風の記憶 〜プロローグ〜
「しかし、本当にいいのか?ルナ?」
黒髪のまだ若いとみえる青年が、見た目かなり丹精な整った顔立ち。
隣にいる年のころならば十歳くらいかそれより下くらいであろうか。
そんな話しかけている男性に心ならずも何となく似ていなくもないが。
そんなその言葉に。
「ええ。もう決めたことですから。」
そういってにっこり微笑むその顔は。
どうみてもまだ幼い少女のその顔ではない。
「…ルナ姉さん。どうしてもいくんですか?」
半分いじけているようにも見えるが。
ぎゅぅぅぅぅぅぅ。
「いた、いたたたぃぃぃ!いたたっ!姉さん、痛いです!」
その顔が少しばかり緩んでいるのをみてとり。
そのままそんな声をかけてきた金色の髪に碧い瞳。
こちらもまたおそらくは十歳くらいであろうか。
思わず内心のうれしさが表にでてにやけてしまったそんな少年のほっぺをおもいっきりつねっているルナと呼ばれた少女。
「んん?ガウリイちゃぁぁぁぁん?姉さんがいなくなってうれしいのかしらねぇ?んんっ?」
にっこり笑いつつも。
ぐいぐいと顔をひっぱりつつ。
そして挙句は。
「で…であぁぁあ!姉さん!ルナ姉さぁぁん!それはひっこめてぇぇぇえ!」
思わず本気で泣き叫ぶガウリイと呼ばれた少年。
いや、少年、というべきか。
そのさらさらの長い金髪は。
周りの女官たちによってきれいに結われ。
はっきりいって服装も女の子のような格好をさせられていたりする。
何でもいわく。
その方が似合うしそしてかわいいし。
何より、この国には。
まだ幼い子供はその性とは異なる格好をさせることにより。
丈夫に育つ。という上流社会の慣わしがあるゆえに。
本人はいやなのだが。
あまりに似合うものでもはや毎日が着せ替え状態。
しかも、女ものの服がかなり似合う、となれば。
仕えている女官たちもまたやりがいがある。というものである。
「おいおい、ルナ。とりあえずその包丁だけはやめておけ。せめて短剣とかにしておきなさい。」
にこやかにそんなことをいっているそんな青年のその言葉に。
「はーい。父様。」
「でぇぇぇえ!父様ぁぁ!ルナ姉さんを挑発しないでくださいぃぃい!」
いつものことながら。
ガウリイ、と呼ばれている少年の叫び声が広い室内にとこだましてゆく。
この世界、というかこの辺り一体。というかこの広い大陸。
そのほとんどはひとつの国家で統一されている。
そして、その国家を安定させているのはとある王族の人々。
だがしかし。
今現在、その正統なる血筋の後継者は、このガウリイ、と呼ばれている少年ただ一人。
いや、もう一人、ルナと呼ばれている少女もなのであるが。
だがしかし。
こういった大きな国家であるがゆえに、お家騒動、というものも当然ながら発生する。
しかも、姉であるルナは弟であるガウリイよりも剣舞に秀で、右に並ぶものがいないほど。
弟であるガウリイは姉に鍛えられてそこそこの実力はもっているものの。
だがしかし、まあ普通やちょっと強い、…まあそのちょっとがどれほどかは別としても。
どうがんばっても姉にはかなわない、というのが現状。
それゆえに時期皇帝にはルナを。
という声もなくなない。
だがしかし。
ルナは自分は皇帝の器ではないから、といいつつ。
弟であるガウリイにすべてをゆだね。
その結果。
自分はとある場所に養女にゆく、という話を一人でかってに。
いつのまにか父にも内緒でまとめてきていたりする今現在。
彼らには母親はいない。
ルナとガウリイがまだ三歳のときに。
母親は死亡しているのである。
そして、その母親というのがこの大国のたった一人の正統なる跡継ぎであったのである。
彼らの父親である今ルナとガウリイの目の前にいるこの青年は。
どうみても二児の父親にはみえないが。
れっきとしたこの大国の国王であり、そしてまた女王であった彼らの母親。
セレーヌの婿養子でもある。
そして、この国の正統なる純粋なる力を受け継ぐものは。
代々、その髪の色は金色。
そう決まっている不思議がある。
その髪の色にかつて光の髪が加護を与え、混乱に満ちたこの大陸と世界を。
ひとつにまとめあげた。
という逸話ものこっていたりする。
それゆえに、この国では王家のしかも金色の髪は重宝される。
ガウリイがいくら双子とはいえ弟の分際で。
正統なる跡継ぎ、とされているのはその関係もあるこの現状。
「あうあうあう・・・」
ほとんど泣きべそ。
よくまあ死なない、と自分でも関心するが。
何しろ同じ双子として誕生してこのかた。
姉であるルナは手加減はない。
姉は黒い髪に紅い瞳。
そして弟であるガウリイは金色の髪に碧い瞳。
そして父親であるマルスは黒い髪に紅い瞳。
ガウリイのこの外見の容姿は母親であるセレーヌ譲り。
「…ほら、手をだせ。」
あきれつつも。
まあいつものことだし。
そんなことをおもいつつ。
そんな彼にといっているのは黒い髪の歳のころは同じくらいであろうか。
まだ幼い少年が一人。
幼い、といってもガウリイと同い年程度。
彼は祖父とそして両親とともに。
この王国に代々仕えている一族の一人。
「…ゼル、絶対にルナ姉さんの方が皇帝に向いてるよなぁ…」
いつものことながら。
戯れにほとんど大怪我寸前にまでもってゆくそんな姉であるルナのことをおもいつつ。
幼馴染でもある彼に愚痴をいっているガウリイのそんな言葉に。
「しかたないだろ。お前が金色の髪をもって生まれたのがそもそもの宿命だな。しみるぞ?我慢しろ?」
