まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こちらの作品は。
ラタトスクの騎士さん(自力では無理とあきらめたWII版←リモコン無理なので・・)
それの二次創作作品です。
祝!2013年11月、PS3のパック発売!これでようやく自力でもできる!(まて
というわけで、動画さんをみて満足してはおもいついていた作品のうちの一つ。
以前からおもいついてはかいていたもの。それの編集なのです。
まともに書きあげかけてるのはこのシリーズなので(こらこら
ひとまず、シンフォニアとのクロス作品のほうをあげます。
尚、私のところのラタトスク様は、あるいみエル様や菫ちゃんと同等。
ですので、それを御理解してくださったひとのみどうぞv
話しはトリエット遺跡から、です。
この話しはそこから打ち込みはじめてるので(他は始めからとかいろいろもあり…
なお、このシリーズはエミル=ラタトスクです。あしからず。
他シリーズはエミルがディセンダーとしてラタトスクが精霊、としてあるのもあります。

########################################

意識の浮上は、地上に満ちたちょっとした波動ゆえ。
解き放たれた小さなシズクは見逃しができないほどに影響をじわじわと広め始めている。
意識の覚醒とともに八つの柱の目覚めの波動。
止めなければ。
地表に瘴気が新たな扉がひらかれ、広がってしまうまえに。

深々と雪がふりつもる。
意識がぼんやりとするが、だがしかし、これだけは譲れない。
一番マナが乱れている地にこうしてでてきた、ただそれだけのこと。
降り積もる白き雪。
「かなり狂わされてるな。生態系にまで影響がでる前に目覚めないって……」
わかるのは、きちんとおきてくれないからこのようになっているということ。
ふと目の前に魔物らしきものが数体あらわれてくる。
どうやらこちらがわかっていないらしい。
「ちょうどいいや。今直接繋がりがあるこたちはまだよべないからね」
力がまだ不安定。
それだけはわかる。
ゆえに、すっと瞳をとじ、ゆっくりと開く。
どうも久しぶりに口調をかえるのは違和感がもてるが、だけどもすぐさまになじむであろう。
かつてそのようにしていたのだから。
魔物達がその瞳をみて畏縮するのがみてとれる。
そのまま言葉をつむぎだす。
それと同時に魔物達の下に出現する不思議な陣。
「力がまだ満ちてないから君たちにも苦労をかけてるみたいだけど。よろしくね?」
にっこりとそういわれ、魔物達からしてみれば従う以外の何ものでもない。
本能で刻み込まれているその波動が判らないはずも…ないのだからして……

