管理人よりの一言:
いただきましたのです!
こちらは、スレイヤーズ15周年記念。
月間ドラゴンマガジン。2004年3月号。
あれに掲載された、イラストよりの話ですv素敵な幻想の世界へvv


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           雪景色



はらり…はらり…。

白く優しく舞い落ちる…雪。



雪は冷たい、けれど雪は優しい。


「寒くないか?リナ…。」



ふわっとリナを包み込むように抱きしめるガウリイ。
雪が降っていたので一応宿から借りてきた赤いローブで雪をしのぐ。
いつもなら『火炎球』で容赦なくガウリイを吹っ飛ばすリナだが、今日は大人しい。

「大丈夫、寒くないわよ…。」

苦笑しながらまわされたガウリイの腕に手を触れる。
一面銀世界の中に二人だけ。
取り残されたような気分になるリナ。



「雪は……冷たいけれど…真っ白で綺麗よね…。」
「ああ、そうだな…。」

「全てを真っ白に染める……何もかも……。」

「リナ……?」

どこか遠くを見ているように語るリナにガウリイは不思議に思う。
まるでいつものリナではないような気がする。
リナはそっとガウリイに寄りかかる。


「ガウリイは…あったかくて気持ちいいね…。」

ふっと笑みを浮かべる。
ガウリイはぎゅっとリナを抱きしめる。
逃がすまいとするように…。
暖かなリナの体温。
甘い匂い。

「リナ…。」

名前を呼び、リナの首筋に顔を埋める。
じかに触れる体温。
ふとガウリイは気付く。

いつもより…体温が高い…?


「リナ!お前!熱があるんじゃないのか?!」
「へ…?」
「こんな所にいるからだぞ!はやく宿に戻ろう!」


ひょいっとリナを抱き上げるガウリイ。


「え?!待ってガウリイ!もうちょっとだけ!もうちょっとだけ、ここにいたいの!」
「駄目だ!こんな寒いところにいたらもっと熱が上がるだろ?」
「どうしても…?」
「う……。」
「……ガウリイ…。」



上目使いで見るリナ。
ガウリイはリナのこの表情に弱い。
かなり弱い。
仕方ないとため息をつき…

「仕方ないな…。あと本当にちょっとだけだぞ?」
「うん、分かってる。」

ガウリイに抱き上げられたままリナは降り積もる雪を見る。
冷たいけれど優しいこの雪がリナは好きになった。
昔は寒くなるから嫌いだったが…。


雪は、血塗られた道を歩む自分を真っ白に染めてくれるようで…。
魔族とも戦い、神族をも敵に回してしまいそうな自分は…決して綺麗じゃない。
そんな自分はガウリイの側にいる資格などないのではないかと思ってしまうことがある。


「あたしは…、自分が綺麗じゃないのは分かってる。
姿とかじゃなくて……人を手にかけたこともある、魔族を竜族を手にかけたことも数多くあるの…。」
「リナ…。」
「それでも、雪で真っ白になれば……少しは綺麗になるかなって…。」
「何言ってるんだ、リナ…。」
「ガウリイはあたしにとって太陽なの。
  闇の中の光……、だから穢れたあたしが少しでも綺麗になれば側にいてもいいかなって思えるの…。」
「リナ…オレは…!」
「だから……、今だけは側にいさせてね……ガウリイ…。」



それだけ言ってリナはゆっくりと瞳を閉じて眠りに入った。
熱に浮かされていなければいえなかっただろうリナの本音。
ガウリイはリナの額に軽く唇を落とす。



「リナは心も綺麗だよ…。穢れているのは…オレの方さ…。」


ガウリイにとっての光はリナ。
こんな闇に染まった自分が眩しい光の側にいてもいいのか…。
そう思ってももう遅いのだ。
ガウリイは…


「オレはリナを絶対に手放せない…。」


側にいてもいいのか?
そう思った頃にはこの想い焦がれる気持ちは引き返せないところまで来ていた。
だから、一生リナを放すつもりはない。


一面の銀世界での少女の本音と男の本音。


                                     −エンドv−

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    管理人より。
       薫:すてきな小説をありがとうございます!
          たしかに、あのイラストは萌えますよねぇ・・・・。
          ふふふふふv
          雄馬さん毎度ありがとうございます!