まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

今回は、本編にさきがけて、ちょこっと回想みたいな短編ですv
ともあれ、それでは、いっきま~すv
あ、ベースはゲーム&アニメ、そう考えてくださいなv

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「ないてるの?」
誰もいない、とおもっていたのに。
いきなりいなくなった。
大切なお母様も、お父様も。
まっていて、といわれたけど、どうしても心配で……
目の前でお父様は、私をかばって……
ぐしっ。
だけども泣いてなんかはいられない。
自分と同じような境遇の子はたくさんいるのだから。
あのとき、あのタナトスがどうして消えたのか、なんてわからない。
わかるのは…大切な人たちを失った、という悲しみ。
「……な、ないてなんか……」
そう強がりをいいつつ、顔をあげる。
目の前には自分と同じ年頃くらいの金髪の髪の少女が一人。
「アンジェリーク。その悲しみはあなたの糧となるもの。いずれ時がみちればわかるはず」
子供なのに大人びた口調。
逆行で相手の顔はよく見えない。
「…あなたは…だぁれ?」
「私?私は……あなた、そして…あなたは…私……」
??

アルカディア・メモリー

誰かが、夢の中で私を呼んでいる。
だぁれ?
あなたは…だぁれ??
「にゃ~」
「ん~……、あ、おはよう。エルヴィン」
ゆっくりと起き上がる。
青い髪がさらり、とゆれる。
「さ。今日も一日頑張りましょうね。エルヴィン」
ついこの間まで普通の学生だった私が今こうしてここにいるなんて信じらないけど。
だけども、自分にある力で困っているたくさんの人々を助けたい。
その思いは真実。
もう、自分のようなあんな悲しい目にあう子供を二度とつくらないためにも。
「そういや、何か夢みてたけど……わすれちゃった」
「にゃ~」
「はいはい。それじゃ、おりるとしますかね」
ゆっくりとベットから起き上がる。
陽だまり邸。
彼女…アンジェリークが今住んでいる屋敷の名前。
そして、この屋敷には、同じく住んでいる男性が四人。
別に家族とかそういうものではなく、彼ら四人と彼女は仲間。
さまざまな偶然がかさなり、であった、大切な仲間。

――だけど、アンジリェーク、それは偶然であり必然。
   あなたの助けとなりえる翼の一部。
絆で結ばれた羽が四組。
それぞれが複雑に絡み合い、そして未来をつむいでゆく――

「さってと。それじゃ、いきましょ。エルヴィン」
「にゃ~」
ひょい、と真っ白な毛並みに銀色の毛が混じっている猫を抱きかかえそのまま下にとおりてゆく。
今日は何だか大変な日になりそう。
あのよくおぼえいない夢をみたときはいつもそうだし。
そんなことをアンジェリークはおもいつつ。


――アンジェリーク。
とくん。
体がとても温かい。
いつものようにしているだけなのに。
この暖かさは…なぁに?
先ほど、星の船の中で何かをしていたらしい財団の人たち。
何かもっていたモノが壊れるのと同時にタナトスにと襲われた。
彼らはそのまま外にとでてゆき、気づけば集まっていた町の人々が被害にあっている。
繰り返される悲劇。
タナトスにつかまり、なすすべもなく生気をうばわれ、ころがる人々。
――世界を、やさしさで満たして。
そう、願ってやまないのに。
どうしたらこの悲劇は終わらせられるの?
ゆっくりと目を閉じて祈るように手を組んでいた。
――アンジェリーク。
また、どこかで名前を呼ぶ声がする。
―――あなたは、私。私は…あなた…さあ、今こそ……
さきほど船の中できいた声。
でもそれは、自分にしか聞こえてなくて……

「……すっげぇ……」
パッン!!
パリッンっ!
「だ、だめです!計測…不能っ!」
街中でならば数値がはかれる、そうおもったのに。
先ほどの船の中での計測も失敗におわったらしい。
建物の屋上にて違う意味で叫ぶ人々と、そしてまた。
地上においてその光景を目の当たりにしておもわずつぶやくしかない人。
ゆっくりと光の羽が周囲に広がってゆく。
やわらかな、やわらかな金色の光の波。
光の中、その中心にたたずむ少女よりはっきりと確認できるのは、白き羽を羽ばたき祈りをささげている様子。
金色の光に包まれた白き羽が街の中。
否、街の外にまでおよび舞い降りる。
それと同時にタナトスに襲われ倒れていた人々もまた光に包まれ元通りになりめざめゆく。
女王の卵が降臨した。
それは、まことしやかに噂されていたこと。
先日の昼間のオーロラといい、そして…この光。
羽は手にすることもできずに人々の体に触れると同時に光とともにはじけ消える。
――アンジェリーク。あなたの手助けになるもの。それはあなたの力の源となりえるもの。
祈りをささげている最中、心の奥底に響いてくる声。
あなたは…だぁれ?
私は…あなた。
はるかみらいの…あなた自身――

「……これは……」
おもわずばっとテラスを乗り出し眺めてしまう。
ファリアンのある方向の空が金色にと光っている。
まさか…目覚めた?
……否、そうではない。だが……
くっ……
自身の中に巣食う存在。
それが暴れだしそうになるのをかろうじて抑える。
そう。
まだ自由にさせるわけにはいかない。
彼女が完全に覚醒するまでは。
――闇は光をのみこみ、また光は闇を消し去る。
アンジェリーク、あなたのその光が私には必要なのです。


