堕天使達への追悼歌 ~第3話~
「それにしても・・・・・・何考えてるんでしょう?」
口を開いたのは、見ためにして、5歳かそこら。
銀の髪を肩の辺りで切りそろえた、かなりの美少女。
メウィルオーザ―通称メェウィ。
『ちょっとした理由』があって、魔族にしては珍しく、この私が密かに目をかけているうちの一人である。
「ん~・・・それなんだけど・・・・・・」
「・・・・・・人間を使って、あの里を攻めさせる。って言うのは?」
もう一人。14歳位の外観で、白い髪に翠と水色の中間色の瞳。
やはり此れも文句のつけようが無いほどの美少女である。
「え~と・・・・・・、それって何か意味あります???」
「・・・楯。って言うのはどう?」
「楯?」
「そう、楯。確かに人間に攻められた所で、.別に如何って事は無い。
でも・・・逆に、人間に手を上げる事も出来ない・・・・・・」
と、そのまま考えこむ。
「それは・・・・・・確かに効果的かもしれませんけど・・・・・・・」
「人間なんて脆いものよ。直ぐに恐怖に駆られ、異質を排除しようとする。・・・・・・私が保証するわ。」
「え、え~と・・・・・・」
メェウィはこっちを見ると、
「あ、あの~・・・・・・リナ様も、人間・・・・・・でしたよね・・・・・・?」
さてと。如何答えた物かしら?
「メ、メェウィッ!!!」
やたらと切羽詰った声を上げるリーシェ。
「そうね♪そういうのもアリかもしれないわよね♪♪」
「あの・・・アリって・・・・・・」
実際フェリスターレスが、そういう事を考えているのも確かだ。
・・・ただ・・・・・・あれの本当の狙い、もっと個人的なことなんだけど・・・・・・
「大体、アイツは本当は私が気に喰わない訳でしょ。
其れなのに見当違いの方向に嫌がらせするような奴なんだから、どんな馬鹿なことやっても不思議は無いってば。」
「そ、そういうもの・・・・・でしょうか・・・・・・?それに、そう強ち見当外れとも言えない気が・・・・・・」
しかし、流石。と言おうか何と言おうか。
下手したら・・・両親なんかよりもずっと役立つかもしれないw
「まっ、此処でウダウダ言ってても始まらないし。取り敢えず、ちょっと私は心当たりがあるしね。
だからメェウィ?お前は帰ってなさい。結構危険かもしれないんだから。
何かあったら自分で直接来るようライシェに言っておいて。」
「え?あ、あの、でも・・・・・・」
「師匠、すみません。そういうわけで私はこれから移動しますけど・・・・・・え~と・・・・・・は師匠は如何なされます?」
う~ん、如何しようかしらね?どっちも面白そうなんだけど・・・・・・
「そうねえ・・・私は此処に残るわ♪流石に今日はちょっと疲れたしね♪で、何処に行くの?」
「いえ。ちょっとネーレって娘、返しに貰いに行こうかとおもいまして。んじゃ、行ってきま~す♪」
言うなり、リーシェは本当に出て行ってしまう。
「って、あ、あぅっ!リ、リーシェ様~~~~~~!!!」
と、メウィルオーザ・・・メェウィは、かなり困ったような声を上げる。
それも其の筈。メェウィは実際に困っているのだ。それもかなり。
なぜなら、主に話さなくてはならない事を話し忘れたのだ。
しかし、帰れと言われてしまった以上帰ってくるまで待っている訳にも行かず、
さりとて、まだ帰る訳にも行かず・・・・・・
そんな逡巡を繰り返している。
「どうかしたの?メェウィ???♡」
「どうかしたのって・・・あっ、えっと・・・・・・」
メェウィはと言うと、
あっ、そうか。リナ様に伝言役を頼めば・・・・・・
と、あっ、でも、幾等普通の人間じゃないとはいえ、人間相手にこんな事教えちゃったら駄目な気が・・・?
