管理人より:
    薫:こちらは。桜月梓さんからいただきました小説です。
      ちなみに、一坪様の書きなぐり(リンクより)に投稿されてた作品を。
      許可を得ていただきました。
      それでは、どうぞなのですv
      (できたら月画像ほしかったけど・・・いまだにいいのが見つからない・・・・)

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梓:ゆっくりまったり気長連載始めました。
L:ちょっと何それ?どっかの飲み屋の「○○○始めました」的な発言は。
梓:いや、月光王様の話を本格的に書こうかなぁと思いまして。
  って・・・L様、飲み屋行くんですか・・・?
L:今は関係ないでしょ。さっさと始めなさい!!


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           月光王   其の1


「まったく・・・・・・・・・・・・・クリスは結局何も学んでいかなかったね・・・・・・・・・・」 
「躾がなってないのよ。アレ位で滅ぶなんて情けないったら!!」
「まぁまぁ、2人とも落ち着け」
「でも、こうなった以上僕はどうしようか?」
「・・・・・・そうねぇ・・・・・・。・・・・・・一段落するまで・・・・・シャディの所にでもいる?」
「あぁ、それでも私は構わないぞ」
「ありがとう兄様。じゃあ、何なら兄様の世界の中の方がいいな、僕は」
「確かにその方がいいかもしれないわね」
「分かった。神託、出しておかなくちゃな・・・・・・」
「部下の記憶は封印しとくわね。今まで以上に存在知られたら厄介だもの」
「うん、僕もそうしてくれた方がいいと思うよ」
「私も力を上乗せるすか?」
「大丈夫よ。ここに戻ってきて刺激するまで。それじゃ、ディース―――」
「それじゃあ姉様」
「「また、いつか」」
「ディースはしっかり預かる。少し忙しくなるがお仕置きはほどほどにな?」
「分かってるわ。・・・・・えぇ、ディースをお願いね」
「あぁ」




そして一千年と数十年の月日が流れた


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 つか つか つか つか 


少し早足で歩く青年は、とあるガーゴイルの前で合言葉を言い、螺旋階段を
上ってガチャリとドアを開け、机に座っていた1人の老人を見やった。
その老人はその老いが嘘のように、すっくと立ち上がる。
「結構この世界での生活も面白かったけど、僕は帰る時が来たみたいだから。
  アルバス、今までありがとう♪あの子を宜しくね?」
にっこりと笑って青年が言うと、アルバスと呼ばれた老人はゆっくりと頷く。
「もったいないお言葉ですじゃ・・・・無論、あの子を守る事がわしの使命・・・・・・・」
「重々しく感じても余計気を張るだけだよ?暇を見て、また来るとするから♪
  まだリドルを存分にからかってないし♪多分兄様も来るんじゃないかな?」
楽しそうな青年に、アルバスも長い髭を撫でながら顔を緩めた。
「兄様に連絡頼んだよ。じゃ、僕は行くね」
スッとその場から姿を消す青年。アルバスはしばらくそのままだった。


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場所はゼフィーリア。
ある森の中の小さな広場に1人の女性が立っていた。
―――里帰りしてきたリナ=インバースである。
ルーク=シャブラニクドゥの戦いの後から、何故だか、だんだんと魔力が増大・・・・というより暴大し始めた。
姉のルナ曰く、「デモンブラッドを飲み込んで吸収したから」らしいが。
何とかルナに力を抑えてもらったリナだったが、この魔力でどこまでの魔法を使いこなせるのか実験していたのだ。
もちろん、危ないのでギガ・スレイブこそは試さないものの、
ラグナ・ブレードは何と完全版を前よりもかなり持続できるように制御できたのが昨日の事。
すぅっとリナは息を吸い込み、呪文を唱え始めた。
「太陽と対なりし 混沌に漂う月光よ―――
  金色の光を纏う汝よ 今我の力に手を差し伸べ力をかさん―――
  我リナ=インバースの名の元に その姿を現したまえ―――!!!」



そして―――何も起こらない。

「・・・・たははっ(汗)やっぱり失敗だったか」
少し気恥ずかしくなり、リナは中央からくるっと背を向けた。

すたんっ!!

何かが上手に着地したような音が、後ろからした。
驚き、ばっと振り向いたリナは“それ”を目の当たりに、硬直してしまった。
今の呪文は、かの伝説の中の伝説である、魔王のさらに上の魔王・・・・・
その者の力を対とする者の力を借りた、かなり高位に値する召喚呪文。
(最も禁書に置かれているであろう文献に、たった2行しか書かれていないが)
クレアバイブルを見て、なおかつギガ・スレイブを使ったことのあるリナにならそのイメージはたやすい事だった。
しかし、それでも失敗すると思っていた。

「(い・・・いくら・・・ラグナ・ブレードを制御出来たとしても・・・)」

呆然としたままのリナの頭の中では、その言葉がぐるぐると回り続けている。
そんな事を知ってか知らずか。

「やぁ、初めまして♪君が僕を呼び戻してくれた本人さんだよね♪?」

リナが召喚してしまった。
その金髪金眼の青年は、にっこりと笑いながら、リナにそう問いかけてきた。

青年は驚いた表情をしたままのリナを見、くすくすと笑う。
もう1度青年はリナに笑いかけて言葉を発しようとしたが、それは遮られた。
いつのまにかガウリイがリナの後ろに立っていてディースを睨んでいたのだ。
そんなガウリイの出現に、リナはここでようやく我に返った。

「ちょ、ちょっとガウリイ?!何でここに?!」

リナの問いにガウリイは黙ったまま答えない。
そのガウリイの真剣さに、リナも口を閉じる他なかった。
しかし、等のディースはガウリイの殺気を諸共せずに2人に微笑みかける。
少しもディースに対する警戒は怠らずに、ガウリイが低い声を出した。