光と闇の協奏曲 ~ありえない出会い~

「さ、さみぃ……」
白い雪を踏みしめながら誰に話しかけるわけでもなくつぶやく一人の少年。
その横にいる銀髪の少年もまた寒いのか体を震わせているのがみてとれる。
「何で砂漠なのにこんなに寒いんだよ……砂漠ってもっと暑いんじゃねぇのかよ?」
「仕方がないでしょ。ロイド。これもディザイアンが復活した影響なんだから……」
そんな赤い髪の少年に答えている銀髪の少年。
どうやら赤い髪の少年の名はロイド、というらしい。
「だけどなぁ。ジーニアス……」
そんな少年に文句をいうのはこの寒さにたいする現実逃避といえるのかもしれない。
呆れも含んでいるようだが、寒さのせいでいつもより覇気がない。
そもそもどうしてディザイアンはかなり前からいるのにこんな異常気象になったのか。
曰く、ディザイアン達の活動が活発化している影響、ともいわれている。
もしくはディザイアンの主が復活する前兆だ、とも。
どちらにしても信憑性に欠けている、とおもうのは仕方がないであろう。
そもそも、ディザイアン、というものはロイド達が産まれるより前よりこの地にいるのだから。
「私が世界再生をするまで我慢してね、ロイド」
そんな彼らにたいし、金髪の少女が声をかける。
雪の中を歩く一行はかなりかわっている。
子供ばかり、のようであり、そのうち大人が二名。
一人は銀髪の女性であることから、もう一人の銀髪の少年と血縁関係であることがうかがえる。
対して、この一行にはにあわないいかつい表情の赤い髪の男性が一人。
それ以外はざっとみるかぎり十代にしかみえない子供が三人。
男の子が二人に女の子が一人。
彼らは金髪の少女…コレットの護衛、という立場でここにいる。
コレットはこの世界にとっては神子、とよばれる存在であり、今現在は彼らにとって大切な役目の真っただ中。
そんな神子であるコレットがそう言えば苦笑するしかないロイド。
「でも、早くどうしかしないといけないわね。 
  この寒さでは此処に住んでいる人達が凍死してしまうかもしれないわ」
トリエットの人々を見ればどうやって寒さを凌げばいいのかわからないという雰囲気であった。
砂漠に住む人々には信じられないことが現実におこっている。
このままでは凍死する可能性もありえる。
否、事実すでにそれらしき噂もたしかにきいたのもまた事実。
「まずは先に進むことが先決だ。このままでは我々が凍死する可能性もある」
そもそも、雪が降っている、とわかっていてこの服装はどうか、ともおもう。
一行はざっとみるかぎりロクな傍観対策をしていない。
そんな子供達にむけてあきれたようにいっている赤い髪の青年。
が、彼は見た目通りの年齢ではない。
もっとも、彼らはそんなことなどしるよしもない、のだが。
この寒さの中、身体を震わせていないのは彼くらいであろう。
「わかってるよ!ノイシュ、コレットとジーニアスの傍にいてやってくれ」
「ワフッ!」
ノイシュ、とよばれた動物もこれまたかわっている。
犬のようでいて犬ではない、不思議な動物。
もっとも、ロイド曰く、犬、といいはっているのだが。
ロイドの言葉に心得たと言わんばかりに鳴くノイシュ。
クラトスの隣を歩いていたノイシュはコレットとジーニアスの傍にとちかよってゆく。
それに応じて二人の子供がノイシュにここぞとばかりだきつき、暖をとっているのがみてとれる。
「「あったか~い」」
そんな彼らの様子に苦笑せざるをえない銀髪の女性。
「ようやくみえてきたわ。あれが目的地よ」
「あれが……」
「あれがそう、なんですか?リフィル先生?」
雪の中。
雪に埋もれた遺跡らしきものが彼らの視界にとはいってくる。
そここそが彼らが目指す場所。
…伝説によれば、そこに火の精霊が封印されている、らしい。
彼らの旅の目的…それは、封印されている精霊を解放し、世界を救う、というもの。
曰く、救いの旅、とよばれしもの。
――再生の神子。
それは古より伝わりし伝承と、そして彼らにとっての真実。


「あったけ~っ!」
封印されている、という遺跡は神子の力にてその入口がひらかれ、中にとはいってしばし。
ようやく一息がつけるといってもよい。
まあ、入る前にちょっとした彼らにとっての学校の担任であるリフィルの豹変ぶりに驚きはしたが。
ともあれ、ようやく一息がつける、とはまさにこういうのをいうのであろう。
外とくらべ格段にこの場は暖かい。
どうやら遺跡の中は凍死や凍傷、などといった心配をする必要性はないらしい。
…もっとも、壁のところどころが凍りついているのがみてとれるが。
それでも外ほどではない、といってよい。
雪でつくった【かまくら】とよばれしものの中が暖かいように、
どうやらこの遺跡の中もそれが適応されるのか、それとももともとが暖かいのか。
それは彼ら…ロイド達にはわからない。