とか何とか考えている。
そんな事、考えるだけ無駄だっていうのに・・・・・・
「まあまあ、そんなに細かい事考えなくって大丈夫よ。言っといてくれれば、ちゃんとリーシェに伝言するわよ?」
「え?あ、はい・・・じゃあ、伝言頼んじゃいますけど・・・・・・」
な、何で分かったんだろ・・・まさか、顔に出てた・・・とか・・・?
そんな事を考えながら、
「えと・・・ですね。私が此処に来る途中で、妙な気配・・・というか・・・・・・
痕跡というか、そもそも別に妙ではないし・・・・・・えと・・・・・・・・・・・・・いいです。
説明できそうに無いですし・・・・・・(泣)」
「あら、良いの?それで。後でリーシェに怒られても知らないわよ?
大体、そういう事はもっとちゃんと調べてから報告しましょうね?♡」
「これからそうする心算だったんですけれど・・・・・・良いです。
ちょっと考えもありますし、一応命令に従って帰る事にします。
リナ様に伝言頼むっていうのは、考えなくはなかったんですけれど・・・・・・」
人間に教えてはいけない事だし、話した所で過ぎた知識…理解できるとも思えないし。
・・・リナ様なら、なんか特別で大丈夫な様な気もしますけど・・・
と、そんなことを考えているメェウィ。
「え~と。それでは失礼いたします。」
あっ、そう言って、本当に帰っちゃったし。
考え・・・っていうの、何かしらね?
いや、勿論本当は分からない訳じゃないんだけど。
ただ、どうせなら敢えて何考えてるか知ろうとしないで、 色々考えを巡らせて見るって言うのも面白そうだし。
まあ、たぶんアレかな・・・って思うこともあるんだけど。
さてと。リーシェの方は如何してるかしらね?
「あ、あの、貴女は一体・・・・・・?」
見てみると、丁度リーシェがネーレを起こした所。
「ん~・・・・・・この際、気にしないほうがいいわよ。」
「え?あ、あの・・・・・・」
ネーレの言葉が終わるよりも早く、バンッ!!と扉が開く。
「おやおや。此れは随分と可愛らしい鼠な事だ。良くぞ此処まで入り込んだ・・・と言うべきかな?
しかし・・・此処まで入り込むのはさぞかし大変だっただろうなぁ?やはり・・・・・・ディリスが裏切ったか。」
そう言う、馬鹿げたことを言ってるのは、40代後半の、脂ぎってぶくぶくに太った親父。
一応、呪術の権威とかで、色持ちの魔道士・・・黒縞のゲヴル。
まあ、此処の魔道士協会には、なんてったって
『まだら赤紫のシェルウィム』
なんていうのまでいる訳だから、黒縞がそんなに突飛って言うわけでもないんだけど・・・・・
やっぱり、なんていうか・・・ね。
「何よあんた?はっきり言うけど邪魔よ??
私は此れからこの子を連れて脱出しなくちゃならないんですからね。
そんな所に突っ立っていて、ぶつかって怪我しても知らないわよ?」
「な、なんだと!?小娘、貴様・・・・・・このゲヴルを、なんと心得る!!!???」
『脂ぎった、近寄りたくもない親父。』
ちなみに。リーシェとネーレ、双方共にいった言葉である。
「な、なんだと!?この小娘どもめが!!我が力、思い知らせてくれるわ!!!」
そうは言うけど、アンタ実際それ以外も何物にも見えないわよ?