「ってぇぇぇ!ゼルディガスぅ!もう少し丁寧にしてくれよぉ!」
「ゼルガディスだ!お前はいい加減にきちんと俺の名前をいえぇぇえ!」
短剣で多少肌を切り刻まれ。
といってもこれでもまあいつもより少ないほうであるのだが。
そんな彼の怪我を手当てしつつ。
叫ぶ少年の声が。
ガウリイのここ私室にてしばらく見受けられてゆく。
「…ここがいちばんおちつく。」
もう母が死亡していくらたったであろうか。
まだ幼い子供たちのことを考えて。
彼女の父が再婚をしたのは少し前。
だが、父は知らない。
父の前でみせているその顔とそして子供たちの前でみせているその顔が。
まったく180度違っている、ということを。
父にいえばさらなる虐待などがまっている。
一番気の強い少女はそんな継母に当然のことごとくに反抗をみせている。
そんなことをいいつつ。
一人で作った秘密基地に。
今日も今日とて入り浸るまだ一歳かそこらの少女が一人。
実際はこれでも一応はもう三歳なのであるが。
その小柄な身長から、たいていいつも年下に見られるこの少女。
そういいつつも。
「…とりあえず!ストレス発散!ということで、母さん直伝の盗賊退治にいこう!うん!」
何とも変わった…いや変わったことをいいつつも。
ひょいと。
木の上から飛び降りている栗色の髪に紅い瞳の少女が一人。
そこは王都からかなり離れた辺境のとある町。
そんな町並からも離れた山の中。
この辺り一帯は、彼女の母親がもっていたいわば財産。
今はもう父がその遺産をすべて受け継いでこの広い広大な土地を。
守っていっているのであるが。
そんなことをいいつつ。
まだ生前であった母、セシルから教わった様々な事柄を。
山を荒らす盗賊退治にと当てはめて。
ストレス発散をしているまだたったの三歳になったばかりの女の子の姿が。
しばらくそこで見受けられてゆくのであった。
― かつてはその運命に翻弄され。そして再び生まれ変わったその魂。
ならば今度は今生にてその命をまっとうし。汝らの望みを今度こそかなえたまわん ―
かつて。
まだこの世界が魔法とそして神と魔の力で覆われていた時代があった。
だがそれは。
一人の少女と一人の剣士の手によりその安定は崩れ去った。
だがそれを脅威と感じた魔とそして神側が。
彼らを危険とみなし、そして……
運命に翻弄されつつも必死でいきたその人物達の名前は。
今はもう誰も覚えているものなどはいない。
それははるかなる太古の昔の物語。
覚えているのは。
形を変えて存在している、神族、そして魔族のみ……
―第1話へ―
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まえがき:
こんにちわv
以前ちらっと触れた、しかも短編でも触れたあの小説。あれをいくのですv
・・・こーして増やしまくって自分の首をしめてどうするんですかねぇ?
あはははは・・・・・。
舞台はとりあえず古代中国・・・偽もどき(まてぃ!)
ではでは。ゆくのですv
・・・・・画像みつけるまでどうしよっかなぁ?(このままでいくか・・・←おひ)
2003年11月5日某日
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あとがきもどき:
薫:はーいvはじめちゃいましたv(こらこらこら)
というわけで以前更新履歴にかいてた風の記憶。
ついでに短編でちらりと触れたあの話。あれがとうとう起動ですv(だからまて)
まあ誰もまってはいないだろうけどさ。
ちなみにこの世界・・・・はっ!
ぽぐっ!!!!
(何かが叩きのめされる音が響いてゆく・・・・)
L:はい。急用ができてどこかにいった薫はおいとくとして。代理のLです。
この世界、一応形はのこっていないものの。魔もそして神も一応は存在してるのよね。
まったく。とりあえずしばらく一億年のお仕置き中なんだけど。
あいつらは。
以前、…まあ、何を考えてるのか。
こいつら、世界を滅ぼす、というか向上してゆく、というか。その目的すらも忘れて。
まあ一人の人間を追い掛け回して。挙句はとある馬鹿がこの星に宇宙空間から隕石引っ張ってきて。
で落下させようとしてそれを防いだあの二人。あたしの元に戻ってきたから。
今回はまああたしの慈悲の心で転生させたんだけど。
でも本当にまったく、神族側の部下も魔族側の部下も。まったくお仕事がなってないったら。
くぅぅ!お母さん、そんな情けない子供に育ててないわ!
・・・・とまあ冗談はこれくらいにして。
とりあえず。
この世界、あまり魔法、というのは知られてません。
一部の者は使えるけどね。
ま、とりあえず。
またまた新たというか昔の話を打ち込み始めたこの薫!
ちょっとぉぉお!このあたしの主人公の小説はぁあ!?
・・・・もう少しこいつ、切り刻んでおきますか・・・・(ぽそり)
何はともあれ。
これ…あたしがでてこないのよねぇ。
薫いわく最後にあたしの言葉が入っている。から出してる!と言い張ってるけど。
これはだしてるうちにはいらないわよ!
というわけであたしはこれからもう少し薫に説教を施しますからv
それではみなさんv
またどこかでお会いしましょうねv
それではvまたvv
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