「素晴らしい!」
リフィルが何か喋っているが何も聞こえないフリをするロイド。
聞こえても何を言っているのか理解出来ない分、尚更無視する。
あのリフィルにこんな一面があるなんて誰が思うだろう。
そもそも入口においての豹変ぶりで、ジーニアスのおちこみぐあいから、
このことに関してはかかわらないほうがいい、とおもったがゆえの無視。
「この奥に炎の封印があるんだよな?」
「うん。間違いないと思うよ」
ゆえにそんなリフィルの様子をさらり、と無視し、コレットにと確認しているロイドの姿。
そんなロイドの質問にうなづくコレット。
「よし!なら、さっさと行こうぜ!」
「姉さん、行くよ」
いまだに壁などをみて興奮気味のリフィルをそのままに、奥にと向かってゆく子供達。
が、クラトスのみはその場にしゃがみこみ、床をじっとみていたりする。
長年放置され、誰も足を踏み入れられない遺跡…のはず。
その遺跡に自分達ではない真新しい足跡がたしかに存在している。
そのことにクラトスは眉を潜める。
ありえないものがそこにある。
どうみても足跡は魔物とかといったもの、ではないっぽい。
しかし考えても仕方ない。
今すべきことは、神子の儀式の成功、なのだから。

ロイド達が遺跡の内部にと入っているそんな中。
遺跡の近くをうろうろとするしかないノイシュ。
ロイド達とともに遺跡の中にはいりたいのだが、体がすくんでしまって中にはいれない。
怖さのあまりに体が震える、というか、脳裏によぎるとある光景。
その光景がノイシュをしりごみさせてしまう。
怖さのあまり足が震える。
あのときの恐怖が襲いかかってきて、なおさら行動にうつれない。
と。
ふと近づいてくる魔物の気配にきづき、あわてて近くの柱の向こうにと姿を隠す。
そのまま体を隠したまま、そっとその気配を確認する。
三体の魔物に、人間が一人。
魔物とともにいる少年。
そのことに対し、ノイシュは一瞬、驚きを隠しきれないが、
しかしどうみてもその少年は魔物におそわれている、というような感じではない。
むしろ魔物を従えているようにみえ、ノイシュはおまわず目をぱちくりさせてしまう。
魔物が人の言うことをきく、など通常はありえない。
しかし、ありえない光景が目の前にとある。
混乱するノイシュの視線の先で、金髪の少年がすっとロイド達が入った入口よりさき。
今では崩れかけているが、まだ形をたもっている遺跡の壁の目の前にとたつ。
それとともに、遺跡の壁にぽっかりと穴がひらき、
そこから少年達は遺跡の中へとはいってゆく。
彼らの姿がきえるとともに、その入口はきえ、元の壁にともどりゆく。
何が起こったのかわからない。
先ほど、たしかに開いたはずの通路があった壁にとより、
その壁にと耳をたてるが、物音はきこえない。
というか、この入口は、ヒトが知りえるはずのないもの。
ゆえに余計にノイシュは混乱してしまう。
その入口は魔物達でしか今では知らないはずの場所。
それゆえに中にはいっていったロイド達を心配するノイシュは間違っていないであろう。
まだ、ノイシュは気づかない。
今、であった存在が『誰』、なのか――



ロイド達一行が魔物を倒しながら先へ進んでゆくことしばし。
まだ炎の封印らしき物は見当たらない。
「あー、どこまで続くんだよ……何か同じ道ばっかりじゃね……?」
「飽きたならすぐに戻れ」
「何だと!」
クラトスの言葉にロイドは噛み付く。
「これは遊びではない。世界が懸かった旅なのだ。
  飽きたと思うならお前はこの旅を軽視している証拠だ」
淡々といわれ、ロイドは思わずかっとなる。
まるで馬鹿にされているようなそのものいい。
しかし、クラトスの台詞はまさに的を得ている、といってよい。
ロイドはなぜ、かっとくるのか、その根本的なことがわかっていない。
人は、図星をさされれば、時としてギャクギレを起こすもの。
ロイドにしてもそれがおこっているといってよい。
否、無意識下ではクラトスにいわれたから、というのもあるのであろうが。
「ふざけんな!誰が戻るかよ!」
クラトスに言い返すようにして、そのままずんずんと奥にと進み始めてゆく。
くやしい。
怒り以上に悔しい、という思い。
あのときもそう。
足手まとい、そういわれた。
そして今もそういわれているようで。
悔しい。
クラトスに馬鹿にされたのが悔しい。
コレットを守るためについてきたのにまるで守れないと言われているような気がしてしまう。
まだまだ剣だけでなく心も未熟なんだと言われているようなもの。
絶対にクラトスのやつに認めさせてやる!
心の中でそう決いを新たにする。
なぜかクラトスには認めてもらいたい。
それがなぜ、なのかはロイドにはわからない。
と。
「ぶっ!」
ずんずんと進んでゆくと、何かにぶつかり、そのまま反動的に、
その場の床にとよろけるようにして座り込んでしまう。
一体何が…そうおもいつつも、ぶつかった鼻をおさえつつ、目の前をみれば、
「ま、魔物!?」
思わず目の前のそれをみて声をあげる。