「我が力、ね・・・呪術専門のアンタが一体何する気な訳?」
そういいながらリーシェは右のイヤリングに手を伸ばし、
半分くらいのとこに左手の指を当てつつ、右の人差し指でピンッと弦を弾く。
『ぐ、ぐわあぁぁぁぁ!!!』
あ、ゲヴルの奴、気絶しちゃったわ。
「あ、あの・・・・・・一体、何したんですか?」
「ん~、まあ、ちょっとね♪」
因みに。リーシェはゲヴルの精神に直接干渉して痛みを与え、
その激痛に耐えられなかったゲヴルは気絶したわけなんだけど・・・・・・
「さてと。行くわよ、ネーレ。余り時間は無いんだからね。
早く帰らないと神殿が襲われる・・・って、それ自体は師匠がいるし、別に大丈夫だと思うけど・・・・・・」
あ、やっぱ気付いてた。
「し、神殿が襲われる・・・・・・?い、一体どういうことなんですか!?
それに、さっきの奴が言っていた、『ディリスが裏切った』って・・・・・・?」
「知らないわよ。どうやら何か勘違いしてたみたいだけど・・・・・・
ディリス、ねぇ・・・・・・よりによってと言うかなんと言うか・・・・・・・・・・・・ま、とにかく脱出するわよ。掴まって。」
そう言いつつ、リーシェはネーレを抱きかかえる。
リーシェが157に対し、ネーレは168と身長に10センチ以上の差があるから、ちょっとかなり面白い格好になっている。
「あ、あ、あ、あのっ!!!」
慌てて叫ぶネーレを尻目にリーシェは空間転移をしてゆく・・・・・・
と、何だか向こうの方では大騒ぎになっているみたいだけど・・・・・・
何でかしらね?
リーシェが空間転移をしてネーレごと消えていくのを、ゲヴルを探しに来た人間達が見てしまったって言うだけなのにね♡
さてと。そろそろ大馬鹿者たちが、揃いも揃ってやってくる頃かしらね?
-続くー
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あとがき:
リ:皆さん、今晩は。
前回代理をした序でにこのコーナーを乗っ取・・・じゃない。
受け渡された、リーシェです♪
今回のゲストは、順当にL様とメェウィを呼んでありま~す♪
L:ふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・・
リ:え、える様・・・・・・怖いんですけど・・・・・・
L:(にっこり笑いつつ)ねえ、知ってるかしら?リーシェ、メェウィ?
私、この話の後書きに出るの、初めてなのよ♡
メ:・・・・・・って・・・・・え~と・・・・・・・・・・・・
ほらっ!私も初めてですしっ!!!(本能的に危険を感じたらしい
リ:にしても・・・これだけ時間をかけてこれだけしか進んでいないなんて、
何考えてるんでしょうか?(←自分は前回後書きに出たので話を逸らそうとしてる)
L:・・・・・・そうね、そういえばそういう問題もあったわね・・・・・・
メ:って・・・・・・お二方は知っているんでしょうけど、この後どうなるんですか?
リ:え?色々会ってL様大暴れ・・・・・・じゃなくって大活躍(汗)
L:・・・・・・リーシェ・・・・・・今、なんつった?
リ:は、え、えっとその・・・・・・
そういえば飛鳥の奴、何だってこんなに書くのに時間がかかったんでしょう?
L:・・・・・・良い所に気が付いたわねリーシェ・・・・・・・・・・・・
あいつはねぇ・・・遥か大昔に書き上げておきながら、
そのまま後書き書けなくって、放って置いてたりしてたのよっ!!!!
リ:(知ってた)うわ。それは酷いですね。(棒読み)
メ:あっ。それでリーシェ様が、後書きを任せられた訳ですねっ!
リ:え?あっ、う、うん。まあそう。
L:そういえばリーシェっ!あんた、私と後書き変わりなさいっ!
リ:はいっ!分かりましたっ!!(即答)
飛:え~・・・そんな訳で、次回からL様が後書き係になる・・・・・・かも知れません。
予定は未定。
メ:あっ!飛鳥っ!!リーシェ様~L様~!!飛鳥がいましたよ~っ!!!!!!
飛:・・・・・・(ダッシュで逃げる)
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管理人よりのひとこと:
・・・・このリナの正体・・・何度も説明しますけど。
エルさまですので・・・あしからず(笑)by薫
ふふふv続き、首を長くしていつまでもまってまーすv