まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。



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白銀をゆくもの ~日々の日常?~


「リア!誰にでもついていったらダメでしょうっ!」
少し目をはなしたすきにはぐれてしまうのはいつものこと。
ようやく見つけてみれば何か数人の男たちに取り囲まれている銀色の髪の少女の姿。
「あ。サラお姉様。この人達がね。困ってるからついてきてくれって」
にこにこと声をかけてきた紅い瞳に紅い髪の女性に少し困ったようにそれでいて疑うことなくいってくる。
ちらっと視ただけで男たちが何を考えてるのかはすぐに普通ならばわかるであろうに。
…そう、普通なら。
「…この子に何か用、かしら?ん?」
そんな男たちを睨みつけながら彼らだけにわかるように【気】を飛ばす。
ひいっ。
小さく男たちが悲鳴をあげたかとおもうと、そのまま、
「あ、自分達で何とかなりそうなので」
「そ、それじゃぁっ!」
脱兎のごとくに駆け出してゆく男たち。
普通の人間に【かれら】の【気】に耐えられるはずもない。
下手をすれば命にかかわる。
少しの【気】を受けただけで熱い炎の中に放り込まれたような錯覚に陥ってしまうほど。
「あれ?…へんな人達。ねえねえ。サラお姉様。世の中には変わった人達がいるんだねぇ」
当の当人はといえばそんな様子に気づくことなく首をちょこん、とかしげつつもそんなことをいっている。
「…は~…。あのね。リア!あなたが旅にでる!といいだしたのよ!?そのあたりわかってる!?」
そもそも、母親が身動きとれないときに自分がかわりに出向くのが道理だの何だの。
と【彼ら】を説得…もとい、いいまかしたのはリア、と呼ばれている本人。
【彼ら】からすれば、母親が動けるようになるまで彼女には大人しくしてもらっていたほうがいいのだが……
【彼女】の怒りをうけるようならば世界すべてを敵に回したほうがまだましである。
「うん!お母様が今、世界を支えるために身動きとれないんでしょう?
  物心ついたころからお姉様達に教えてもらってるもの。
  だから、お母様のかわりに私が世界を安定さすのっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
わかってない。
わかってないわ、この子。
「…私たちの育て方…間違ってたのかしら……」
精霊、と呼ばれている自分達ですらあの男たちの下心はわかった、というのに。
あのとき、母親におどさ…もとい、頼まれて【リア】を育てることになったのはついこの間。
とはいえ、彼らの感覚と人の感覚とでは時間の誤差がある。
隔壁された場所にて育ったせいか、この【リア】はかなり人の感覚とはかけ離れて育っている。
基本、自分達は人間世界には干渉しない。
自分達の力はそれほどまでに巨大である、と自覚しているがゆえ。
しかし、【彼女】だけは人の身でありながら『・・・本当に人間?』と【彼ら】すらうならせる何かがあった。
その精神力にしろ、けたはずれの意思の力に魔力。
おそらくは【母なる海】の何かしらの影響を受けた人間なのであろうがそこまで詳しく知ろうとはおもわない。
また思いたくもない。
「この間はひとつの村が洪水に見舞われたのに…」
は~……
交代で旅の同行をしている【彼ら】たち。
その中でも過保護といっても過言でないディーネが彼女にちょっかいだす輩を懲らしめようとしたのはついこの間。
その結果、ひとつの村がほぼ壊滅状態近くまでなってしまったのではあるが……
まあ、それはそれで彼ら人間側の自業自得、というものである。
「とにかく。私たちがしっかりと見張ってないとね!」
何しろ赤ん坊のころから自分達が育てているのである。
ゆえにこそ自分達にはその責務がある。
何よりもその純粋な笑顔をむけられると心がとてもほぐされる。
「?サラお姉様?何いってるの?そういえば、次の目的地って城下町とかいってたっけ?」
【聖域】をでてはやひと月近く。
とりあえずは近くにある城下町を目指して旅をしている今現在。
「そうよ。くれぐれ!も。私から離れたらだめよ?リア?」
「は~い!」
そんな会話をしつつもその場を立ち去ってゆく彼女達。
少し離れた場所で数人の男たちが黒こげになって呻いていることをリアは知らない……



                            ――Go To Next?

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あとがきもどき:
薫:さてさて。この短編もどきは2011年の正月年賀につかった画像のキャラのお話しです。
  精霊達(?)に育てられたがゆえに人間とは感覚がずれて育った主人公、リア。
  彼女の目に届かないところで育ての親達は彼女に危害を加えようとしたものには容赦してませんv
  この御話しはとりあえず二部構成になっています。
  この短編は初めて【聖域】と呼ばれる隔壁された場所からでたときの御話しです。
  ラスボス(?)はすべての世界を我がものにしようとしている輩です。
  二部はすべての世界を無に還そうとしているものがラスボスなんですけどね(苦笑
  ちなみに、この日常?とかかれているとおり。
  彼女の旅にはこのような出来事がよくおこっている、というのが現状だったり(笑
  みなさん、かわいい子の保護者に要注意v(かなりまて
  ちなみに、主人公のお母さんは…スレ世界の郷里の姉ちゃんのような扱いです・・・あしからず・・
  それでは、またいつかv

2010年12月31日(金)某日


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