道を塞ぐようにしている魔物が一体。
ロイドが声を上げたと同時に剣を抜いたクラトスがロイドと魔物の間に入る。
そんなクラトスに促されるように慌てて立ち上がりロイドもまた剣を抜く。
コレット達も武器を構える。
が。
ヌヌヌヌヌ……
「!コイツは……」
「クラトス!?」
魔物はびくともしない。
おそらく何か、に気付いたのであろう。
クラトスがため息とともに、抜き放っていた剣を鞘にとおさめ、
そんなクラトスの行動になぜ剣をしまうのか、という表情でクラトスにと問いかけるロイド達。
「……攻撃を仕掛けても無駄だ。眠っている」
「へ?」
たしかに、魔物はびくり、ともしない。
というより、気のせいか、寝息らしきものがきこえてまでくる始末。
たしかに…クラトスのいうとおり、目の前の木の魔物は眠っている…らしい。
「うわぁ。ぐっすり寝てるね。きっとお昼寝中なんだよ」
のほほんとそんな魔物をみて、にこやかにいっているコレット。
「そうなのか?」
「魔物って昼寝するの……?」
コレットの言葉に素直に首をかしげているロイドに対し、
ぽそり、とつぶやくジーニアス。
魔物が昼寝するなんて、書物のどこにも書かれていなかったけど。
そうはおもうが、現実に目の前で眠っている魔物がいるのも事実。
ゆえにジーニアスとしても戸惑いの声をあげるしかない。
「見た事のない魔物ね……眠っている間に倒した方がよろしいのではなくって?」
「先生、セコい……」
「立派な戦術です」
リフィルに睨まれ足を半歩下げるロイド。
「この魔物は眠っている間全ての攻撃を無力化させる」
「えぇっ!?ど、どうするの!?通路は此処しかないよ!」
「なら、魔物さんを起こそうよ」
「いや、起こすって……」
「それがいいだろう」
「は?」
クラトスの言葉にロイドは驚きを隠しきれない。
一瞬、ロイドの頭の中にコレットと一緒に魔物に声を掛け、起こそうとするクラトスの姿が浮かび、
ないない、とあわててそれから先の光景を思い浮かばせてしまい、
あわてて脳裏の中からその光景をふりほどくように首を横にふるロイド。
「そうね。このまま起きるのを待っていたらいつ起きるかわからないし……
  動かそうにも動きそうにないから、それしかないでしょう」
たしかにリフィルのいうとおり。
とおり、なのだが。
「でも、どうやって起こすの?」
魔物を起こす方法などジーニアスもしらない。
ゆえの戸惑いの声。
「……餌を与えてみるのはどうだ?」
「餌ぁ?」
「餌の匂いでこの魔物を起こし、退いた間に奥へ進む」
「お!それいいじゃん!」
「ちょっと待って!その餌はどうするの?」
「アップルグミでも大丈夫かな?」
「駄目なんじゃない?」
何やら子供達はそんな会話をしているが。
そんな中、口を開こうとしたクラトスはハッと背後を振り向き、柄に手を掛ける。
ロイド達もクラトスと同じ場所を見、それぞれ武器を手にする。

