まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

ちょっとクリスマスと正月をかけて、ダークチックに。
構想の中にある、菫ちゃんの世界のひとつの小話をばv
何はともあれゆくのですv

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~天使と悪魔~

ふわふわ。
真っ白い羽が周囲に舞う。
バサリ、羽音とともにゴトン、ところがる何かがひとつ。
『きゃぁぁっ!』
やがて、それに気付いた人々の悲鳴が周囲にとこだまする。
年末を外でむかえる人々。
今まさに初日の出を拝もうと集まった人ごみの中においてその混乱は徐々にと広がりをましてゆく。

「なんだか理不尽よね~」
ばくっ。
口にと果物をほうばりつつも、漆黒の髪をもった女性がおもわずつぶやく。
「そうかなぁ?こちらとしては面倒すぎるんだけど。というか困る」
ぱくっ。
こちらはこちらで何か光の球のようなものをたべつつも話しているのは金の髪をもつ女性。
金と黒。
あるいみ対照的すぎるこの二人。
周囲にはそれぞれに金と黒の男女がかなりたむろしているが、眼下にいる人々がそんな彼らに気付く様子もない。
「私達がでむいていったら、それだけで、人は心臓マヒとかおこすのよ!
  なのに、なんであなた達は逆におがまれるのよっ!」
黒髪の女性が理不尽、といっていたのはまさにその点。
漆黒の翼に漆黒の髪。
それが彼女達種族の特徴。
そしてもう一つの種族である彼女達は金の髪に白き翼、それらが特徴となっている。
人々はその容姿で白き翼の存在は天使、黒き翼のものは悪魔、として敬い、そして恐れている。
が。
「私達は生き物の魂を次の輪廻に回すのがお仕事。あなた達はその魂を葬るのがお仕事、なのに。
  なんで私達が悪魔ってよばれるわけ!?」
自分達が迎えにいく魂には次なる生がまっている。
しかし、片方の存在が捕えにいく魂にはそれがない。
黒き翼をもつ種族の糧は自然の生気。
自然の生気の結晶ともいえる果物などは彼女達の好物でもある。
かたや、白き翼をもつ種族達の糧はといえば生物の魂。
「闇は安息。安らぎと静寂。だからあなた達の色が黒、なんでしょ?
  私達の白は何色にも染まる色だからね」
そして白き翼をもつ種族に喰われた魂は消滅し、母なる元へともどってゆく。
そして新たなる魂は黒き翼をもつ種族にゆだねられ、ふさわしい形として生を得る。
そんな存在である彼ら達。
「なんでこういうように姫様、設定したのかしら?」
「さあ?…案外、人間、という種族が勘違いするのをみこして、じゃない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
彼女達種族を生み出した、否、創りだしたのは他ならない、かの存在。
だからこそそうもいいたくなってしまう。
実際にはあったこともないが、その存在感だけは感じられる。
事実。
人は、いつの時代においても、白き羽をもつものを神の使いとして、黒き羽をもつものを悪の使いとしてあつかってきた。
そしてそれは今もかわらない。
「…でも、不公平よね……」
先ほど倒れた人間の魂には未来はない。
それでも、人はその姿をみれば安堵する。
ああ、自分は許されて救われるのだ、と。
黒きものが現れたときには人は恐怖し、その感情だけで死にいたることもある、というのに。
闇は安らぎ。
そして、安息。
そして…終焉。
そのイメージがあるかぎり、人々の勘違いは未来永劫なくならないのであろう。
そのようにこの世界の『理』をかの存在…『宇宙の姫ユニバースオブザプリンセス』が創造り出したのだから――
今日もまた、どこかで人々が勘違いをしたままその命をとじてゆく。
白き使いか黒き使い。
そのどちらかの使いを迎いに迎えながら……

バサ。
羽音が響く。
…あなたの視界にはいるのは、黒き翼?それとも白き翼?

              -終わり♪ー


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あとがきもどき:
さてさて。
このお話にでてくる存在。
人間達が天使、として、また神の使い、として信じている存在は、実は魔逆の存在だったりします。
彼らの糧は生き物の魂。
ゆえに人などに感謝されることはあまりうれしくない、というかはっきりいって苦手です。
逆に、悪魔、と信じられている存在もまたしかり。
人に疎まれたりするのを心から悲しみ、そしてそれが多ければ逆に命にもかかわる存在です。
彼らの糧は自然の生気。
生き物の純粋なる生きる気力、それらがはっする生気をあびることで元気をもたします。
ちなみに、外見上は、金の髪に白き翼。服装もふわふわ系。
黒き翼に黒き瞳。服も漆黒。
…さて、あなたはどう感じますか?真実を見抜ける目をあなたはあるでしょうか?(ふふふ
どちらかといえば、クリスマスネタにしてもいい小話かもしんない…
それでは、またいつか~♪

2010年1月1日(金)元旦

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