「お前―――人間じゃないな?」
 ディースは楽しそうに、否定せず軽く頷いた。

「僕はリナの召喚呪文でここに来れたから、それはそうだねぇ。
  うん。僕はリナにお礼が言いたいくらいだよ?
  だって、僕をここに、赤の世界に呼び戻してくれたんだから♪」


赤の世界。
その言い方に、リナがまた驚きに目を見開いた。
滅びたと言われる赤い竜神スィーフィードと、本体がカタートに封印されし
赤眼の魔王シャブラニクドゥが神魔の上に立っている、リナ達の世界の現状。
しかしそれはリナがクレアバイブルに触れ、その呼び名を知っていただけ。
普通にこの世界に住む人間ならば、その呼び方すら知らないだろう。

「リナ=インバース、ガウリイ=ガブリエフ。・・・・君達なら分かるはずだよ?
  この僕の気配はね。あの空間に入った、君達2人なら」

ディースの見据えた微笑みに、一瞬、ふと脳裏をよぎるデジャ・ヴュ。
そして周りに感じる、空気の中の目に見えない威圧感。
これにはガウリイも警戒を忘れてしまったようだ。
数年前に直接感じた事のある、神々しくて全てを包み込むような気配―――。


黄昏より昏き 暁よりなお眩ゆき
全ての源が生まれし場所 全ての源が還りし場所

すなわち

「とことん―――」
「あんたはぁああ!!!混沌って何回言ったら覚えるのよぉおおおお!!!」


すっぱぁぁあああああん!!!

かなり良い音を立ててリナのスリッパがガウリイの脳天を直撃した。
ゼフィーリアの外だったならば、その台詞で半径5m位にいた魔族は滅びただろう。

「冗談だよ、冗談。
  何とかの母とかゆー人がリナを連れて行っちまった所だろ?」
シリアスなムードを2人に期待するのが無駄なのだろうか。
その反対をしろと言ったとしてもこれまた無理だろうが。
気を悪くする事なく、というか余計に楽しそうにディースは笑っている。
「そう、混沌だよ。さっきの呪文、覚えてる?リナ」
「え?そりゃ・・・・・・・・・・って、まさか?!!」
さぁっとリナの顔から血の気が引いた。
「太陽―――。
  金色の魔王と対なりし月は、リナの考え通り、僕の事だよ。
  僕はディース=コズミット、ディースって呼んでくれた方が嬉しいかな♪」

1ヶ月後。
リナ、ガウリイ、そしてディースの3人はともに旅に出る事になった。


世には。

魔道士達が知るものや、ヒロイック・サーガに出回る伝説がある。
それは魔王と神との闘いの場面であったり。
ある町を壊滅させた魔獣を滅ぼした剣のことであったり。
純魔族をも一撃で倒せるという攻撃魔法であったり。
1人の魔道士が魔族を退治して回る旅の話であったり。
世界を創設した、混沌の海に漂う魔王の中の魔王の、禁呪の伝説も―――。


しかしもう1つ。

殆ど知られていない伝説が存在している。

金色の魔王―――ロード=オブ=ナイトメアともう1人の者の伝説。

混沌に漂う金色の魔王と対なりし月光の力を司りし者。

存在を知る者たちは、その者をこう呼んでいる。



 キング=オブ=ザ=ムーンブラス ・ 『月光の王』。



そして。

ブラザーズ=オブ=ナイトメア  ・ 『金色(悪夢)の弟』。


その者の名は。


ディース。
ディース=コズミット。


本名を。


ディスロット=カオシェール=トゥ=ナイトメアという・・・・。



その頃の時空宮。


「ディ、ディース様が赤の世界に戻られたぁぁああああああ?!!!!!!!」
部下の叫び声に、書類に目を通していたKが顔を上げる。
「ん?それがどうかしたか」
「K様っ?!あの方・・・・ディース様は・・・・L様が直々に!!クリスは!!」
「・・・・名前だけでは何が言いたいのか分からないぞ、ゴドリック」
さらりと言い退ける上司に、ゴドリックと呼ばれた部下が床にへたれる。
その肩にぽんと手を置くのは彼の同僚達。
「諦めろ、ゴドリック。早急とはいえディース様の意志もあったのだ」
「・・・・何よりディース様ですもの、L様が良しなに計らってくれるでしょう」
「・・・過保護すぎよ、ゴドリック・・・・・・いつかは戻ることになっているんだから」
「期限がまだあるのにか?!!早すぎだぁあああ!!!」




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「―――まだ分からんのか?!!!」
とある神殿の中。
1人の怒鳴り声が響き渡る。
「総動員して奴を見つけろ!!奴はもうあの世界にいるのだ!!」
「わ、分かりました!!」
ばたばたと足音が去ると、怒鳴り声の主はまだ怒気がある声で呟く。
「早々に奴を見つけ―――滅ぼしてしまえ―――あの世界は我が手中に・・・」



                        −続くー


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あとがき:

K:聞いてもいいか?何なんだ、この連載もどきは。
梓:ゆっくりまったり気長連載ですっ。
K:読みにくい。
梓:しくしくしくしく・・・・・分かってますけど・・・・そんな事・・・・・・。
  ちなみにこれは碧の世界(ハ○ポタ)と繋がってるので分からない人は
  さらっと流してやって下さい。私の趣味なので。
  それではでは。





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  管理人よりのあとがき:
      薫:とりあえず。
        一気にもらっているものを編集するのです。
        編集日:2004年6月27日某日・・・