通路の奥から魔物が姿を見せる。
低い唸り声を上げ、威嚇してくる魔物。
ロイドは鞘から剣を引き抜いた。
いつでもすぐに対応できるように。

「どうしたの?」
通路の先、魔物の後ろから現れた人影にロイドは目を見開く。
それはロイドだけでなくコレット達も同じこと。
その人影はロイド達を見るとありえないことに魔物の頭を撫でる。
「駄目だよ」
人影…あらわれた金髪の少年に言われ唸ることを止めた魔物は頭を撫でる手に擦り寄る。
甘えたような声を出す魔物の頭を軽く叩くとロイド達に近付く。
魔物は当たり前のように少年の後ろを着いていっている。
先程まで唸り声を上げていたウルフ…にみえるがウルフとは少し違うようにもみえる魔物。
少年のすぐ傍に浮かんでいるインプ。
ウルフと同じように後ろを歩くキマイラ。
合計三体の魔物が少年に付き従っているように見える。

「すみません、この子が驚かしてしまったみたいで……」
頭を下げ、申し訳なさそうにする少年。
そんな少年に毒気が抜かれるが、怪しいことには変わりはない。
「お前もディザイアンの仲間か!」
ロイドは抜いた剣を少年に突き付ける。
そんなロイドに魔物達は殺気立つが、少年の言葉に従い威嚇に止めていた。
「ディザイアン……?あ、あの、ディザイアンって何ですか?」
「貴方、ディザイアンを知らないの?」
「は、はい……」
少年の言葉に驚愕するロイド達。
「お前ディザイアンを知らないのかよ!?」
「え?は、はい……」
「相当無知なのか、安全な場所にいたのか……こんなご時世に知らないなんて……」
「お、おかしいんですか?」
ひたすらに首をかしげ困ったようにいっている様子に嘘はなさそうである。
「おかしいに決まってるでしょ!」
わたわたと慌てる少年にコレットは近付く。
「ディザイアンはね、マナを消費して皆を困らせているの。
  勇者ミトスと女神マーテルが封印んだけど、その封印が解けちゃって……
  だから今世界がおかしくなっちゃってるの」
「ミトス……マーテル……」

よりににって自らをうらぎってくれたものの名がどうしてでてくるのか。
無意識のうちに声が本来の口調にもどってしまう。

ロイドは背筋がゾッとする。
目の前の少年が酷く冷たい感じがする。
それだけでなく、空気も震えている気がした。
否、実際に震えているのかもしれない。
息をするのすらも息苦しい。

「……かまっている暇はない」
じろり、とみればみおぼえというか覚えのあるマナをもつものすらもいる。
あいてはこちらを知らないであろう。
この姿ではあったことがないのだからあたりまえ、といえるが。
裏切りしものの四人の中の…一人。
そう呟くとロイド達を通り抜け、冬眠している魔物、デナイドの前に立つ。
右手を横に突き出し、小さく何かを呟く。
何を呟いているのか聞き取ったクラトスは聞いたことのない言葉に戸惑う。
闇の中から浮き出たような青い陣。
見たこともない模様の陣に驚くリフィルとジーニアス。
「アーケロン」
少年の呼び声に答えるように現れた魔物。
「ま、魔物!?」
いきなり現れた魔物にロイドは慌てて距離をとる。
現れた魔物、アーケロンは分かっているかのように魔物に近付いてゆくが。
好物の魔物の匂いに気が付いたのであろう。
木の魔物、その種族名をデナイド、というが…は目を覚ます。
その瞬間、デナイドの身体に剣が振り下ろされる。
それと同時、魔物のましたに陣のようなものが出現する。
樹の魔物はそのままの姿勢でまるで服従のような姿勢をとり、ぺたん、とその場に枝をつく。
『用事があればよぶ。今はいけ』
その言葉をうけ、魔物はその場からしずかに立ち去ってゆく。
まるで臣下のものが礼をとりつつ立ち去るかのごとくに。