「人、というものはいつもどうしておろかなことを考えるのかしらね?エヴィル」
さわっ。
風が頬をなでてゆく。
『それでも、人は……』
「そうね。…あなたはどうおもう?ルネ?」
呼ばれたような気がした。
というか確実に呼ばれた。
だからここにきた。
本来ならば立ち入り禁止の場所にいるはずのない少女が一人。
だがしかし…彼には、『判る』。
「全ては、我らが女王。そして…全ての世界を創りし存在コスモスメイト様のお心のままに」
それだけいって膝をつく。
そう。
すべてはかの意思のままに、過去、現在、未来はつながってゆく。
そして…この地においても……



「しかし。あのときの陛下の力にはたまげたよなぁ」
「まったくだ」
「ひどいっ!二人とも!」
ぷうっ。
おもわずむくれてしまう。
あのとき、あの星の船にすくっていたタナトスを浄化した。
その後、街にとでていってしまったタナトスをも。
あのときのことはいまだによく覚えている。
そして、空より舞い降りてきた一つの宝石オーブ
手にとった瞬間、その力が体の中にみちてゆき、それまで浄化するたびに疲れていたモノがなくなった。
それだけではない。
「まったくだ。あのときさすがの俺でも写真をいっとき撮るのわすれたしな」
目の前にて、あの幽霊船のような船が輝きを取り戻したあの驚愕。
それはいくら時がたてども忘れられるものではない。
「こらっ!アンジェ!まぁぁたこんなところでさぼって!」
「そうよ。陛下。今日のお仕事まだのこってるのよ?」
「ああ、そういわないで!ハンナ!サリー!!」
女王の力に目覚め、そしてエレボス、と呼ばれていたものを消滅させた。
そして、新たなこの地。
聖地にとおもむき、この宇宙を管理、育成することになった。
以前は一人で聖地に閉じ込められるなど、という思いもあった。
だがしかし、宝石オーブを集めていてわかったことがあった。
宇宙をすべる九つの力。
それを司どることができる信頼できる、そして大切な仲間たちのこと。
彼らは異なる時間軸の中でいきてゆくのを彼女が女王であるがゆえにこころよく受け入れた。
そしてまた。
彼女を大切におもっていた親友である二人の少女もまた。
神猫の宇宙。
この地はそう呼ばれている。
「それより!次の日曜日には神鳥の宇宙の女王陛下と、神獣の女王陛下がこられるんですからっ!
  アンジェもっとしっかりしてよねっ!」
「きゃぁぁ!ごめんなさい!」
女王になれどもかわらない大切な親友。
そして、彼らからすれば女王になってもかわらない大切な人。
だからこそ、頑張れる。
この世界を守ってゆける。
「ほんっと、アンジェはあいかわらずだよねぇ。エルヴィン」
『…ほんとうに。この私が人型になれる日はいつでしょう?』
他の世界と異なる、といえば常に宇宙の意思たる存在が猫の姿でいる、ということ。
宇宙の力が満ちれば、どうやら人型にもなれるらしい。
「ひ、ひど~い。ルネもそれにエルヴィンも!ってエルヴィン、そういやそろそろお風呂いれないと」
『…っ!そ、それは…』
「「「あ、にげたっ!」」」
ふと気づいたようにいうと同時に瞬く間に姿をかき消すエルヴィン、と呼ばれた猫。
ここ、神猫の宇宙の聖地は今日も平和である。

神猫の宇宙暦元年。
彼女たちの物語は…まだ、始まったばかり。


                                         -終わり♪ー

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あとがきもどき:
薫:さてさて。ネオアンジェリークの小説の短編ですv
  時間軸的には、すでにアンジェリークが即位した後。
  即位と同時に守護聖も全員すでにきまっているのでまあ楽ですv(笑
  当然、なので神獣の宇宙のような混乱はおきませんv
  ゲーム主体で考えてましたけどアニメの設定もおもしろいので(こらまてや
  もりこむことを決定!
  いや、少し困ってましたからねぇ。
  新たな教団の長を誰にするか…というのを(こらこらこら
  アニメ設定つかえばその問題も解決されますしv
  ちなみに、ここでネタバレをばv
  ニクス&ヒュウガ&ジェイド&レインは当然守護聖にv
  んでもって、ディオンとカーライル(復活します)も守護製にv
  さらにルネに関しては光の守護聖になるべく存在なので全ての知識を得て誕生してた。
  という裏設定v
  アンジェの手助けにするべくベルナールも守護聖の気質もってるのでこれまた守護聖。
  ちなみに、
  闇の守護聖ニクス・炎の守護聖レイン・緑の守護聖ジェイド・鋼の守護聖ヒュウガ・
  地の守護聖ベルナール・風の守護聖ロシュ・
  水の守護聖ディオン・夢の守護聖カーライル・光の守護聖ルネ・
  に決定(こらこらこら
  風は誰にしようかな?とオリキャラいれようとおもってたのでアニメの人物組み入れですv(かなりまて
  マティアスはそのまま教団長にいてもらいますvあしからず~~vv


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