。
「そうか・・・・・・それで、メビウスはどうなったんだ?」
焦る私を彼は静かに言い止める。
「このラーとメビウスの出会いと別れが一つの運命の一節。ですから、ここが一つの区切れ目なんですよ」
そう言って彼は再びハープを持った。
「それでは、続いて話しを致しましょう。この時のメビウスの時の話を・・・・・・」
私は急いで筆をとり、そして彼の話を書き始めた。
「あれは・・・・・・」
彼が話し始める。
まだ時間はあるのだ・・・・・・
闇:という訳で、これがメビウスのつけたしというものです
ファ:完全ネタばれだな。ついでに長いし・・・・・・
闇:まあいいじゃないですか
ファ:・・・・・・
闇:それでは、感謝のコーナー!
ファ:・・・・・・知らん
闇:まあそう言わずに
ファ:・・・・・・
闇:まずは、こんな文章を載せてくださる
宇宙のゴミ箱の管理人、薫さんにホントーにありがとうございます。
感謝しても感謝しきれないほどです
そして、この物語を作る原因となった友へ・・・・・・
これからもよろしくっ
そして、この物語を読んでくださった全ての方々へ・・・・・・
物語はそのまま放置しておくものではありません。
読んで下さる全ての方々のおかげでできる物です
それでは、感謝しても感謝しきれない思いと共に!
ファ:まあ、現役を引退するわけじゃあるまいし大げさな
闇:それでもこれは一つの区切りです!
ファ:・・・・・・まあなんでもいいが・・・・・・
闇:またお会いしましょう!運命がもし引き合わせてくれるというのならば!
ファ:・・・・・・まあ、機会があれば・・・・・・
闇:それでは、これにて!
ファ:別れ辛いが、またいつかきっと会う事もある。それまでは・・・・・・
闇&ファ:さようなら