方陣が表れ、アーケロンが消える。
そのまま通れなかった通路を通ろうとした瞬間、
「すご~い!どうやって亀さんを出したの?凄いねぇ」
コレットの言葉が辺りに響き渡る。
ふとその声に気配を解放しかけているのにきづき、あわてて納める。
すっと目をとじ気配をおさえ、気持ちをおちつける。
すると震えていた空気が次第に静まり始めた。

「えっと……説明しようがないんだけど……」
完全に静まると少年は困ったようにコレットを見た。
あの冷たい、激しい炎を纏っていた少年の姿はどこにもない。
「私、コレット・ブルーネルだよ」
「え、エミルです。エミル・レジェンド・ラ・キャスタニエ」
それは古からの名。
ディセンダーとして姿をあらわしていたときの、彼のヒトの姿としての名。
ほんわかした空気の中、誰かがため息を吐いたのが感じ取られる。
目の前の少女のマナ…正確にいうならば、胸につけている石のマナか。
あきらかに悲鳴をあげているのに気付かない、愚かなるヒトに嫌気がさす。
いらいらしてしまうのは、そのものいいが、裏切ったマーテルにとてもよく酷にしているか。
彼女が悪いわけではないのかもしれない、ないが種の中に精神体がはいりこんでいるのはつかんでいる。
それくらいのことは繋がっている以上わかる。
しかも彼女を復活させるために種に備えていた力すらもつかわれている模様。
これが裏切りでなくて何とする。

しばし、彼らとエミルとの会話がつづいてゆく……


                            ――Go To Next

Home    TOP     BACK    NEXT


$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

あとがきもどき:
薫:このシリーズ、逆行バターンとか(記憶もったまま)
  よその世界の自ら(未来逆行もの)と融合したりとか。
  はたまた、精霊ラタトスクの守護者?たるディセンダーエミルと一緒とか。
  おもいついたパターンはいくつもあるので、
  メモ帳には、ラタSクロスが数点あったりします(笑
  エミル=ラタトスクが記憶喪失になってて、イセリアに住んでる、というパターンもv
  そっちはある意味で、テイルズシリーズキャラの主人公達が総出演。
  Lのセネルを海の精霊にしていたり、某所でみたとある人の設定さんが、
  かなりツボであったがゆえに採用させてもらってかいてたり(まてこら
  いや、同じような設定の人がいる。ならこちらも書いてもいいかな?
  というのが打ち込み動機の発端だったり(エル様にも言えることv)
  ちなみにそちらは、ある程度すすんだのち、書きたいシーンのみ書きなぐってるのみ。
  ともあれ編集、編集……

H26:1/5追伸:とある某所でこれってロイドアンチでは?という意見をいただきました。
シリーズというか私の中のロイ像が全体的にそういう感じにとらえられるのかな?とおもったり。
で、こちらにも念のためにこちらにも私の中のロイド像をのせておきますね。
私の中のロイド・アーヴィング像はといえば、
なんか彼って自分のことに関してはちょっぴし、いやかなり?メンタル面が弱いような気がします。
いや、母親のことをいわれたときもそうだったし、クラトスのことをしったときもそうだったし。
自分に直接かかわりのないことでは他人にもかなり寛容というか懐は広い?とはおもいますけどね。
なんか感情のままにつっぱしるような気がします。
・・・いい例が、とある未亡人に結婚の申し込みをした経緯とかからも、
後先考えずに口走る、という感じがもうひしひしと・・・(あれで決定づけられたといってよい)
なので自分に直接ちょっとでもかかわりがあるようなことなら、感情にまかせ、
人からしてみれば信じられないことも口走る、ありえる、とおもっていたりします。
あしからず。
・・・これって普通のロイドファンの人にはアンチ・・になるんですかねぇ?謎・・・

そもそも、第三者にいわれてはっと我にもどってたし・・ロイド。
ミトスの過去をみせられたときもコレットの声で、クラトスのことをしったときは、
小説版ではゼロス&コレットの二人の声、ゲームではコレットの声で我にもどってたし・・・
それまではおもいっきり狼狽しまくって自分見失ってましたしね・・・



2013年6月1日(土)某日

Home    TOP     BACK    NEXT